11 |
木苺 |
木苺 |
黒い木苺のようなそれを発見したのである。 |
16 |
根 |
根 |
いつのまにか彼女の中に根を張っていたのは、あのしじゅう眠っている良人の影響かもしれなかった。 |
17 |
樹脂 |
樹脂 |
乳房は少し垂れていて、平らな胸もとから、樹脂が流れて固まったようだ。 |
51 |
森 |
森 |
そこの森がこれほど巨大に見える夜はなかった。 |
51 |
ヒマラヤ杉 |
ヒマラヤ杉 |
ヒマラヤ杉の下の芝生をゆく、自動車の前燈がたえず不安な影をえがき、 |
51 |
樹木 |
樹木 |
自動車の前燈がたえず不安な影をえがき、樹木の影をあちこちへ移している。 |
51 |
森 |
森 |
クラクションが森のかなたこなたに谺(こだま)する間を縫って、急にはっきりと、 |
51 |
下駄 |
下駄 |
急にはっきりと、下駄の音や靴音が近くにきこえる。 |
62 |
木 |
木 |
庭の木の下な隠した宝物を見つけられはしないかという心配や、 |
62 |
クルミ |
胡桃 |
それはともあれ別箇(べっこ)の、胡桃(くるみ)の殻(から)のように固い存在だった。 |
110 |
もくせい |
木犀 |
それは繁みから繁みへ、花をつけた木犀(もくせい)から、 |
120 |
桟 |
桟 |
桟の折れた引戸があったりした。 |
141 |
木肌 |
木肌 |
やがて暖丘(段丘のことか)ののぼり坂が、薄日に木肌をまだらに明るませている赤松の林に入ってゆくとき、 |
141 |
アカマツ |
赤松 |
薄日に木肌をまだらに明るませている赤松の林に入ってゆくとき、 |
141 |
塀 |
塀 |
赤松の林に入ってゆくとき、かなり古びた塀のありかが見える。 |
141 |
林 |
林 |
薄日に木肌をまだらに明るませている赤松の林に入ってゆくとき、 |
156 |
ゴムの木 |
ゴムの木 |
ストーブで暖かい店内に、ゴムの木や葉欄(はらん)の鉢植がある。 |
157 |
プラタナス |
プラタナス |
覚醒剤のおかげでますます明晰にものを見て、窓からプラタナスの枯木と、 |
157 |
木 |
木 |
覚醒剤のおかげでますます明晰にものを見て、窓からプラタナスの枯木と、 |
164 |
枯木 |
枯木 |
この黒眼鏡をかけた無表情な、枯木のように痩せた男は、 |
171 |
ツバキ |
椿 |
芝生の外れには夥(おびただ)しい椿が咲いている。 |
176 |
サクラ |
桜 |
四月に入ってから雪が降り、六分咲きの桜に、たわわにつもったりする。 |
185 |
イチョウ |
銀杏 |
銀杏並木はもう芽吹いているが、その芽吹きは昼のあいだ、 |
185 |
並木 |
並木 |
銀杏並木はもう芽吹いているが、その芽吹きは昼のあいだ、 |
185 |
枝 |
枝々 |
黒い魁偉(かいい)な姿の幹から出たかぼそいその枝々をまぶしていて、強い単純な幹の輪郭を |
185 |
幹 |
幹 |
その枝々をまぶしていて、強い単純な幹の輪郭をぼかして見せるまでになっている。 |
186 |
木立 |
冬木立 |
それはなお、冬木立そのままに見えるのである。 |
186 |
森閑 |
森閑 |
散歩道は森閑としていた。 |
187 |
木かげ |
木かげ |
尤(もっとも)も別れの接吻が残っていた。木かげに入って短い接吻をした。 |
190 |
枝 |
枝々 |
空は日に日に明るくなり、枝々は緑になつた。人間の体には緑の繁ることはない。 |
187 |
支柱 |
支柱 |
私の支柱はあなたであり、私の全身全霊はあなたにのみ集中されていたこと、 |
185 |
幹 |
幹 |
黒い魁偉(かいい)な姿の幹から出たかぼそいその枝々をまぶしていて、強い単純な幹の輪郭を |