| クリ | 
うたかたの記 | 
42 | 
マロオニイ | 
マロオニイ、セニヨレ | 
| クリ | 
うたかたの記 | 
43 | 
栗 | 
殆憎げなる栗うり、やさしくいとほしげなるすみれうり、 | 
| クリ | 
うたかたの記 | 
43 | 
栗 | 
背をくぼめ、四足を伸ばし、栗箱に鼻さし入れつ | 
| コクタン | 
カズイスチカ | 
31 | 
黒檀 | 
柱なんぞは黒檀のように | 
| シュロ | 
カズイスチカ | 
31 | 
棕櫚 | 
その直ぐ向うは木槿の生垣で、垣の内側には疎らに高い棕櫚が立っていた。 | 
| スギ | 
カズイスチカ | 
40 | 
杉 | 
杉の生垣の切れた | 
| ハン | 
カズイスチカ | 
40 | 
榛 | 
一本一本の榛の木から起る蝉の声に、空気の全体が微に顫ふるえているようである。 | 
| ナツメ | 
カズイスチカ | 
43 | 
なつめ | 
古い棗の木の下に | 
| サクラ | 
かのように | 
122 | 
桜 | 
桜の花もないことはありませんが | 
| サクラ | 
かのように | 
122 | 
桜 | 
桜の沢山植えてある所が | 
| サクラ | 
かのように | 
122 | 
桜 | 
あっちの人は桜と云う木は | 
| サクラ | 
かのように | 
122 | 
桜 | 
お母あ様に桜の事を | 
| サクラ | 
かのように | 
122 | 
桜 | 
桜の咲く春も過ぎた | 
| サクラ | 
かのように | 
122 | 
桜 | 
桜ん坊のなる木だとばかり | 
| アオギリ | 
かのように | 
124 | 
梧桐 | 
大きい黄いろい梧桐の葉と、小さい赤い山もみじの葉とが散らばって、 | 
| モミジ | 
かのように | 
124 | 
もみじ | 
赤い山もみじの葉とが | 
| ヤナギ | 
ヰタ・セクスアリス | 
  | 
  | 
  | 
| ヤナギ | 
ヰタ・セクスアリス | 
12 | 
柳 | 
この辺は屋敷町で、春になっても、柳も見えねば桜も見えない | 
| サクラ | 
ヰタ・セクスアリス | 
12 | 
桜 | 
柳も見えねば桜も見えない | 
| ツバキ | 
ヰタ・セクスアリス | 
12 | 
椿 | 
内の塀の上から真赤な椿の花が見えて、お米蔵の側の臭橘(からたち)に薄緑の芽の吹いているのが見えるばかりである。 | 
| サルスベリ | 
ヰタ・セクスアリス | 
20 | 
百日紅 | 
花の一ぱい咲いている百日紅の木に、蝉が来て鳴き出した。 | 
| シュロ | 
ヰタ・セクスアリス | 
53 | 
しゅろ | 
天を指していた椶櫚のような髪の毛に香油を塗っていたのであった。 | 
| ホウ | 
ヰタ・セクスアリス | 
112 | 
ほう | 
朴歯の下駄 歯を厚い朴の木材で作った下駄 | 
| ザクロ | 
ヰタ・セクスアリス | 
112 | 
ザクロ | 
既に冥府のザクロの実を食べてしまっていたので | 
| スギ | 
阿部一族 | 
151 | 
杉 | 
境内の杉の木立に限られて | 
| サクラ | 
阿部一族 | 
151 | 
桜 | 
桜の下の井の中に這入った | 
| トチ | 
阿部一族 | 
175 | 
橡 | 
今は橡栗の背競になって、ありがたいようで迷惑な思いをした。 | 
| サクラ | 
阿部一族 | 
176 | 
桜 | 
霊屋の傍は桜の盛りである | 
| キョウチクトウ | 
阿部一族 | 
190 | 
夾竹桃 | 
夾竹桃の木末には | 
| ウノハナ | 
阿部一族 | 
195 | 
うのはな | 
丁度卯の花の真っ白に | 
| スギ | 
雁 | 
10 | 
杉 | 
苔蒸た石と石との間から、歯朶や杉菜が覗いていた。 | 
| イチョウ | 
雁 | 
11 | 
銀杏 | 
銀杏返しの髪 | 
| コウヤマキ | 
雁 | 
19 | 
コウヤマキ | 
高野槇 | 
| コウヤマキ | 
雁 | 
19 | 
コウヤマキ | 
高野槇が一本と | 
| ヒノキ | 
雁 | 
20 | 
檜 | 
ちゃぼ檜葉が二十三本と | 
| クチナシ | 
雁 | 
27 | 
くちなし | 
一輪挿に山梔の花を活けた床の間を背にして座を占めた末造は、鋭い目であたりを見廻した。 | 
| アオギリ | 
雁 | 
28 | 
梧桐 | 
植えた梧桐の | 
| カシワ | 
雁 | 
28 | 
かしわ | 
小さい側栢があるばかりである | 
| アオギリ | 
雁 | 
28 | 
梧桐 | 
末造の据わっている所からは、二三本寄せて植えた梧桐の、油雑巾で拭いたような幹が見えている。 | 
| コノテガシワ | 
雁 | 
28 | 
このてかしわ | 
その外には飛び飛びに立っている、小さい側栢(ひのき)があるばかりである。 | 
| イチョウ | 
雁 | 
29 | 
銀杏 | 
銀杏返し | 
| コウヤマキ | 
雁 | 
35 | 
コウヤマキ | 
外の高野槇の植えてある | 
| モモ | 
雁 | 
38 | 
桃 | 
島田やら桃割やらを連れていた | 
| コウヤマキ | 
雁 | 
46 | 
コウヤマキ | 
高野槇の枝の間から | 
| コウヤマキ | 
雁 | 
46 | 
コウヤマキ | 
高野槇の枝の間 | 
| ヤナギ | 
雁 | 
46 | 
柳の糸 | 
微かに揺れている柳の糸、その向うの池一面に茂っている蓮の葉とが見える。 | 
| ボタン | 
雁 | 
62 | 
ぼたん | 
牡丹の香のする | 
| ユズ | 
雁 | 
75 | 
ゆず | 
債務者の脂を柚子なら苦い汁が出るまで絞ることは己に出来る。 | 
| ヤナギ | 
雁 | 
82 | 
柳 | 
川岸の柳の下に大きい傘を張って、その下で十二三の娘にかっぽれを踊らせている男がある。 | 
| コノテガシワ | 
雁 | 
86 | 
かしわ | 
その外には犬走りに植えた側栢(ひのき)が二十三本埃りを浴びて立っているのである。 | 
| キャラ | 
興津弥五右衛門の遺書 | 
104 | 
伽羅 | 
彼伽羅に有之 | 
| キャラ | 
興津弥五右衛門の遺書 | 
104 | 
伽羅 | 
異なる伽羅の | 
| キャラ | 
興津弥五右衛門の遺書 | 
104 | 
伽羅 | 
然処其伽羅に | 
| キャラ | 
興津弥五右衛門の遺書 | 
107 | 
伽羅 | 
 伽羅は早速焚き | 
| キョウチクトウ | 
鶏 | 
67 | 
夾竹桃 | 
垣の方に寄って夾竹桃が五六本立っている。 | 
| サルスベリ | 
鶏 | 
67 | 
百日紅 | 
濡れたとも見えずにいる。真中に大きな百日紅の木がある | 
| サルスベリ | 
鶏 | 
68 | 
百日紅 | 
そして百日紅の植わっている庭の方の雨戸が疎らに締まっているのを、 | 
| ミカン | 
鶏 | 
69 | 
蜜柑 | 
所々に蜜柑の木があって、小さい実が沢山生っている。 | 
| ミカン | 
鶏 | 
70 | 
蜜柑 | 
花壇の上にも、畠の上にも、蜜柑の木の周囲にも、蜜蜂が沢山飛んでいるので、 | 
| ミカン | 
鶏 | 
81 | 
蜜柑 | 
南国の空は紺青いろに晴れていて、蜜柑の茂みを洩れる日が、きらきらした斑紋を、花壇の周囲の砂の上に印している。 | 
| ミカン | 
鶏 | 
82 | 
蜜柑 | 
一本の蜜柑の木を東へ廻ると勝手口に出る。 | 
| サルスベリ | 
鶏 | 
87 | 
百日紅 | 
北向の表庭は、百日紅の疎(まばら)な葉越に、日が一ぱいにさして、 | 
| キョウチクトウ | 
鶏 | 
87 | 
夾竹桃 | 
夾竹桃にはもうところどころ花が咲いている。 | 
| シキミ | 
鶏 | 
98 | 
樒 | 
跣足の子供が、「花柴々々」と呼びながら、走って通る。 樒を売るのである。 | 
| サルスベリ | 
鶏 | 
98 | 
百日紅 | 
百日紅の花の上に、雨が降ったり止んだりしている。 | 
| シキミ | 
護持院原の敵打 | 
147 | 
樒 | 
墓参の時などには、樒を売る媼の世間話にも耳を傾けて、敵のありかを聞き出そうとしていたが、いつか忌も明けた。 | 
| サクラ | 
高瀬舟 | 
251 | 
桜 | 
智恩院の桜が入相の | 
| マツ | 
堺事件 | 
230 | 
松 | 
千本松を出帆し | 
| ナラ | 
山椒大夫 | 
162 | 
柞の森 | 
しかし心のうちには、柞の森まで往って来たにしては、あまり早いと疑った。 | 
| ナラ | 
山椒大夫 | 
162 | 
柞柞柞の林 | 
藁葺の家が何軒も立ち並んだ一構(ひとかたまり)が柞(ははそ)の林に囲まれて、それに夕日がかっとさしているところに通りかかった。 | 
| ナラ | 
山椒大夫 | 
165 | 
柞の林 | 
潮汲み女は受け合って、柞の林の方へ帰って行く。主従四人は橋のある方へ急いだ。 | 
| ナラ | 
山椒大夫 | 
165 | 
柞の森 | 
ついそこの柞(ははそ)の森の中です。 | 
| マツ | 
山椒大夫 | 
169 | 
松 | 
這入った松林の中の | 
| アカマツ | 
山椒大夫 | 
174 | 
赤松 | 
とうとう赤松の幹のような | 
| イチョウ | 
青年 | 
24 | 
銀杏の落葉 | 
銀杏の落葉の散らばっている敷石を踏んで、 | 
| ハギ | 
青年 | 
25 | 
萩の茂み | 
そして萩の茂みに隠れてしまった。 | 
| ハギ | 
青年 | 
25 | 
萩の茂み | 
萩の茂みを離れて、ダアリアの花の間へ | 
| ハギ | 
青年 | 
25 | 
萩の植わっている | 
萩の植わっている処から右に折れ曲っていて、それより奥は見えなかった。 | 
| ハギ | 
青年 | 
25 | 
萩 | 
花の散ってしまった萩がまん円に繁っている。 | 
| ハギ | 
青年 | 
29 | 
萩の茂み | 
 少女の頭は萩の茂みの蔭に隠れた。 | 
| サザンカ | 
青年 | 
32 | 
山茶花の枝 | 
蹲の向うの山茶花の枝から、雀が一羽飛び下りて、蹲の水を飲む。 | 
| マツ | 
青年 | 
37 | 
松真木 | 
冬は部屋の隅の鉄砲煖炉に松真木(まつまき)が燻(くすぶ)っているだけである。 | 
| ナンテン | 
青年 | 
42 | 
花瓶に南天が | 
卓の上には花瓶に南天が生けてあるが、いつ生けたものか葉がところどころ泣菫(きゅうきん)の所謂乾反葉(ひそりば)になっている。 | 
| クルミ | 
青年 | 
63 | 
胡桃を噬み割 | 
西洋人が胡桃を噬(か)み割らせる、恐ろしい口をした人形がある。 | 
| カシ | 
青年 | 
80 | 
樫の木 | 
平らに苅(か)り込んだ樫の木が高く黒板塀の上に聳(そび)えているのが、 | 
| ウメモドキ | 
青年 | 
117 | 
梅もどきや | 
常磐樹に交って、梅もどきやなんぞのような、赤い実のなっている木が、あちこちに残っているばかりである。 | 
| サザンカ | 
青年 | 
117 | 
山茶花 | 
植長の庭の菊も切られてしまって、久しく咲いていた山茶花までが散り尽した。 | 
| ヒノキ | 
青年 | 
126 | 
檜の影 | 
四目垣の向うの檜の影を縁の上に落していたのが、雲が動いたので消えてしまった。 | 
| キリ | 
青年 | 
135 | 
桐の円火鉢 | 
桐の円火鉢の火を掻き起して、 | 
| キリ | 
青年 | 
137 | 
桐の火鉢 | 
前からあったのと同じ桐の火鉢が出る。 | 
| スギ | 
青年 | 
150 | 
杉の葉 | 
紙鳶糸(たこいと)に杉の葉を附けて、そいつを持って塀の上に乗って涼んでいる。 | 
| スギ | 
青年 | 
150 | 
杉の葉 | 
頭や頬っぺたをちょいちょい杉の葉でくすぐられる。 | 
| スギ | 
青年 | 
172 | 
薄暗い杉木立 | 
物園の方へ抜けるとき、薄暗い杉木立の下で、 | 
| ハン | 
青年 | 
176 | 
榛の木 | 
その縁(ふち)には榛(はん)の木のひょろひょろしたのが列をなしている。 | 
| モミ | 
青年 | 
180 | 
樅の枝 | 
クリスマスが来ても、子供達に樅の枝に蝋燭を点して遣ることも出来ないような木樵りの棲み家にも、 | 
| リンゴ | 
青年 | 
181 | 
林檎 | 
西瓜(すいか)のような大きさの林檎を持って来てくれたりしたって、 | 
| マツ | 
青年 | 
194 | 
松の枝 | 
門(かど)ごとに立てた竹に松の枝を結び添えて、 | 
| マツ | 
青年 | 
209 | 
大きい松 | 
図抜けて大きい松の向うに、静かな夜の海が横たわっている。 | 
| マツ | 
青年 | 
214 | 
松林 | 
洗わずに出た顔を吹かせつつ、松林を穿(うが)ち、 | 
| サクラ | 
二人の友 | 
224 | 
桜 | 
桜が咲き桜が散って | 
| モモ | 
杯 | 
11 | 
桃 | 
桃色の頬を膨らませて | 
| マツ | 
百物語 | 
88 | 
松 | 
刈り込んだ松の木が | 
| シュロ | 
普請中 | 
19 | 
棕櫚 | 
 棕櫚の靴拭いのそばに雑巾がひろげておいてある。 | 
| シャクナゲ | 
普請中 | 
20 | 
ロドダンドロン | 
アザレエやロドダンドロンを | 
| アザレエ | 
普請中 | 
20 | 
つつじ | 
アザレエやロドダンドロンを | 
| ブドウ | 
普請中 | 
20 | 
ブドウ | 
高さ三尺ばかりの葡萄に、暖室で大きい実をならせた盆栽がすえてある。 | 
| ウメ | 
普請中 | 
21 | 
梅 | 
梅に鶯やら、浦島が子やら、鷹やら、どれもどれも小さい丈の短い幅なので、 | 
| ボダイジュ | 
舞姫 | 
10 | 
ぼだいじゅ | 
菩提樹下と訳するときは | 
| リンデン | 
舞姫 | 
10 | 
リンデン | 
デン、リンデンに来て | 
| マツ | 
妄想 | 
50 | 
松 | 
岨が松の根に縦横に | 
| マツ | 
妄想 | 
50 | 
松 | 
松林の中へ | 
| マツ | 
妄想 | 
50 | 
松 | 
この松の幾本かを | 
| アカマツ | 
妄想 | 
50 | 
赤松 | 
ひょろひょろした赤松が簇(むら)がつて生えてゐる。余り年を経た松ではない。 | 
| マツ | 
妄想 | 
51 | 
松 | 
掛かっている松林の中の |