草木 |
草木 |
5 |
生いしげる草木、飛び廻る禽獣(きんじゅう)、さては女のめでたさ、 |
林 |
煩悩の林 |
6 |
わしは煩悩の林に遊びたい。 |
草木 |
草木 |
6 |
禽獣草木魚介の族(やから)と同じく死ぬものじゃ。 |
長押 |
長押 |
18 |
長押に槍、壁に鉄砲、笠、箕のなど懸けてある。 |
マツ |
松 |
19 |
わしの清書が松だったのだよ。 |
干柿 |
干柿 |
20 |
戸棚から皿に干柿を容(い)れて持ち帰る |
柿 |
柿 |
21 |
松若柿を食う。 |
木 |
木の枝 |
29 |
向こうの木の枝に鳥がいる。 |
枝 |
木の枝 |
29 |
向こうの木の枝に鳥がいる。 |
笈 |
笈 |
31 |
笈(おい)を負い草鞋を穿き、杖をついている。 |
杖 |
杖 |
31 |
笈(おい)を負い草鞋を穿き、杖をついている。 |
杖 |
杖 |
37 |
左衛門親鸞を打つ。杖は笈(おい)にあたる。 |
笈 |
笈 |
37 |
左衛門親鸞を打つ。杖は笈(おい)にあたる。 |
杖 |
杖 |
38 |
左衛門杖を投げる。 |
杖 |
杖 |
38 |
杖は雪の上に落ちる。 |
材木 |
材木 |
44 |
其処(そこ)らに転がっている材木の丸太に片足をかけ片手で |
丸太 |
丸太 |
44 |
其処(そこ)らに転がっている材木の丸太に片足をかけ片手で |
杖 |
杖 |
49 |
若い方のお弟子が腹を立てて杖をにぎりましたら、 |
杖 |
杖 |
49 |
おまけに杖で撲(ぶ)ったのですもの。 |
木の葉 |
木の葉 |
56 |
私たちの心は風の前の木の葉の如くに散り易いものです。 |
森 |
森 |
81 |
森のなかで静かに考えたり漁るように経書を読んだりしたよ。 |
森 |
森 |
88 |
嵐で森ははげしく鳴っていた。 |
花 |
紅い花 |
121 |
女ばかりが私の眼に紅い花のように映じます。 |
柱 |
柱 |
126 |
それから柱に背をあてて立ったまま |
柱 |
柱 |
127 |
よろめく。柱で身を支える |
木の葉 |
木の葉 |
133 |
おっつけ木の葉も落ちるようになるだろう。 |
花 |
花 |
133 |
花もすがれたのが多う御座います。 |
イチョウ |
公孫樹の葉 |
134 |
庫裏(くり)の裏のあの公孫樹の葉が散って、散って、いくら掃いても限(き)りがないって、 |
葉 |
公孫樹の葉 |
134 |
庫裏(くり)の裏のあの公孫樹の葉が散って、散って、いくら掃いても限(き)りがないって、 |
木の芽 |
木の芽 |
150 |
草や木の芽はまるで燃えるようだ。 |
樹立 |
樹立(こだち)、一寸した草地 |
150 |
影深き樹立(こだち)、一寸した草地 |
灌木 |
灌木 |
150 |
いちご等の灌木の叢(くさむら)。路は草むらの影から、 |
樹立 |
樹立 |
150 |
草地を経て樹立ち |
木の株 |
木の株 |
150 |
唯円一人、木の株に腰を掛けている。 |
灌木 |
灌木 |
151 |
灌木の叢のかげより登場 |
森 |
森 |
163 |
あの森のなかの塔の方に言って見なくて。 |
森 |
森 |
163 |
子供たち森のなかに入り、 |
クス |
楠の樹 |
169 |
あの夕陽があの楠の樹の蔭になるまで、 |
クス |
楠の樹 |
171 |
もうお日様か楠の樹にかかりました。 |
木の株 |
木の株 |
172 |
やがて木の株に腰を下ろす) |
キリ |
桐の |
173 |
あらいやだ。桐のがらだわ。 |
格子 |
格子 |
176 |
格子の外を軽そうな下駄の音などして、通る人は花のうわさをしていましたよ。 |
下駄 |
下駄 |
176 |
格子の外を軽そうな下駄の音などして、通る人は花のうわさをしていましたよ。 |
欄杆 |
欄杆 |
183 |
(欄杆(らんかん)の側に行き外を眺める) |
円柱 |
円柱 |
197 |
大きな円柱が沢山立っている大広間。 |
襖 |
襖 |
197 |
左右に古雅な絵模様ある襖。 |
襖 |
襖 |
198 |
立ち上がり無言のまま左右の襖をあけて退場。 |
柝 |
柝 |
198 |
冴えた柝(たく)の音がきこえてくる)あ、(耳をすます)庫裏(くり)で |
経机 |
経机 |
198 |
この経机(きょうづくえ)の前に跪いて夕べごとの祈りをささげたとき、 |
縁 |
縁 |
227 |
(縁さきに出る。重たそうに咲き満ちた桜の花を見る)ようさいたなあ。 |
サクラ |
桜の花 |
227 |
(縁さきに出る。重たそうに咲き満ちた桜の花を見る)ようさいたなあ。 |
サクラ |
桜の花 |
229 |
(庭を指して)この満開の桜の花が、夜わの嵐に散らないことを誰が保証することができよう? |
塀 |
塀 |
239 |
正面及び右側に塀。右側の塀の端に通用門。 |
塀 |
塀 |
239 |
塀の向こうに寺の建物見ゆ。 |
樹立 |
樹立 |
239 |
そのほとりに静かな樹立(こだち)、その影に園亭あり、 |
ボダイジュ |
菩提のたね |
247 |
けふやあすやとうちくれて、何か菩提のたねならむ。 |
森 |
森 |
253 |
やがてその声も止み、一座森(しん)とする。 |
林 |
煩悩の林 |
254 |
わしは一生の間煩悩の林に迷惑し、愛欲の海に浮沈しながら |
キリ |
桐 |
259 |
この桐の念珠はわしの形見にお前にあげる。 |
数珠 |
数珠 |
259 |
私の枕元の数珠を取っておくれ |
草木 |
禽獣草木 |
261 |
禽獣(きんじゅう)草木に到るまで聖者の御かくれ遊ばすのを |
樹立 |
樹立 |
264 |
黒き鳥四五羽庭の樹立(こだち)より飛び出て月の |
大工 |
大工 |
266 |
冗談など云いながら働いていた大工が、 |
樹 |
樹の果 |
270 |
金色の樹(き)の果(み)が枝をはなれて地に落ちた。 |
果 |
樹の果 |
270 |
金色の樹(き)の果(み)が枝をはなれて地に落ちた。 |
枝 |
枝 |
270 |
金色の樹(き)の果(み)が枝をはなれて地に落ちた。 |
森 |
森 |
272 |
されど森(しん)として、声を立つるものなし。 |