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植物 |
植物的変種 |
実験用に作られた植物的変種のように見られがちであったことは、 |
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ヴェランダ |
ヴェランダ |
川に着きだしたヴェランダで居ながらにして |
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鉛筆 |
鉛筆 |
和製の鷲印という鉛筆を使っていらしたそうですよ」 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
煙突ほどもある太さの六角の鉛筆は、 |
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鉛筆 |
下駄 |
賭けの小さな下駄の足は、 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
そんな口実を誰かがあの鉛筆に与えたのたろう。 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
どうしてある鉛筆が僕のものにならないのだろう。 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
あね鉛筆と僕との間に在って、 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
模型にすぎない大きな鉛筆を、 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
巨大な鉛筆は店員の手で賑やかに軒先から |
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鉛筆 |
鉛筆 |
いやでも大きな張子の鉛筆を抱えたまま、 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
身に余る鉛筆の化物に、 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
もうこの鉛筆の化物は要らんだろう。 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
体じゅうで鉛筆鉛筆を抱きしめた。 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
小さな弟の体を鉛筆ごと胴上げ |
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鉛筆 |
鉛筆 |
恐怖のあまり、誠は鉛筆を手から離した。 |
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櫂 |
櫂 |
毅も依怙地に黙ったまま櫂を動かしている。 |
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根堀り葉堀り |
根堀り葉堀り |
半ばは犯人から情事を根堀り葉堀りきき出して |
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バラ |
薔薇いろ |
聳え立っている薔薇いろの夕富士は |
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棒 |
棒 |
再現もなくこの棒を動かした。 |
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椅子 |
椅子 |
内側から椅子が戸棚で築かれた |
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大工道具 |
大工道具 |
大工道具を庭へ持ち出して外から窓を釘づけにする父親の狂態をも、 |
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釘 |
釘打ち |
長兄のごときは面白がって釘打ちの手伝いをしたのである。 |
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鉛筆 |
鉛筆 |
鉛筆を丹念に削って尖らすのが道楽の誠は、 |
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雑木林 |
雑木林 |
北東にひろがる雑木林に覆われた丘陵である。 |
| 43 |
サクラ |
桜 |
矢部川の堤には桜がちらほら咲き、草が萌えていた。 |
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雑木林 |
雑木林 |
やや雑木林の疎らな太田山の頂へ出て、 |
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木漏日 |
木漏れ陽 |
彼の白いシャツの肩には木漏れ陽がまだらに落ちている |
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切り株 |
切り株 |
そこの古い切り株に腰を下ろした。 |
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根掘り葉掘り |
根掘り葉掘り |
東京の地理について根掘り葉掘り学校の在処(ありか)を訊いたので、 |
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机 |
机 |
行き届いた机の表面を撫でているあいだは |
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机 |
机 |
机の裏面は、濡れた手拭に |
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行李 |
行李 |
行李を肩にかついで入ってきた。 |
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イチョウ |
銀杏並木 |
一直線にのびている弥生道の銀杏並木のしたまで来た。、 |
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板敷 |
板敷き |
櫻鳴堂(おうめいどう)の板敷き千人あまりの全寮生が集まって、 |
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建築 |
大建築 |
この大建築には廁がついていないので、 |
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小蔭 |
小蔭 |
あわてて庭の小蔭へ駆けつけるが、 |
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塩梅 |
塩梅 |
独乙女という塩梅に決められ、 |
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高下駄 |
高下駄 |
しゃっくりをしてるいような高下駄の急き肩に徹しても、 |
| 70 |
木で鼻をくくった |
木で鼻をくくった |
この木で鼻をくくったような御挨拶が幾分得意であった。 |
| 78 |
ヒマラヤスギ |
のヒマラヤ杉の枝 |
窓外のヒマラヤ杉の枝から光りまばゆい雪の崩れおちるさまを |
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枝 |
のヒマラヤ杉の枝 |
窓外のヒマラヤ杉の枝から光りまばゆい雪の崩れおちるさまを |
| 80 |
いちょう |
公孫樹並 |
公孫樹並木の真青な葉かげを歩いてゆくと、 |
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並木 |
公孫樹並 |
公孫樹並木の真青な葉かげを歩いてゆくと、 |
| 80 |
葉かげ |
葉かげ |
公孫樹並木の真青な葉かげを歩いてゆくと |
| 80 |
葉かげ |
古い木材 |
三等郵便局風なこの木造の事務所は、古い木材の上にブルのペンキを塗って |
| 80 |
木造 |
木造 |
三等郵便局風なこの木造の事務所は、古い木材の上にブルのペンキを塗って |
| 109 |
ニス |
ニス |
すると新しいニスの匂いが鼻を打った。 |
| 110 |
灌木 |
灌木 |
天井ちかく張りわたされた灌木からは、 |
| 110 |
木製 |
木製玩具 |
木製玩具の驢馬の音が |
| 111 |
鉛 |
鉛 |
それは巨大な緑いろの鉛筆で、 |
| 112 |
床板 |
床板 |
埃っぽい床板に射し入っているのが |
| 112 |
木戸 |
裏木戸 |
裏木戸には鍵がかかっていない。 |
| 116 |
街路樹 |
、街路樹 |
夜の雲を、街路樹を、つとめて美しいものと見るために |
| 121 |
建築 |
仮建築 |
2階建ての仮建築である。 |
| 131 |
柵 |
柵 |
まよつた羊たちを柵へ追い込むための |
| 138 |
街路樹 |
街路樹 |
短日の暮色は街路樹の梢をつつんでした。 |
| 138 |
梢 |
梢 |
短日の暮色は街路樹の梢をつつんでした。 |
| 143 |
森厳 |
森厳な気配 |
廊下には図書館のような森厳な気配が漂った。 |
| 144 |
ウメ |
梅酢 |
白い鍵盤の上に梅酢のような |
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桶 |
飼葉桶 |
そこに掲げられた飼葉桶がものうげに揺れては |
| 146 |
桶 |
桶 |
桶は深く、底にあるべき飼葉も見えない。 |
| 146 |
木橋 |
木橋 |
内幸町に出る木橋の袂で、 |
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俎板 |
俎板 |
真四角な俎板様の顔に似合わぬおちょぼ口の |
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桶 |
飼葉桶 |
飼葉桶にそろそろ献金をしなくちゃならないわ |
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桶 |
飼葉桶 |
君が2万円も飼葉桶へ放り込むところを見たら、 |
| 176 |
縁側 |
縁側 |
黙って縁側の日だまりへ行って体操をした。 |
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縁側 |
縁側 |
縁側では伯爵が二2本目の煙草に |
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縁側 |
縁側 |
角谷伯爵は縁側の茣蓙(ござ)に顔を埋めて鳴いていた。 |