- サクラ 6箇所
- シラカバ 3箇所
- モミ 2箇所
- バラ 2箇所
- マツ 1箇所
- コクタン 1箇所
- ケヤキ 1箇所
- カエデ 1箇所
三島由紀夫の小説 「仮面の告白」に出てくる樹木や木製品
この小説の初出は1949年、文庫本におけるページ数は233ページ
ページ |
元樹種 |
掲載樹種 |
掲載言葉 |
20 |
バラ |
薔薇 |
油絵具で緋の薔薇が描かれたものを |
23 |
バラ |
薔薇 |
記念にくれた薔薇に接吻しているところを |
24 |
樹 |
老樹 |
右手は森の老樹の梢にかけ |
24 |
梢 |
梢 |
右手は森の老樹の梢にかけ |
24 |
森 |
森 |
右手は森の老樹の梢にかけ |
31 |
木遣 |
木遣 |
粒立ってきこえてくる木遣の悲調が |
38 |
樹 |
樹 |
縄が樹につづいていた |
38 |
樹木 |
樹木 |
やや傾いた黒い樹木の幹が彼の |
39 |
庭樹 |
庭樹 |
薄暮の庭樹に凭って |
40 |
カエデ |
楓 |
窓の楓は |
42 |
樹 |
樹 |
それは驚くべく美しい樹だった |
42 |
樹 |
樹 |
あまり丈高からぬ樹を見出だした |
42 |
コクタン |
黒檀 |
暗い黒檀の台座のような |
42 |
枝 |
枝 |
幾多の枝がその重たげな緑を支え |
43 |
樹 |
樹 |
血をしたたらせた樹は |
43 |
幹 |
幹 |
その幹に雨後の滴のように |
43 |
樹 |
樹 |
この樹ではなかったか |
43 |
樹 |
樹 |
樹の形態と音楽との類似が |
43 |
樹 |
樹 |
その樹は彼自ら |
43 |
幹 |
幹 |
ゆるぎない幹がのぞかれた |
43 |
樹 |
樹 |
身悶えした羅馬の樹は |
45 |
森 |
森 |
かなたの神殿をめぐる森の中空に |
46 |
森 |
森 |
学校の森をかけめぐる |
53 |
森 |
森 |
私は森の雪を眺めた |
53 |
森 |
森 |
森の斜面を |
55 |
ケヤキ |
欅 |
二本の欅の巨樹が寄り添うており |
55 |
雑木林 |
雑木林 |
それにつづく雑木林は |
55 |
梢 |
梢 |
枯れた梢や幹のわかれ目から |
55 |
巨樹 |
巨樹 |
巨樹は青い冬空と |
55 |
巨樹 |
巨樹 |
二本の欅の巨樹が寄り添うており |
55 |
幹 |
幹 |
枯れた梢や幹のわかれ目から |
63 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
校舎のわきの遊動円木から |
63 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
適度に揺れている遊動円木から |
63 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
何人かが遊動円木へとび上り |
63 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
遊動円木みたいな |
64 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
遊動円木は無表情に |
64 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
近江は遊動円木の上で軽く |
64 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
遊動円木の揺れ方から |
65 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
端のほうから遊動円木へ上って行った |
66 |
遊動円木 |
遊動円木(ゆうどうえんぼく) |
同時に遊動円木からころがり落ちた |
72 |
木 |
木 |
青木のかげからのっそり現われた |
72 |
葉 |
葉 |
きらきら葉が光りを |
78 |
ヒコバエ |
ひこばえ |
蘖のようなものが |
85 |
樹 |
樹 |
双手を高く樹に縛められ |
85 |
雑木林 |
雑木林 |
丘の雑木林へ伴われた |
117 |
木 |
木蔭 |
まわりの木蔭をえらんで |
125 |
マツ |
松 |
緩丘の松林に無数の |
127 |
板張リ |
板張り |
椅子の板張りが |
127 |
板 |
板 |
背にゆるんだ板の合せ目を動かしていた |
131 |
木肌 |
木肌 |
新らしい木肌が見えているところもあった |
155 |
木 |
木の葉叢 |
それをふちどる常磐木の葉叢の央に |
155 |
常磐木 |
常磐木 |
それをふちどる常磐木の葉叢の央に |
164 |
巨樹 |
巨樹 |
裁断された古い巨樹の示す木目のような |
164 |
巨樹 |
巨樹 |
裁断された古い巨樹の示す木目のような |
167 |
サクラ |
桜 |
とこうするうちに桜が咲いた |
167 |
サクラ |
桜 |
東京の桜が見られるのは |
167 |
常磐木 |
常磐木 |
常磐木のあいだに |
167 |
サクラ |
桜 |
ほしいままに咲いている桜などは |
167 |
サクラ |
桜 |
桜の幹のみずみずしい黒さも |
167 |
並木 |
並木 |
法律論を戦わしながら桜並木と池との |
168 |
サクラ |
桜 |
ふと桜の下草を踏みしだく音が |
169 |
サクラ |
桜 |
桜が満開にならないうちに |
175 |
枕木 |
枕木 |
まだくすぶっている枕木を踏み |
175 |
枝 |
枝 |
半焼けの細い枝をわたした |
180 |
果実 |
果実 |
幸福という禁断の果実に近づかずにいた |
181 |
木 |
木立 |
あそこに木立がある |
181 |
シラカバ |
白樺 |
二本の白樺が心のやさしい姉妹のような |
181 |
樹 |
樹 |
樹々は明るい滴りを落していた |
181 |
シラカバ |
白樺 |
私たちは樅や楓や白樺の林の間を走った |
181 |
モミ |
樅 |
私たちは樅や樅や白樺の林の間を走った |
181 |
モミ |
樅 |
私たちは樅や楓や白樺の林の間を走った |
187 |
若葉 |
若葉 |
若葉の青ばかりが目立つ朝だった |
187 |
梢 |
梢 |
見えない栗鼠が梢を揺らして通った |
190 |
木 |
木洩れ |
稀薄な木洩れ日の下で |
194 |
シラカバ |
白樺 |
二本の白樺の葉が |
198 |
杜 |
杜 |
神社の杜があった |
198 |
葉 |
葉 |
その勁い葉脈に太陽はべたべたと |
200 |
枝 |
枝 |
玉蜀黍が立ちはだかっている枝折戸のところまで |
234 |
植木 |
植木 |
中庭の植木鉢の樅は |
235 |
生木 |
生木 |
雷が落ちて生木が引裂かれるように |
235 |
戸板 |
戸板 |
屍が戸板にのせられて |