11 |
桟橋 |
工場の桟橋 |
それから工場の桟橋へ導かれ、 |
12 |
立板 |
立板に水を流すように |
立板に水を流すように、歌川広重の話をはじめてた。 |
12 |
ウメ |
塩梅 |
それでもう塩梅よういきますわ。 |
16 |
柱 |
床下柱 |
幾多の細身の床下柱が、 |
20 |
長押 |
長押 |
お札が長押にいっぱい貼られ、 |
20 |
末枯 |
末枯れた |
やや末枯(うらが)れた美しい芸者の姿を、 |
23 |
桟橋 |
桟橋 |
桟橋につく。 |
26 |
マツ |
松の影 |
松の影に充ちたせまい庭先に、 |
27 |
賽銭箱 |
賽銭箱 |
御堂の裡(うち)、賽銭箱の横に、 |
29 |
甲板 |
中甲板 |
船室と云っても中甲板に畳を敷き詰めただけであるが、 |
29 |
マツ |
唐崎の松 |
枯れ果てて跡ものこさぬ唐崎の松や、 |
30 |
欄干 |
欄干 |
西の欄干から躙(にじ)り寄る日が、 |
30 |
欄干 |
欄干 |
白ペンキの光沢を放つ欄干に遮られる。 |
30 |
欄干 |
欄干 |
その欄干のまぶしい日ざし裡に、 |
31 |
塩梅 |
あんばい |
「ああ、ええあんばいや」 |
32 |
林立 |
林立 |
枯れのこる松の数は、林立する煙突の数と比べものにならなかった。 |
32 |
マツ |
松の数 |
枯れのこる松の数は、林立する煙突の数と比べものにならなかった。 |
33 |
唐橋 |
唐橋 |
瀬田の唐橋を見に、 |
33 |
木立 |
木立 |
川の東岸の木立はあざやかに西日に照らし出され、 |
33 |
ヤナギ |
柳が垂れ |
中ノ島にはみどりの柳が垂れ、 |
35 |
板 |
歩みの板 |
長い歩みの板が下ろされた。 |
35 |
板 |
その板 |
慌ただしくその板を渡って来た。 |
35 |
板 |
歩みの板 |
重役二人は男たちと共にあわただしく歩みの板を渡って下船し、 |
35 |
板 |
板を引揚げ |
湖月丸がゆるゆると板を引揚げ出帆するまでのその間、 |
36 |
森 |
森の岸上 |
両岸の木立のみどり、やがて西岸の森の岸上高く、 |
36 |
木立 |
木立のみどり |
両岸の木立のみどり、やがて西岸の森の岸上高く、 |
37 |
欄干 |
欄干 |
彼が西側の欄干に凭(もた)れて、 |
37 |
モモ |
桃いろ |
その絹のように桃いろの滑らかな頬から、 |
41 |
箪笥 |
箪笥の抽斗 |
箪笥の抽斗(ひきだし)から秋の袷(あわせ)をとり出して、 |
41 |
抽斗 |
箪笥の抽斗 |
箪笥の抽斗(ひきだし)から秋の袷(あわせ)をとり出して、 |
47 |
柱 |
柱や櫺子窓 |
紅殻塗の柱や櫺子窓がほの暗く連なり、 |
47 |
町屋 |
町屋風 |
町屋風の目立たぬ古い邸(やしき)で、 |
47 |
葉 |
葉いろ |
葉いろのわるい青木や木斛を配した中庭をとおして、 |
47 |
連子窓 |
柱や櫺子窓 |
紅殻塗の柱や櫺子窓がほの暗く連なり、 |
47 |
アオキ |
青木 |
葉いろのわるい青木や木斛を配した中庭をとおして、 |
47 |
モッコク |
木斛 |
葉いろのわるい青木や木斛を配した中庭をとおして、 |
49 |
床の間 |
床の間 |
そこから駒沢は床の間の立林何帠(かげい)の山水の自慢をしたが、 |
49 |
シタン |
紫檀の卓 |
紫檀の卓を隔てて座っているその人は、 |
51 |
松並木 |
湖畔の松並木 |
湖畔の松並木のかなた、 |
57 |
モモ |
桃いろ |
その桃いろのむき出しの歯茎の潤いが、蝋細工のように映える。 |
65 |
木造 |
木造二階建 |
左方には古い木造二階建の本部があり、 |
65 |
ソテツ |
蘇鉄や松 |
蘇鉄や松がその小さな築山を、 |
65 |
マツ |
蘇鉄や松 |
蘇鉄や松がその小さな築山を、 |
69 |
羽目板 |
羽目板 |
朽ちかけた羽目板に沿うて歩くときさえ、 |
77 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉を見がてら、ちょっと様子を見に行って来ましょう |
79 |
紅葉 |
羽目板 |
車窓に移る山腹の草紅葉に目をやながら、 |
80 |
紅葉 |
紅葉 |
岡野は色いとりどりの紅葉を満喫したが、 |
80 |
紅葉 |
紅葉 |
実は紅葉などにではなかった。 |
80 |
材修 |
草津材修場 |
大阪鉄道管理局草津材修場などという、 |
80 |
木造 |
木造 |
その古びた木造の壁の色や、 |
81 |
社 |
簡素な社 |
深い杉木立を背にした茶いろの簡素な社を美しく見た。 |
81 |
木立 |
深い杉木立 |
深い杉木立を背にした茶いろの簡素な社を美しく見た。 |
81 |
スギ |
深い杉木立 |
深い杉木立を背にした茶いろの簡素な社を美しく見た。 |
81 |
スギ |
杉の香 |
その言葉にこもる杉の香のようなものが好きだった。 |
82 |
紅葉 |
蔦紅葉 |
蔦紅葉があざやかで、 |
82 |
並木 |
並木 |
濠ぞいのいろは松の並木のほうへ、 |
82 |
マツ |
いろは松 |
濠ぞいのいろは松の並木のほうへ、 |
83 |
窓框 |
窓框 |
窓框に光る蜘蛛の巣がきちんなとした綻びのない図形を掲げていた。 |
86 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉の美しい西の丸跡の広場をそぞろ歩くあいだも、 |
86 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉の紅い影がうつろうのを、 |
88 |
垂枝 |
柳の垂枝 |
柳の垂枝は青い空を梳き、 |
88 |
ヤナギ |
散りかけた柳 |
散りかけた柳の下に若い男女が座っていた。 |
88 |
ヤナギ |
柳の垂枝 |
柳の垂枝は青い空を梳き、 |
90 |
実 |
オリーブの実 |
青と黒のオリーブの実のように泛(うか)んでいた。 |
90 |
オリーブ |
オリーブの実 |
青と黒のオリーブの実のように泛(うか)んでいた。 |
91 |
鉛筆 |
鉛筆 |
丁度デッサンをとる人が鉛筆を構えて構図をとるように、 |
91 |
木組 |
古風な木組 |
翼の古風な木組は、日を受けて、 |
94 |
板挟み |
板ばさみ |
いろんな感情の板ばさみになりながら、 |
94 |
木の間 |
木の間 |
木の間の青空の片鱗を見た。 |
99 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉は、島々の要所に、 |
99 |
梢 |
梢高く |
南には木々の梢高く、 |
99 |
木橋 |
平らな木橋 |
平らな木橋などがあちこちに架せられ、 |
99 |
木々 |
木々 |
南には木々の梢高く、 |
99 |
灌木 |
島の灌木 |
島の灌木はあらかた角や丸に刈り込まれて、 |
99 |
マツ |
傘なりの松 |
傘なりの松の下かげや、 |
105 |
ツバキ |
椿油 |
米糠や椿油でむりにピカピカに磨かされるんです。 |
107 |
梢 |
松の梢 |
松の梢をかすめて、池のほうへ飛び去った。 |
107 |
マツ |
松の梢 |
松の梢をかすめて、池のほうへ飛び去った。 |
117 |
松林 |
松林 |
すぐそばの松林を、 |
117 |
箸 |
箸を割って |
と駒沢は進んで箸を割って、妻にもすすめてた。 |
117 |
マツ |
まばらな松 |
まばらな松を頂きに透かしていた。 |
118 |
マツ |
赤松の下 |
左方の高い赤松の下を指さした。 |
121 |
反響版 |
反響版 |
一等信頼のできる反響版に使った。 |
125 |
框 |
扉の框 |
男はいつもの扉の框に、 |
129 |
テーブル |
焦茶色のテーブル |
ワニスを塗った焦茶色のテーブルが大きな水たまりのように光っていた。 |
129 |
ワニス |
ワニス |
ワニスを塗った焦茶色のテーブルが大きな水たまりのように光っていた。 |
130 |
落葉 |
落葉 |
落葉のようにあちこちへ吹き迷わされ、 |
131 |
松笠 |
白く塗った松笠 |
小さい白く塗った松笠が彼女の口から転がり出すようだ。 |
132 |
サクラ |
風にささやぐ桜 |
窓辺に立ち、風にささやぐ桜を見ていた。 |
132 |
サクラ |
風の桜 |
中庭には風の桜のほかに、動くものの影は何もない。 |
133 |
サクラ |
夥しい桜 |
見つめるだけに日にぼやけてくる夥(おびただ)しい桜に向かって、考えていた。 |
136 |
紅葉 |
紅葉 |
あの本をもらって読んだのが去年の紅葉のころ、 |
136 |
サクラ |
桜が繊細な |
桜が繊細な輪郭を凝らせ、ものみなが息をひそめて動かずにいるように思われた。 |
138 |
生垣 |
生垣 |
春の埃にまぶされた生垣をめぐらし、 |
139 |
ベニヤ |
玄関のベニヤ板 |
忽ち玄関のベニヤ板のドアが開いて、 |
140 |
襖 |
襖 |
階段の登り端にも襖があった。 |
140 |
鴨居 |
鴨居 |
鴨居から下がっている紙に、 |
140 |
床の間 |
床の間 |
通された部屋の床の間に大きな祭壇があり、 |
140 |
白木 |
白木の小机 |
座っているそばに白木の小机があり、 |
140 |
サカキ |
榊を立てて |
榊を立ててあるのに目をみはった。 |
142 |
サカキ |
榊の香りが |
榊の香りが漂って、不合理が目の前にのどかにあぐらを掻き、 |
155 |
枝 |
欅の枝々 |
殊に青葉時の西日に欅の枝々が、 |
155 |
青葉 |
青葉時 |
殊に青葉時の西日に欅の枝々が、 |
155 |
ケヤキ |
欅並木 |
欅並木がつづいている。 |
155 |
ケヤキ |
欅の枝々 |
殊に青葉時の西日に欅の枝々が、 |
158 |
橙色 |
橙いろ |
その鈴なりの凹凸を橙いろを含んだ金いろに、 |
179 |
垣 |
結われた垣 |
数日前あらたに結われた垣に、 |
181 |
シイ |
椎 |
杉、椎、松などの鬱蒼とした茂みの頂きに、 |
181 |
スギ |
杉 |
杉、椎、松などの鬱蒼とした茂みの頂きに、 |
181 |
マツ |
松 |
杉、椎、松などの鬱蒼とした茂みの頂きに、 |
182 |
ビンロウ |
檳榔子 |
どんな絶望を檳榔子のように甘く渋く奥歯で噛みつづけてきたが、 |
185 |
枝 |
松の枝影 |
白いワイシャツの胸にうごく松の枝影のようなものは、 |
185 |
マツ |
松の枝影 |
白いワイシャツの胸にうごく松の枝影のようなものは、 |
192 |
家具 |
家具 |
おぼろに宿る建具や家具のなかに、 |
192 |
建具 |
建具 |
おぼろに宿る建具や家具のなかに、 |
197 |
枝 |
曲がった木の枝 |
曲がった木の枝に結びつけられているのだった。 |
197 |
木 |
曲がった木の枝 |
曲がった木の枝に結びつけられているのだった。 |
197 |
木型 |
木型 |
若者たちは木型を合わせたような拍手をした。 |
198 |
家具 |
家具 |
バリケードを築くために家具を手さぐりで |
198 |
シュロ |
棕櫚皮 |
玄関の棕櫚皮の靴拭いもそこから飛んだ。 |
202 |
板戸 |
板戸 |
板戸のむこうの声はなく、 |
207 |
木刀 |
木刀 |
係長たちは木刀を持って、蠟燭の光の中で |
209 |
柳行李 |
柳行李 |
彼女たちが柳行李や鞄を抱えて、 |
211 |
柳行李 |
柳行李 |
と里見が柳行李に腰かけて言った。 |
217 |
材木屋 |
材木屋 |
ほんとうに駒沢紡績のおかげで倒産した材木屋や塗装屋があり、 |
220 |
木 |
木の床 |
木の床に散らばる男たちの靴音は、 |
221 |
木の床 |
木の床 |
滑らかな木の床を引きずって行くときに、 |
223 |
小叢 |
小叢 |
西日に照らし出された河岸の小叢(こかげ)。 |
232 |
杖 |
杖 |
黒衣の老婆が片手に杖をつき、 |
237 |
垣根 |
垣根 |
「垣根や!垣根や!」 |
237 |
垣根 |
垣根 |
「垣根やや言うとるんや。あんた方が垣根や。」 |
237 |
垣根 |
垣根 |
「垣根やや言うとるんや。あんた方が垣根や。」 |
237 |
垣根 |
垣根 |
あんた方が垣根になって隔てとるんや。 |
242 |
障子 |
障子 |
川にすぐ面した木深い家で、茶室の障子をあけると、 |
242 |
薪 |
橡の薪 |
濡縁のすぐ先には橡の薪を積んで田舎家の趣を出し |
242 |
前栽 |
前栽 |
前栽の紫陽花の花ざかりが明るんで見えるのは、 |
242 |
茶室 |
茶室の障子 |
川にすぐ面した木深い家で、茶室の障子をあけると、 |
242 |
濡縁 |
濡縁 |
濡縁のすぐ先には橡の薪を積んで田舎家の趣を出し |
242 |
木 |
木深い家 |
川にすぐ面した木深い家で、茶室の障子をあけると、 |
242 |
木の間 |
木の間 |
木の間を洩れてくる月かげのためである。 |
242 |
木々 |
木々 |
木々に覆われて川には見えぬが、 |
242 |
アジサイ |
紫陽花 |
前栽の紫陽花の花ざかりが明るんで見えるのは、 |
242 |
クヌギ |
橡の薪 |
濡縁のすぐ先には橡の薪を積んで田舎家の趣を出し |
247 |
牛枠 |
牛枠 |
蛇篭の上に奔放に架した牛枠が、 |
247 |
舟板 |
舟板 |
さっきの階下(した)の舟板はええな、 |
247 |
舟板 |
舟板 |
木目の美しい、実にええ舟板やった。 |
247 |
舟板 |
舟板 |
川の舟の舟板は虫が喰っていないんだそうです。 |
247 |
舟板 |
舟板 |
海の舟の舟板に限るんだそうです。 |
247 |
木目 |
木目 |
木目の美しい、実にええ舟板やった。 |
247 |
木立 |
木立 |
黒く連なる木立の間に、 |
247 |
葉 |
葉末 |
大松の葉末が軒に迫り、 |
247 |
欄 |
欄 |
菊乃もそこに出て、欄(てすり)に倚(よ)った。 |
247 |
マツ |
大松 |
大松の葉末が軒に迫り、 |
248 |
舟板 |
舟板 |
二人は又舟板の話をした。 |
254 |
平板 |
平板 |
どことはなく平板なものがあるのが菊乃には気にかかり、 |
254 |
サクラ |
桜いろ |
いわば弓なりの、桜いろの日本列島であり、 |
258 |
三層桜 |
三層桜 |
唐破風や千鳥破風をいろいろに組み合わせた三層桜の複雑な姿は、 |
258 |
破風 |
唐破風 |
唐破風や千鳥破風をいろいろに組み合わせた三層桜の複雑な姿は、 |
258 |
破風 |
鳥破風 |
唐破風や千鳥破風をいろいろに組み合わせた三層桜の複雑な姿は、 |
264 |
塩梅 |
塩梅よく配分 |
ほどほどの雨やほどほどの日照りを塩梅よく配分し、 |
266 |
柱 |
太い柱 |
太い柱や梁は部屋に重々しい影を畳み、 |
266 |
梁 |
梁 |
太い柱や梁は部屋に重々しい影を畳み、 |
270 |
小枝 |
小枝の音 |
嵐の夜には折れる小枝の音が、 |
270 |
松籟 |
松籟 |
松籟や野鳥の鳴音(なきね)もきこえ、 |
270 |
マツ |
松から松へ |
夜の蝉が寝覚めに松から松へ移るチチともつれる声を聴くこともあった。 |
270 |
マツ |
松から松へ |
夜の蝉が寝覚めに松から松へ移るチチともつれる声を聴くこともあった。 |
273 |
枝 |
一つの枝 |
一つの枝に休ませるかと思うと |
273 |
葉桜 |
葉桜のみどり |
庭のさかんな葉桜のみどりばかりがなまなましかった。 |
274 |
窓框 |
窓框 |
ようやく窓框に貼りつこうとした一枚を捕らえて読んだ。 |
274 |
葉 |
桜の葉ごもり |
病院の庭の桜の葉ごもりにも、 |
274 |
サクラ |
桜の葉ごもり |
病院の庭の桜の葉ごもりにも、 |
274 |
ハギ |
夏萩 |
あるときは夏萩などの野の花を摘んで戻ったり、 |
287 |
箸 |
箸 |
皿の料理に鼻も接するばかりに近づけて箸を取る仕草、 |
289 |
ハギ |
紅い萩の |
老妓は年にしては紅い萩の夏帯を、 |
293 |
格子 |
櫺子格子 |
そろった低い二階は櫺子格子に暗み、 |
293 |
電信柱 |
電信柱 |
電信柱は不行儀に重複していた。 |
293 |
櫺子 |
櫺子格子 |
そろった低い二階は櫺子格子に暗み、 |
295 |
フジ |
藤蔓 |
藤蔓のように解きがたくもつれたものは、 |
296 |
枝葉 |
枝葉 |
房江の枝葉の多い手紙は、 |
302 |
葉叢 |
葉叢 |
その旺(さか)んな葉叢(はむら)の底に季節の落盤が感じられ、 |
307 |
樹々 |
森のいやらしい樹々 |
満足の瘰癧(るいれき)をいっぱいつけ、 |
307 |
森 |
森のいやらしい樹々 |
そこでは森のいやらしい樹々は自己満足の瘰癧(るいれき)をいっぱいつけ、 |
307 |
盆栽 |
小さな桧の盆栽 |
レエスの卓上掛の中央に小さな桧の盆栽と |
307 |
盆栽 |
盆栽の松 |
その盆栽の松の下蔭は繊細な苔を畳んで、 |
307 |
ヒノキ |
小さな桧の盆栽 |
レエスの卓上掛の中央に小さな桧の盆栽と |
307 |
マツ |
盆栽の松 |
その盆栽の松の下蔭は繊細な苔を畳んで、 |
310 |
果実 |
果実 |
屈辱に熟れた旺(さか)んな果実のようなその顔。 |
317 |
椅子 |
椅子カバー |
白く冴える麻の椅子カバーから起こした駒沢の顔に、 |
319 |
母屋 |
さわがしい母屋 |
観光団体りさわがしい母屋からははるかに遠い二間つづきの離れに落ち着いた。 |
327 |
東屋 |
簡素な東屋 |
二人は戸障子一つないその簡素な東屋から、 |
328 |
梢 |
黄ばんだ梢 |
並木道に大鈴懸の黄ばんだ梢は、望桜のすぐ下まで届いていた。 |
328 |
並木道 |
並木道 |
並木道に大鈴懸の黄ばんだ梢は、望桜のすぐ下まで届いていた。 |
328 |
スズカケ |
大鈴懸 |
並木道に大鈴懸の黄ばんだ梢は、望桜のすぐ下まで届いていた。 |
329 |
藤色 |
藤いろ |
藤いろや紅や白にまじって銀紙の鶴もきらめき、 |
332 |
下枝 |
下枝に |
丈の高い松い松が競い立っていたが、どれも下枝に葉がなくて、 |
332 |
山門 |
壮大な山門 |
二層桜の入母屋造の壮大な山門の周辺には、 |
332 |
撞木 |
撞木 |
撞木を操る足場にだけ石が敷いてあって、 |
332 |
入母屋 |
入母屋造 |
二層桜の入母屋造の壮大な山門の周辺には、 |
332 |
葉 |
葉がなくて |
丈の高い松い松が競い立っていたが、どれも下枝に葉がなくて、 |
332 |
キョウチクトウ |
桃 |
一つの塔頭(たつちゅう)の塀から夾竹桃が咲きこぼれていた。 |
332 |
マツ |
丈の高い松 |
丈の高い松が競い立っていたが、どれも下枝に葉がなくて、 |
334 |
根方 |
根方 |
古い樹々の根方に滲(にじ)み出す泉に似たものがあった。 |
334 |
樹々 |
古い樹々 |
古い樹々の根方に滲(にじ)み出す泉に似たものがあった。 |
335 |
木立 |
木立の多い |
黒谷へつづく木立の多い町の空に、 |
338 |
樹 |
樹てた |
いつの日か駒沢の樹(た)てた美しい大きな家族のもとへ |
338 |
白木 |
柾目の白木の板 |
明るい柾目の白木の板に目を寄せているような感じがしだした。 |
338 |
板 |
柾目の白木の板 |
明るい柾目の白木の板に目を寄せているような感じがしだした。 |
338 |
柾目 |
柾目の白木の板 |
明るい柾目の白木の板に目を寄せているような感じがしだした。 |
338 |
柩 |
柩の中 |
自分は柩の中にいて、その柩の内部が光に充たされているような気がした。 |
338 |
柩 |
柩の内部 |
自分は柩の中にいて、その柩の内部が光に充たされているような気がした。 |
339 |
柩 |
柩 |
彼の柩のまわりで輪踊りを踊ることになっている子供たち。 |
350 |
植木鉢 |
植木鉢 |
そこに多くの植木鉢が置かれている、 |
350 |
ハギ |
枯れかけた萩 |
枯れかけた萩の鉢がある。 |
353 |
ヒマラヤスギ |
ヒマラヤ杉 |
病棟の間の中庭のヒマラヤ杉は、 |
357 |
紅葉 |
桜紅葉 |
鬱蒼とした常盤木の大樹に囲まれ、又早い桜紅葉をのぞかせていた。 |
357 |
常盤木 |
常盤木の大樹 |
鬱蒼とした常盤木の大樹に囲まれ、又早い桜紅葉をのぞかせていた。 |
357 |
大樹 |
常盤木の大樹 |
鬱蒼とした常盤木の大樹に囲まれ、又早い桜紅葉をのぞかせていた。 |
357 |
塀 |
古い塀 |
京大病院の古い塀ぞいに、春日通を西へ歩いた。 |
357 |
木造 |
木造の洋館 |
古い木造の洋館を右に見て歩くほどに、 |
357 |
落葉 |
鈴懸の落葉 |
大学構内からの鈴懸の落葉が微風にころがる影さえ克明に印(いん)された。 |
357 |
サクラ |
桜紅葉 |
鬱蒼とした常盤木の大樹に囲まれ、又早い桜紅葉をのぞかせていた。 |
357 |
スズカケ |
鈴懸の落葉 |
大学構内からの鈴懸の落葉が微風にころがる影さえ克明に印(いん)された。 |
358 |
並木 |
堤の上の並木 |
堤の上の並木にも、黄ばんだ草にも、 |
360 |
割箸 |
割箸 |
枯葉や小さな芥(あくた)や、フィルムの空箱や、割箸の片方などが、 |
360 |
枯葉 |
枯葉 |
枯葉や小さな芥(あくた)や、フィルムの空箱や、割箸の片方などが、 |
360 |
木叢 |
対岸の木叢 |
対岸の木叢(こむら)を色深く映していた。 |
361 |
樹々 |
深い樹々 |
対岸に深い木蔭をつくる考え深い樹々。 |
361 |
藤紫色 |
藤紫の色 |
落ちるときはわけてその藤紫の色を、 |
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木蔭 |
深い木蔭 |
対岸に深い木蔭をつくる考え深い樹々。 |
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備長炭 |
備長炭 |
備長炭のかよわい火の上に懸けてある。 |