5 |
木材 |
木材 |
木材にペンキを塗った、マッチの箱のような擬(まがい)西洋造である。 |
5 |
鴨居 |
鴨居 |
入口の鴨居の上に、木札が沢山並べて嵌(は)めてある。 |
5 |
木札 |
木札 |
入口の鴨居の上に、木札が沢山並べて嵌(は)めてある。 |
5 |
板縁 |
上り口の板縁 |
上り口の板縁に雑巾を掛けている十五六の女中が雑巾の手を留めて、 |
7 |
生垣 |
生垣 |
土塀や生垣を繞(めぐ)らした屋敷ばかりで、 |
8 |
木像 |
剥げた木像 |
剥(は)げた木像の据えてある随身門(ずいじんもん)から内を、古風な瑞籬(たまがき)で囲んである。 |
8 |
瑞籬 |
瑞籬 |
剥(は)げた木像の据えてある随身門(ずいじんもん)から内を、古風な瑞籬(たまがき)で囲んである。 |
8 |
瑞垣 |
こんな瑞垣 |
どこの神社であったか知らぬが、こんな瑞垣(たまがき)があったと思う。 |
8 |
常磐木 |
常磐木 |
向うの小高い処には常磐木の間に葉の黄ばんだ木の雑(まじ)った木立がある。 |
8 |
木 |
黄ばんだ木 |
向うの小高い処には常磐木の間に葉の黄ばんだ木の雑(まじ)った木立がある。 |
8 |
木立 |
木立 |
向うの小高い処には常磐木の間に葉の黄ばんだ木の雑(まじ)った木立がある。 |
8 |
格子戸 |
格子戸 |
多くは格子戸の嵌まっている小さい家が、 |
8 |
冠木門 |
冠木門 |
の隣に冠木門のあるのを見ると、色川国士別邸と不恰好な木札に書いて釘附(くぎづけ)にしてある。 |
8 |
木札 |
不恰好な木札 |
の隣に冠木門のあるのを見ると、色川国士別邸と不恰好な木札に書いて釘附(くぎづけ)にしてある。 |
8 |
植木屋 |
植木屋 |
そらから先きは余り綺麗でない別荘らしい家と植木屋のような家とが続いている。 |
9 |
木 |
大きい木 |
左側の丘陵のような処には、大分(だいぶ)大きい木が立っているのを、 |
9 |
炭薪 |
炭薪 |
台所で炭薪(すみまき)の小言でも言っているだろうと思って、 |
9 |
木戸番 |
木戸番 |
国の芝居の木戸番のように、高い台の上に胡坐(あぐら)をかいた、 |
10 |
板橋 |
板橋 |
曲りくねって行くうちに、小川に掛けた板橋を渡って、 |
13 |
生木 |
生木の橋 |
小川に掛けた生木の橋を渡って、 |
13 |
杙 |
杙 |
ペンキ塗の杙(くい)にゐで井病院と仮名違に書いて立ててある、 |
15 |
椀 |
汁椀 |
その膳の汁椀の側に、名刺が一枚載せてある。 |
18 |
梯子 |
梯子 |
梯子の下まで来て待っていた純一は、すぐに上がって来た。 |
23 |
長押 |
長押 |
長押から中折れの帽を取って被る。 |
23 |
梯子 |
梯子段 |
転瞬倏忽(てんしゅんしゅくこつ)の間に梯子段を降りるのである。 |
24 |
イチョウ |
銀杏の落葉 |
銀杏の落葉の散らばっている敷石を踏んで、 |
24 |
落葉 |
銀杏の落葉 |
銀杏の落葉の散らばっている敷石を踏んで、 |
24 |
生垣 |
生垣 |
生垣を結い繞(めぐ)らした小さい家の並んでいる処がある。 |
24 |
自然木 |
自然木 |
自然木の門柱に取り附けた柴折戸(しおりど)に、 |
24 |
門柱 |
門柱 |
自然木の門柱に取り附けた柴折戸(しおりど)に、 |
24 |
柴折戸 |
柴折戸 |
自然木の門柱に取り附けた柴折戸(しおりど)に、 |
24 |
垣 |
垣の内 |
垣の内を覗いていると、隣の植木鉢を沢山入口に並べてある家から、 |
24 |
植木屋 |
植木屋 |
植木屋をしていた爺いさんが、倅(に娵(よめ)を取って家を譲るとき、 |
24 |
植木屋 |
植木屋 |
食事は植木屋から運んだ |
25 |
柴折戸 |
柴折戸 |
婆あさんは柴折戸を開けた。 |
25 |
茶道口 |
茶道口 |
茶道口のような西側の戸の外は、 |
25 |
茶室 |
茶室 |
茶室というと陰気な、厭な感じが伴うように思っていた。 |
25 |
蹂口 |
蹂口 |
蹂口(にじりぐち)のような戸口が南向になっていて、 |
25 |
植木屋 |
植木屋 |
隣の植木屋との間は、低い竹垣になっていて、 |
25 |
ハギ |
萩 |
花の散ってしまった萩がまん円に繁っている。 |
25 |
ハギ |
萩の茂み |
萩の茂みを離れて、ダアリアの花の間へ |
25 |
ハギ |
萩の茂み |
そして萩の茂みに隠れてしまった。 |
25 |
植木屋 |
植木屋 |
植木屋の前を通るとき、ダアリアの咲いているあたりを見たが、 |
25 |
ハギ |
萩の植わっている |
萩の植わっている処から右に折れ曲っていて、それより奥は見えなかった。 |
28 |
唐机 |
唐机 |
どこからか買い集めて来てくれた家具の一つの唐机に向って、 |
29 |
ハギ |
萩の茂み |
少女の頭は萩の茂みの蔭に隠れた。 |
32 |
垣 |
垣の外 |
垣の外を、毛皮の衿の附いた外套を着た客を載せた車が一つ |
32 |
サザンカ |
山茶花の枝 |
蹲の向うの山茶花の枝から、雀が一羽飛び下りて、蹲の水を飲む。 |
32 |
枝 |
山茶花の枝 |
蹲(つくばい)の向うの山茶花の枝から、雀が一羽飛び下りて、蹲の水を飲む。 |
34 |
蔦蘿 |
蔦蘿 |
自分は岸の蔦蘿(つたかずら)にかじり附いているのではあるまいか。 |
37 |
木札 |
木札 |
古びた木札の掛けてある、赤く塗った門を這入ると、 |
37 |
マツ |
松真木 |
冬は部屋の隅の鉄砲煖炉に松真木(まつまき)が燻(くすぶ)っているだけである。 |
38 |
炭 |
炭をついで |
慌てて炭をついで、頬を膨らせて頻(しき)りに吹き始めた。 |
39 |
木札 |
小さい木札 |
小さい木札に、純一が名を書いて、門の柱に掛けさせて置いたので、 |
39 |
門の柱 |
門の柱 |
小さい木札に、純一が名を書いて、門の柱に掛けさせて置いたので、 |
42 |
木造 |
木造 |
この辺には木造のけちな家ばかり並んでいる。 |
42 |
庇 |
一軒の庇 |
その一軒の庇に、好く本屋の店先に立ててあるような、木の枠に紙を張り附けた看板が立て掛けてある。 |
42 |
木枠 |
木の枠 |
その一軒の庇に、好く本屋の店先に立ててあるような、木の枠に紙を張り附けた看板が立て掛けてある。 |
42 |
下駄 |
薩摩下駄 |
瀬戸は下駄や半靴の乱雑に脱ぎ散らしてある中へ、薩摩下駄を跳ね飛ばして、 |
42 |
梯子 |
梯子 |
正面の梯子を登って行く。 |
42 |
格子 |
帳場の格子 |
店を横目で見ると、帳場の格子の背後(うしろ)には |
42 |
ナンテン |
花瓶に南天が |
卓の上には花瓶に南天が生けてあるが、いつ生けたものか葉がところどころ泣菫(きゅうきん)の所謂乾反葉(ひそりば)になっている。 |
42 |
乾反葉 |
乾反葉 |
卓の上には花瓶に南天が生けてあるが、いつ生けたものか葉がところどころ泣菫(きゅうきん)の所謂乾反葉(ひそりば)になっている。 |
42 |
葉 |
葉がところどころ |
卓の上には花瓶に南天が生けてあるが、いつ生けたものか葉がところどころ泣菫(きゅうきん)の所謂乾反葉(ひそりば)になっている。 |
47 |
柱 |
柱 |
この男は最初から柱に倚(よ)り掛かって、 |
49 |
梯子 |
梯子 |
この時梯子の下で、「諸君、平田先生が見えました」と呼ぶ声がした。 |
51 |
平板 |
平板極まる中 |
平板極まる中(うち)に、どうかすると非常に奇警な詞が、 |
52 |
棹 |
棹 |
純一もこれまで自分が舟に棹(さお)さして下って行く順流を、 |
54 |
梯子 |
梯子段 |
純一が梯子段の処に立っていると、瀬戸が忙しそうに傍へ来て問うのである |
63 |
クルミ |
胡桃を噬み割 |
西洋人が胡桃を噬(か)み割らせる、恐ろしい口をした人形がある。 |
66 |
林 |
風が林を |
ざわざわと、風が林をゆするように、人の話声が聞えて来る。 |
72 |
柱 |
柱の処 |
書き添えてある札を打ち附けた柱の処である。 |
80 |
カシ |
樫の木 |
平らに苅(か)り込んだ樫の木が高く黒板塀の上に聳(そび)えているのが、 |
80 |
黒板塀 |
黒板塀 |
平らに苅(か)り込んだ樫の木が高く黒板塀の上に聳(そび)えているのが、 |
80 |
木立 |
木立の前 |
園の木立の前で、立っている婦人の手に若い男が接吻している図である。 |
80 |
草木 |
草木の緑 |
草木の緑や、男女の衣服の赤や、紫や、黄のかすんだような色が、 |
83 |
下駄 |
薩摩下駄 |
薩摩下駄が寒い夜の土を踏んで高い音を立てた。 |
90 |
下駄 |
庭下駄 |
ふいと庭下駄を穿いて門に出て、しゃがんで往来を見ていた。 |
92 |
炭 |
火鉢に炭を |
婆あさんは火鉢に炭をついで置いて帰った。 |
92 |
縁の切れた |
縁の切れたように |
しまいには殆ど縁の切れたようになった文芸を、 |
96 |
梯 |
堕落の梯 |
貧人が金を得れば堕落の梯(はしご)を降(くだ)って行く。 |
98 |
下駄 |
下駄を引っ掛け |
純一は先きへ下駄を引っ掛けて、植木屋の裏口を覗(のぞ)いて、 |
98 |
植木屋 |
植木屋 |
純一は先きへ下駄を引っ掛けて、植木屋の裏口を覗(のぞ)いて、 |
108 |
木札 |
黒い木札 |
もうさっきから黒い木札の立ててある改札口に押し掛けている |
109 |
銀杏返 |
銀杏返 |
銀杏返しに珊瑚珠の根掛をした女が芸者だろうということだけは分かった。 |
112 |
常磐木 |
常磐木の間 |
常磐木の間に、葉の黄ばんだ雑木の交っている茂みを見込む、二本柱の門に、大宮公園と大字で書いた木札の、稍(やや)古びたのが掛かっているのである。 |
112 |
葉 |
葉の黄ばんだ |
常磐木の間に、葉の黄ばんだ雑木の交っている茂みを見込む、二本柱の門に、大宮公園と大字で書いた木札の、稍(やや)古びたのが掛かっているのである。 |
112 |
雑木 |
雑木 |
常磐木の間に、葉の黄ばんだ雑木の交っている茂みを見込む、二本柱の門に、大宮公園と大字で書いた木札の、稍(やや)古びたのが掛かっているのである。 |
112 |
二本柱 |
二本柱の門 |
常磐木の間に、葉の黄ばんだ雑木の交っている茂みを見込む、二本柱の門に、大宮公園と大字で書いた木札の、稍(やや)古びたのが掛かっているのである。 |
115 |
落葉 |
落葉 |
落葉の散らばっている小道の向うに、木立に囲まれた離れのような家が見える。 |
115 |
木立 |
木立に囲まれた |
落葉の散らばっている小道の向うに、木立に囲まれた離れのような家が見える。 |
115 |
杙 |
杙 |
枯葦(かれあし)の茂みを抜いて立っている杙(くい)があって、 |
117 |
森 |
森の方 |
鴉が一声啼いて森の方へ飛んで行った。 |
117 |
落葉 |
落葉の道 |
二人は暫く落葉の道を歩いて上りの汽車に乗った。 |
117 |
サザンカ |
山茶花 |
植長の庭の菊も切られてしまって、久しく咲いていた山茶花までが散り尽した。 |
117 |
常磐樹 |
常磐樹 |
常磐樹に交って、梅もどきやなんぞのような、赤い実のなっている木が、あちこちに残っているばかりである。 |
117 |
ウメモドキ |
梅もどきや |
常磐樹に交って、梅もどきやなんぞのような、赤い実のなっている木が、あちこちに残っているばかりである。 |
117 |
実 |
赤い実 |
常磐樹に交って、梅もどきやなんぞのような、赤い実のなっている木が、あちこちに残っているばかりである。 |
117 |
木 |
実のなっている木 |
常磐樹に交って、梅もどきやなんぞのような、赤い実のなっている木が、あちこちに残っているばかりである。 |
121 |
板戸 |
板戸 |
板戸を卸す頃から、急に思い立って、 |
122 |
下駄 |
薩摩下駄 |
人気のない上野の山を、薩摩下駄をがら附かせて歩いたこともある。 |
122 |
灌木 |
両側の灌木 |
坂の両側の灌木と、お霊屋の背後の森とに遮られて、 |
122 |
森 |
背後の森 |
坂の両側の灌木と、お霊屋の背後の森とに遮られて、 |
123 |
灌木 |
灌木の間 |
石は灌木の間を穿(うが)って崖の下へ墜(お)ちた。 |
125 |
縁側 |
縁側 |
徐(しず)かに縁側に腰を掛けた。 |
126 |
四目垣 |
四目垣 |
四目垣の向うの檜の影を縁の上に落していたのが、雲が動いたので消えてしまった。 |
126 |
ヒノキ |
檜の影 |
四目垣の向うの檜の影を縁の上に落していたのが、雲が動いたので消えてしまった。 |
126 |
縁 |
縁の上 |
四目垣の向うの檜の影を縁の上に落していたのが、雲が動いたので消えてしまった。 |
134 |
生垣 |
生垣 |
そして見覚えのある生垣や門が見えるようになってからも、 |
134 |
櫺子 |
櫺子 |
ベルが鳴ってから電気を附けたと見えて、玄関の腋(わき)の櫺子(れんじ)の硝子にぱっと明りが映ったのであった。 |
135 |
杉戸 |
杉戸 |
突き当りに牡丹孔雀をかいた、塗縁(ぬりぶち)の杉戸がある。 |
135 |
障子 |
内外が障子 |
上草履を脱いで這入って見ると内外(うちそと)が障子で、内の障子から明りがさしている。 |
135 |
障子 |
内の障子 |
上草履を脱いで這入って見ると内外(うちそと)が障子で、内の障子から明りがさしている。 |
135 |
障子 |
内の障子 |
しづえが腰を屈(かが)めて、内の障子を一枚開けた。 |
135 |
キリ |
桐の円火鉢 |
桐の円火鉢の火を掻き起して、 |
137 |
格子 |
格子 |
明るい褐色に、細かい黒い格子があった。 |
137 |
キリ |
桐の火鉢 |
前からあったのと同じ桐の火鉢が出る。 |
139 |
灰 |
白い灰 |
火鉢の火が被った白い灰の下から |
145 |
植木屋 |
植木屋 |
田舎生れの小間使上がりで、植木屋の女房になっている、 |
147 |
木立 |
冬木立 |
上野公園の冬木立の間を抜けて、広小路で電車に乗った。 |
148 |
障子 |
障子 |
一方の障子に嵌(は)めた硝子越しに、隅田川が見える。 |
149 |
障子 |
障子 |
我々は廊下続きで、障子を立て切った部屋を当てがわれている。 |
150 |
スギ |
杉の葉 |
紙鳶糸(たこいと)に杉の葉を附けて、そいつを持って塀の上に乗って涼んでいる。 |
150 |
葉 |
杉の葉 |
紙鳶糸(たこいと)に杉の葉を附けて、そいつを持って塀の上に乗って涼んでいる。 |
150 |
スギ |
杉の葉 |
頭や頬っぺたをちょいちょい杉の葉でくすぐられる。 |
150 |
葉 |
杉の葉 |
頭や頬っぺたをちょいちょい杉の葉でくすぐられる。 |
151 |
襖 |
襖 |
最後に某大臣が見えたのを合図に、隣の間との界の襖が開かれた。 |
153 |
床の間 |
床の間 |
曽根が第一に大臣を床の間の前へ案内しようとすると、 |
153 |
床の間 |
床の間 |
所々(しょしょ)から床の間の前へお杯頂戴に出掛けるものがある。 |
158 |
床の間 |
床の間 |
見れば床の間の前の真中の席は空虚になっていた。 |
158 |
床の間 |
床の間 |
床の間に併行した線の上に四人が一列に並んで、弾いたり歌ったりすると、 |
159 |
床の間 |
床の間 |
床の間の左の、違棚(ちがいだな)のあたりを見ると、 |
159 |
違棚 |
違棚 |
床の間の左の、違棚(ちがいだな)のあたりを見ると、 |
160 |
銀杏返し |
銀杏返し |
小さい銀杏返しを結(い)って、 |
162 |
箸 |
箸 |
丁度持て来た茶碗蒸しを箸で掘り返し始めた。 |
163 |
香油 |
香油 |
香油に光る髪が一握程、狭い額に垂れ掛かっている。 |
166 |
造作はない |
造作はない |
己に酒を薦めるのは造作はない筈である。 |
168 |
梯 |
梯 |
廊下に出て、梯(はしご)を降りた。 |
168 |
梯 |
梯 |
梯の下に降りると、丁度席上で見覚えた人が二人便所から出て来た。 |
169 |
柱 |
廊下の柱 |
純一はおちゃらが廊下の柱に靠(よ)り掛かって立っているのを見た。 |
172 |
下駄 |
薩摩下 |
薩摩下駄をかんかんと踏み鳴らして歩き出した。 |
172 |
スギ |
薄暗い杉木立 |
物園の方へ抜けるとき、薄暗い杉木立の下で、 |
172 |
木立 |
薄暗い杉木立 |
物園の方へ抜けるとき、薄暗い杉木立の下で、 |
173 |
佐倉炭 |
佐倉炭 |
それを卸して見れば、生けてある佐倉炭が真赤におこっている。 |
172 |
炭 |
炭 |
純一はそれを掻き起して、炭を沢山くべた。 |
176 |
ハン |
榛の木 |
その縁(ふち)には榛(はん)の木のひょろひょろしたのが列をなしている。 |
177 |
大きな |
大きな |
傍(そば)に立っている大きな木に攀(よ)じ登った。 |
177 |
木 |
何の木 |
何の木か純一には分からないが広い緑色の葉の茂った木である。 |
177 |
葉 |
緑色の葉 |
何の木か純一には分からないが広い緑色の葉の茂った木である。 |
177 |
枝 |
枝 |
扉のように開いている枝に手が届いた。 |
177 |
枝 |
同じ枝 |
身をその枝の上に撥(は)ね上げて見ると、同じ枝の上に、自分より先きに避難している人がある。 |
177 |
枝 |
その枝 |
身をその枝の上に撥(は)ね上げて見ると、同じ枝の上に、自分より先きに避難している人がある。 |
177 |
葉 |
緑の葉 |
所々に白い反射のある緑の葉に埋(うず)もれて、 |
177 |
木 |
一本の木 |
その中に、この一本の木が離れ小島のように抜き出(い)でている。 |
177 |
梢 |
梢 |
新)に生れて来たAdamとEvaとのように梢を掴む片手に身を支えながら、二人は遠慮なく近寄った。 |
180 |
モミ |
樅の枝 |
クリスマスが来ても、子供達に樅の枝に蝋燭を点して遣ることも出来ないような木樵りの棲み家にも、 |
180 |
枝 |
樅の枝 |
クリスマスが来ても、子供達に樅の枝に蝋燭を点して遣ることも出来ないような木樵りの棲み家にも、 |
180 |
木樵 |
木樵 |
クリスマスが来ても、子供達に樅の枝に蝋燭を点して遣ることも出来ないような木樵りの棲み家にも、 |
181 |
リンゴ |
林檎 |
西瓜(すいか)のような大きさの林檎を持って来てくれたりしたって、 |
183 |
樵夫 |
樵夫 |
樵夫(きこり)の家に飼ってある青い鳥は顧みられなくなって、 |
189 |
襖 |
襖 |
忽ち襖(ふすま)の外でことこと音をさせるのが聞えた。 |
190 |
炭斗 |
炭斗 |
純一が炭斗(すみとり)を引き寄せて炭をついでいる間に、 |
194 |
マツ |
松の枝 |
門(かど)ごとに立てた竹に松の枝を結び添えて、 |
194 |
枝 |
松の枝 |
門(かど)ごとに立てた竹に松の枝を結び添えて、 |
194 |
障子 |
障子 |
綺麗に障子を張った表具屋の、ひっそりした家もある。 |
194 |
表具屋 |
表具屋 |
綺麗に障子を張った表具屋の、ひっそりした家もある。 |
194 |
朱漆 |
朱漆 |
朱漆(しゅうるし)の所々に残っている木魚(もくぎょ)や、 |
194 |
木魚 |
木魚 |
朱漆(しゅうるし)の所々に残っている木魚(もくぎょ)や、 |
194 |
胡粉 |
胡粉 |
胡粉(ごふん)の剥(は)げた木像が |
194 |
木像 |
木像 |
胡粉(ごふん)の剥(は)げた木像が |
194 |
木 |
木の切れ |
闕(か)け損じて何の片割れとも知れない金屑や木の切れがある |
200 |
床の間 |
床の間 |
伊藤公の書いた七絶(しちぜつ)の半折(はんせつ)を掛けた床の間の前に、 |
209 |
マツ |
大きい松 |
図抜けて大きい松の向うに、静かな夜の海が横たわっている。 |
211 |
床の間 |
床の間 |
角刈の男は、形ばかりの床の間の傍(そば)の押入れを開けた。 |
211 |
床の間 |
床の間 |
この二階にも床の間だけはあるのである。 |
210 |
柱 |
壁も柱 |
壁も柱も煤(すす)で真っ黒に染まった家の門(かど)であった |
210 |
梯子 |
梯子 |
純一は真っ黒な、狭い梯子を踏んで、 |
210 |
縁側 |
縁側 |
二階は縁側のない、十五六畳敷の広間である。 |
214 |
マツ |
松林 |
洗わずに出た顔を吹かせつつ、松林を穿(うが)ち、 |
218 |
挽匠 |
挽匠 |
片側町に、宿屋と軒を並べた挽匠(ひきものし)の店がある。 |
218 |
細工 |
湯本細工 |
売っているのは名物の湯本細工である。 |
218 |
銀杏返 |
銀杏返しに結って、 |
髪を銀杏返しに結(い)って、真珠の根掛を掛け、黒鼈甲(くろべっこう)に蝶貝を入れた櫛を挿している。 |
218 |
櫛 |
櫛 |
髪を銀杏返しに結(い)って、真珠の根掛を掛け、黒鼈甲(くろべっこう)に蝶貝を入れた櫛を挿している。 |
218 |
板縁 |
板縁 |
その間店の上さんが吊銭を手に載せて、板縁に膝を衝いて待っていたのである。 |
220 |
木々 |
木々 |
対岸に茂っている木々は、Carnavalに仮装をして、 |
220 |
細工 |
湯本細工の店 |
なぜと云うに、あの湯本細工の店で邂逅(かいこう)した時、 |
224 |
老木 |
千年の老木 |
鬱蒼たる千年の老木の間に、温泉宿の離れ座敷がある。 |
228 |
手桶 |
手桶 |
男達が撈(さら)って、手桶の底に水を入れたのを持って来て、 |
237 |
閾 |
意識の閾 |
それは意識の閾(しきい)の下で、棋の稽古をしていたのだと云った事がある。 |
238 |
欄間 |
欄間 |
欄間から青白い光が幾筋かの細かい線になってさし込んでいる。 |
240 |
盆 |
通い盆 |
こう云って置いて、女中は通い盆を持って廊下へ出た。 |