- マツ 42箇所
- スギ 28箇所
- クリ 12箇所
- ヤナギ 10箇所
- クワ 6箇所
- アスナロ 5箇所
- アカシア 5箇所
- サクラ 5箇所
- ナシ 5箇所
- モモ 4箇所
- ナラ 3箇所
- ケヤキ 2箇所
- カシワ 2箇所
- カバ 2箇所
- キリ 2箇所
- マグノリア 2箇所
- シラカバ 2箇所
- ポプラ 2箇所
- バラ 2箇所
- クルミ 2箇所
- コブシ 1箇所
- ニレ 1箇所
- ヒバ 1箇所
- ハンノキ 1箇所
- リンゴ 1箇所
- スモモ 1箇所
- カヤ 1箇所
- ツツジ 1箇所
- トウヒ 1箇所
- ウメ 1箇所
- ウコンザクラ 1箇所
- イタヤ 1箇所
宮沢賢治の小説「春の修羅」に出てくる樹木や木製品
この小説の初出は1923年、文庫本におけるページ数は908ページ
小説名 |
ページ |
元樹種 |
掲載樹種 |
掲載言葉 |
春の修羅 春 |
20 |
ナラ |
楢 |
あちこちの楢の林も |
春の修羅 道べの粗朶に |
24 |
粗朶 |
粗朶 |
春の修羅 道べの粗朶に |
春の修羅 蛇 |
26 |
ヤナギ |
柳 |
この萌えだした柳の枝で |
春の修羅 蛇 |
27 |
モモ |
桃 |
しまひにうすい桃いろの |
春の修羅 アカシヤの木の洋燈から |
30 |
アカシア |
アカシア |
春の修羅 アカシヤの木の洋燈から |
春の修羅 増水 |
33 |
クワ |
桑 |
桑のはたけももう半分はやられてゐる |
春の修羅 増水 |
33 |
マツ |
松 |
残った松の下の草地と |
春の修羅 増水 |
37 |
スギ |
杉 |
若杉のほずゑの |
春の修羅 饗宴 |
38 |
ナラ |
楢 |
そのせきぶちの杉や楢には |
春の修羅 饗宴 |
38 |
スギ |
杉 |
そのせきぶちの杉や楢には |
春の修羅 饗宴 |
39 |
板ノ間 |
板の間 |
みんなうしろの板の間で |
春の修羅 圃道 |
50 |
木 |
木 |
ざんざん木も藪も鳴ってゐるのは |
春の修羅 鈍い月あかりの雪の上に |
58 |
マツ |
松 |
こんな巨きな松の枝さへ落ちてゐる |
春の修羅 春 |
63 |
マツ |
松 |
松のあたまをかすめて越せば |
春の修羅 バケツがのぼって |
65 |
スギ |
杉 |
もういま杉の茶いろな房と |
春の修羅 開墾 |
66 |
バラ |
ばら |
野ばらの藪を |
春の修羅 札幌市 |
67 |
ニレ |
楡 |
開拓紀念の楡の広場に |
>春の修羅 あの大もののヨークシャ豚が |
76 |
森 |
森 |
まっ黒な森のへりに沿って |
>春の修羅 あの大もののヨークシャ豚が |
76 |
棒 |
棒 |
追ってゐるのは棒をかざして |
>春の修羅 あの大もののヨークシャ豚が |
76 |
梢 |
梢 |
梢枯れかかった槻の木に |
>春の修羅 あの大もののヨークシャ豚が |
76 |
森 |
森 |
里長が森をぽろっと出る |
春の修羅 あの大もののヨークシャ豚が |
79 |
マツ |
松 |
松の林や地平線 |
春の修羅 宅地 |
80 |
キリ |
桐 |
さびしく桐の枝が落ち |
春の修羅 日に暈ができ |
83 |
スギ |
杉 |
杉みな昏く |
春の修羅 牛 |
84 |
木彫 |
木彫 |
まづはむかしの大木彫が |
春の修羅 牛 |
84 |
クルミ |
くるみ |
巨きなくるみの被さった |
春の修羅 同心町の夜あけがた |
89 |
木 |
木の枝 |
あの胡桃の木の枝をひろげる |
春の修羅 市場帰り |
90 |
枝 |
枝 |
枝を杖つく村老ヤコブ |
春の修羅 市場帰り |
90 |
並木 |
並木 |
並木の影を |
春の修羅 悍馬 |
91 |
マグノリア |
マグノリア |
マグノリアの花と霞の青 |
春の修羅 秘事念仏の大元締が |
96 |
ヤナギ |
やなぎ |
楊の花は黄いろに崩れ |
電車 |
97 |
木 |
木立 |
はんの木立は東邦風に |
電車 |
97 |
木 |
木立 |
はんの木立の向ふの方で |
電車 |
98 |
アスナロ |
アスナロ |
うしろを過ぎるひばの木二本 |
春の修羅 開墾地検察 |
99 |
サクラ |
桜 |
ここに巨きなしだれ桜があったがねえ |
春の修羅 開墾地検察 |
100 |
枝 |
枝 |
苹果の枝兎に食はれあした |
春の修羅 開墾地検察 |
100 |
サクラ |
桜 |
桜んぼの方は食ひあせんで |
春の修羅 開墾地検察 |
100 |
ツツジ |
つつじ |
花には薔薇につつじかな |
春の修羅 開墾地検察 |
100 |
バラ |
薔薇 |
花には薔薇につつじかな |
春の修羅 開墾地検察 |
100 |
ウメ |
梅 |
果樹ではやっぱり梅だらう |
春の修羅 開墾地検察 |
100 |
サクラ |
桜 |
桜んぼの方は食ひませんで |
春の修羅 開墾地検察 |
100 |
果樹 |
果樹 |
果樹ではやっぱり梅だらう |
>春の修羅 エレキや鳥がばしゃばしゃ翔べば |
103 |
林 |
林 |
林のなかで |
>春の修羅 エレキや鳥がばしゃばしゃ翔べば |
103 |
スギ |
杉 |
枯れた巨きな一本杉が |
>春の修羅 エレキや鳥がばしゃばしゃ翔べば |
103 |
スギ |
杉 |
杉をめぐって水いろなのは |
>春の修羅 エレキや鳥がばしゃばしゃ翔べば |
103 |
カイ |
かい |
やくざな檞の樹ででもあらう |
>春の修羅 エレキや鳥がばしゃばしゃ翔べば |
104 |
森 |
森 |
しづかに森をかけちがふ |
春の修羅 僚友 |
113 |
枝 |
枝 |
窓にはゆらぐアカシヤの枝 |
春の修羅 あすこの田はねえ |
116 |
枝 |
枝 |
あの枝垂れ葉をねえ |
春の修羅 あすこの田はねえ |
116 |
枝 |
枝 |
斯ういふ風な枝垂れ葉をねえ |
春の修羅 あすこの田はねえ |
117 |
リンゴ |
りんご |
かゞやかな苹果のわらひを |
春の修羅 あすこの田はねえ |
117 |
葉 |
葉 |
葉尖を刈ってしまふんだ |
春の修羅 野の師父 |
120 |
マツ |
松 |
あなたのせなは松より円く |
春の修羅 野の師父 |
122 |
林 |
林 |
松や楊の林には |
春の修羅 野の師父 |
122 |
ヤナギ |
楊 |
松や楊の林には |
春の修羅 野の師父 |
122 |
マツ |
松 |
松や楊の林には |
春の修羅 路を問ふ |
127 |
森 |
森 |
森で埋めた地平線から |
春の修羅 路を問ふ |
127 |
クリ |
栗 |
また栗の葉をかゞやかし |
春の修羅 二時がこんなに暗いのは |
130 |
アスナロ |
アスナロ |
陰気なひばの木立の影を |
春の修羅 二時がこんなに暗いのは |
131 |
ヤナギ |
柳 |
青い柳が一本立つ |
春の修羅 停留所にてスヰトンを喫す |
137 |
クワ |
桑 |
除草と桑の仕事のなかで |
春の修羅 停留所にてスヰトンを喫す |
138 |
クリ |
栗 |
川岸の栗や楊も |
春の修羅 停留所にてスヰトンを喫す |
138 |
ヤナギ |
やなぎ |
川岸の栗や楊も |
春の修羅 汽車 |
148 |
ナシ |
梨 |
小さくてよき梨を産する |
春の修羅 汽車 |
148 |
樹 |
樹 |
それらの樹群はみな |
春の修羅 汽車 |
148 |
ナシ |
梨 |
よき梨の母体であるか |
春の修羅 汽車 |
148 |
木 |
木立 |
はんの木立でございます |
春の修羅 汽車 |
148 |
マツ |
松 |
松の林に落ちこむし |
春の修羅 汽車 |
148 |
アカシア |
アカシア |
アカシヤの木の乱立と |
春の修羅 氷のかけらが |
150 |
スギ |
杉 |
そのぶちぶちの杉の木が |
春の修羅 氷のかけらが |
151 |
マツ |
松 |
車は茶いろな松森の向ふに |
春の修羅 凍ったその小さな川に沿って |
152 |
木 |
木 |
木のないとがった |
ソックスレット |
154 |
梢 |
梢 |
雪の反射とポプラの梢 |
ソックスレット |
154 |
ポプラ |
ポプラ |
雪の反射とポプラの梢 |
ソックスレット |
155 |
木 |
木 |
水に落ちた木の陰影の |
ソックスレット |
155 |
枝 |
枝 |
砕けるポプラの枝と雪の影 |
ソックスレット |
155 |
ポプラ |
ポプラ |
砕けるポプラの枝と雪の影 |
春の修羅 今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです |
156 |
梢 |
梢 |
いっぱい積んだ梢の雪が |
春の修羅 暗い月あかりの雪のなかに |
158 |
マツ |
松 |
松の影が落ちて |
春の修羅 暗い月あかりの雪のなかに |
158 |
マツ |
松 |
モザイク風の松の影だらうか |
春の修羅 暗い月あかりの雪のなかに |
158 |
マツ |
松 |
巨きな松の枝がある |
春の修羅 暗い月あかりの雪のなかに |
159 |
マツ |
松 |
巨きな松の枝だ |
春の修羅 たんぼの中に稲かぶが八列ばかり |
162 |
ヤナギ |
やなぎ |
まはりはぐみと楊の木 |
春の修羅 たんぼの中に稲かぶが八列ばかり |
162 |
マツ |
松 |
松並木ら雪もふれば |
春の修羅 たんぼの中に稲かぶが八列ばかり |
162 |
マツ |
松 |
新道の松の間を |
春の修羅 赤い尾をしたレオポルドめが |
164 |
マツ |
松 |
松の林の足なみに |
春の修羅 赤い尾をしたレオポルドめが |
164 |
林 |
林 |
林はうすい |
春の修羅 いろいろな反感とふゞきの中で |
165 |
クレオソート |
クレオソート |
クレオソートを塗られた |
春の修羅 運転手 |
167 |
マツ |
松 |
黝ずむ松のむらばやし |
春の修羅 運転手 |
168 |
アスナロ |
アスナロ |
ひばのかきね |
春の修羅 火がかゞやいて |
169 |
板ノ間 |
板の間 |
板の間に別々影と |
春の修羅 火がかゞやいて |
170 |
板ノ間 |
板の間 |
板の間へちゃんと座って |
春の修羅 ひるすぎになってから |
172 |
マツ |
松 |
古風な松の森が盛りあがったのです |
春の修羅 ひるすぎになってから |
172 |
木 |
木 |
木のないとがった |
春の修羅 ひるすぎになってから |
173 |
林 |
林 |
つらなる黒い林のはてに |
春の修羅 洪積世が了って |
176 |
森 |
森 |
はんやくるみの森林で |
春の修羅 洪積世が了って |
176 |
森 |
森 |
はんやくるみの森林で |
春の修羅 洪積世が了って |
176 |
森 |
森 |
はんやくるみの森林で |
春の修羅 わたくしの汲みあげるバケツが |
179 |
林 |
林 |
いまその林の茶褐色の房と |
春の修羅 水は黄いろにひろがって |
182 |
マツ |
松 |
島に残った松の草地と |
春の修羅 根の截り |
188 |
クリスマスツリー |
クリスマスツリー |
青らむクリスマスツリーと |
春の修羅 あんまり黒緑なうろこ松の梢なので |
197 |
マツ |
松 |
黒緑なうろこ松の梢なので |
春の修羅 いま撥ねかへるつちくれの蔭 |
200 |
トウヒ |
唐檜 |
唐檜をこゝに植ゑるのだ |
春の修羅 えい木偶のばう |
207 |
クワ |
桑 |
桑の枝にひっからまられながら |
春の修羅 午前の仕事のなかばを充たし |
211 |
樹液 |
樹液 |
アスティルベダビデの樹液が |
春の修羅 光環ができ |
213 |
森 |
森 |
あの森のへりの |
春の修羅 水仙をかつぎ |
216 |
マツ |
松 |
松の並木の影 |
春の修羅 萱草芽をだすどてと坂 |
220 |
マグノリア |
マグノリア |
マグノリアの花と陽の淡彩 |
春の修羅 こぶしの咲き |
232 |
コブシ |
辛夷 |
春の修羅 こぶしの咲き |
春の修羅 古びた水いろの薄明穹のなかに |
235 |
木 |
木の枝 |
たちまち木の枝の影と網 |
春の修羅 古びた水いろの薄明穹のなかに |
236 |
森 |
森 |
その森の下の神主の子で |
春の修羅 銀のモナドのちらばる虚空 |
238 |
クリ |
栗 |
芽をださぬ栗の木の天蓋に |
春の修羅 芽をだしたために |
240 |
スギ |
杉 |
すばらしい杉の方陣である |
春の修羅 芽をだしたために |
240 |
林 |
林 |
林のなかのあらゆる木 |
春の修羅 芽をだしたために |
240 |
枝 |
枝 |
その藪のなかのいちいちの枝 |
td>春の修羅 苹果のえだを兎に食はれました
242 |
枝 |
枝 |
えだを兎に食はれました |
td>春の修羅 苹果のえだを兎に食はれました
242 |
サクラ |
桜 |
桜んぼの方は食ひませんで |
td>春の修羅 苹果のえだを兎に食はれました
242 |
モモ |
桃 |
桃もやっぱり食はれました |
春の修羅 ひはいろの笹で埋めた嶺線に |
243 |
マツ |
松 |
青ぞらの小松である |
春の修羅 ひはいろの笹で埋めた嶺線に |
243 |
スモモ |
すもも |
うちのすももの花がいっぱいに |
春の修羅 ひはいろの笹で埋めた嶺線に |
243 |
格子 |
格子 |
一尺角の木の格子で組み上げた |
td>春の修羅 墓地をすっかりsquareにして
244 |
枝 |
枝 |
枝垂れの巨きな桜はきれいに |
td>春の修羅 墓地をすっかりsquareにして
244 |
サクラ |
枝垂桜 |
枝垂れの巨きな桜はきれいに |
春の修羅 これらは素樸なアイヌ風の木柵であります |
246 |
木柵 |
木柵 |
春の修羅 これらは素樸なアイヌ風の木柵であります |
春の修羅 これらは素樸なアイヌ風の木柵であります |
246 |
クワ |
桑 |
家の前の桑の木を |
春の修羅 科学に関する流言 |
255 |
更木 |
更木 |
高木から更木へ通る郡道の |
春の修羅 科学に関する流言 |
255 |
高木 |
高木 |
高木から更木へ通る郡道の |
春の修羅 峠の上で雨雲に云ふ |
259 |
シラカバ |
白樺 |
まがりくねった白樺の枝に |
春の修羅 峠の上で雨雲に云ふ |
259 |
木 |
木の実 |
黒い木の実をくはへて |
春の修羅 囈言 |
265 |
葉 |
葉 |
今年の青い槍の葉よ活着け |
その青じろいそらのしたを |
266 |
樹 |
樹 |
このゑん樹の木だ |
>春の修羅 わたくしが ちょうどあなたのいまの椅子に居て |
268 |
アカシア |
アカシア |
アカシヤの枝ゆらゆらゆれる |
春の修羅 栗の木花さき> |
270 |
クリ |
栗 |
春の修羅 栗の木花さき |
春の修羅 沼のしづかな日照り雨のなかで |
272 |
林 |
林 |
雨が、雲が、水が、林が |
春の修羅 あすこの田はねえ |
273 |
枝 |
枝 |
あの枝垂れ葉をねえ、 |
春の修羅 あすこの田はねえ |
273 |
枝 |
枝 |
斯ういふふうな枝垂れ葉をねえ |
南からまた西南から |
276 |
葉 |
葉 |
葉ごとの暗い露を |
南からまた西南から |
276 |
枝 |
枝 |
小暑のなかに枝垂れ葉を出し |
ダリヤ品評会席上 |
282 |
槍 |
槍 |
あの青い槍の穂は |
春の修羅 路を問ふ |
290 |
ヒバ |
ひば |
陰気なひばや杉の影だの |
春の修羅 路を問ふ |
290 |
スギ |
杉 |
陰気なひばや杉の影だの |
春の修羅 藤根禁酒会へ贈る |
295 |
並木 |
並木 |
平和街道のはんの並木は |
春の修羅 藤根禁酒会へ贈る |
297 |
森 |
森 |
殆んど無価値の林や森が |
春の修羅 生徒諸君に寄せる |
300 |
樹木 |
樹木 |
あらたな樹木や花の群落が |
春の修羅 発動機船 一 |
312 |
割木 |
割木 |
白い割木をしょって |
春の修羅 発動機船 一 |
312 |
雑木 |
雑木 |
雑木の崖のふもとから |
春の修羅 発動機船 一 |
314 |
梢 |
梢 |
大きな框の梢に沈み |
春の修羅 発動機船 一 |
314 |
カヤ |
榧 |
大きな框の梢に沈み |
春の修羅 こゝろ |
321 |
樹 |
樹 |
それみづからが樹のこゝろだ |
春の修羅 こゝろ |
321 |
樹 |
樹 |
一本の樹は一本の樹 |
春の修羅 どろの木の根もとで |
322 |
木 |
木の根 |
春の修羅 どろの木の根もとで |
春の修羅 どろの木の根もとで |
323 |
丸木 |
丸木 |
小さな丸木舟であり |
春の修羅 どろの木の根もとで |
323 |
クリ |
栗 |
柏か栗か |
春の修羅 どろの木の根もとで |
323 |
カシワ |
柏 |
柏か栗か |
春の修羅 どろの木の根もとで |
323 |
森 |
森 |
そのまっくらな森かげに |
春の修羅 林中乱思 |
331 |
スギ |
杉 |
柏の枝と杉と |
春の修羅 林中乱思 |
331 |
カシワ |
柏 |
柏の枝と杉と |
春の修羅 林中乱思 |
332 |
葉 |
葉 |
栗や何かの葉も降れば |
春の修羅 林中乱思 |
332 |
クリ |
栗 |
栗や何かの葉も降れば |
春の修羅 鉛いろした月光のなかに |
333 |
マツ |
松 |
こんな巨きな松の枝が |
春の修羅 鉛いろした月光のなかに |
333 |
マツ |
松 |
その松なみの巨きな影と |
春の修羅 鉛いろした月光のなかに |
334 |
クワ |
桑 |
凍った桑の畑のなかを |
春の修羅 鉛いろした月光のなかに |
335 |
マツ |
松 |
松をざあざあ云はせる風と |
春の修羅 西も東も |
337 |
マツ |
松 |
岸の小松か何かの中へ |
春の修羅 爺さんの眼はすかんぼのやうに赤く |
339 |
木 |
木 |
ぢいさんは木を引いてゐる |
春の修羅 法印の孫娘 |
340 |
木 |
木の枝 |
栗や何かの木の枝を |
春の修羅 法印の孫娘 |
341 |
スギ |
杉 |
まっ黒な杉をめぐらし |
春の修羅 法印の孫娘 |
342 |
ナシ |
梨 |
柿の木も梨の木もひかってゐた |
春の修羅 法印の孫娘 |
342 |
ナシ |
梨 |
柿の木も梨の木もひかってゐた |
春の修羅 法印の孫娘 |
343 |
マツ |
松 |
うしろで松の林が |
春の修羅 夏 |
347 |
ナシ |
梨 |
厩の上では梨の木が |
春の修羅 夏 |
347 |
マツ |
松 |
幾重の松の林の向ふの方で |
春の修羅 夏 |
347 |
木 |
木立 |
はんの木立がきらきらひかる |
春の修羅 蕪を洗ふ |
350 |
葉 |
葉 |
青い葉っぱを越して行く |
春の修羅 こっちの顔と |
355 |
クリ |
栗 |
赤い毛布と栗の木下駄で |
春の修羅 蜜醸 |
364 |
ナラ |
楢 |
楢の林の前に |
春の修羅 蜜醸 |
364 |
林 |
林 |
こっそり林へはひって行く |
春の修羅 みんなは酸っぱい胡瓜を噛んで |
366 |
スギ |
杉 |
楢や杉の暗い陰気な林をしょって |
春の修羅 このひどいあめのなかで |
371 |
クワ |
桑 |
くらく垂れた桑の林の向ふで |
春の修羅 毘沙門天の宝庫 |
372 |
マツ |
松 |
黒緑の松山ばかり |
春の修羅 火祭 |
376 |
マツ |
松 |
松の並木のさびしい宿を |
春の修羅 火祭 |
377 |
アスナロ |
アスナロ |
(ひば垣や風の暗黙のあひだ |
春の修羅 三月 |
380 |
マツ |
松 |
並木の松は |
春の修羅 牧歌 |
383 |
アスナロ |
アスナロ |
あすこの巨きなひばのある |
春の修羅 牧歌 |
383 |
林 |
林 |
まっ黒な林や |
春の修羅 地主 |
387 |
森 |
森 |
うしろではみみづく森や |
春の修羅 地主 |
387 |
ハンノキ |
はんのき |
立派なはんの一むれが |
春の修羅 地主 |
387 |
モモ |
桃 |
そんな桃いろの春のなかで |
春の修羅 憎むべき「隈」弁当を食ふ |
392 |
林 |
林 |
林の中から幽霊が出ると |
春の修羅 憎むべき「隈」弁当を食ふ |
394 |
マツ |
松 |
松の横ちょに座ってゐる |
春の修羅 まぶしくやつれて |
398 |
スギ |
杉 |
崖の杉だの雲だのを見る |
春の修羅 まぶしくやつれて |
399 |
スギ |
杉 |
家ぐねの杉もひゅうひゅう鳴る |
春の修羅 あしたはどうなるかわからないなんて |
400 |
木 |
木 |
木などはぐんぐんのびるんだ |
春の修羅 あしたはどうなるかわからないなんて |
400 |
スギ |
杉 |
うしろの杉の林では |
春の修羅 あしたはどうなるかわからないなんて |
400 |
マツ |
松 |
落葉松のきれいな青い芽も |
春の修羅 あしたはどうなるかわからないなんて |
401 |
葉 |
落葉 |
落葉を燃やす青いけむりは |
春の修羅 保線工夫 |
402 |
クレオソート |
クレオソート |
クレオソートも塗り |
春の修羅 保線工夫 |
402 |
柱 |
柱 |
飾りも済んだ電柱を |
春の修羅 会食 |
404 |
マツ |
松 |
蒼たる松の影をかぶって |
春の修羅 会食 |
405 |
マツ |
松 |
人はこの松の下陰に |
春の修羅 みんな食事もすんだらしく |
415 |
スギ |
杉 |
杉の梢を雲がすべり |
春の修羅 休息 |
416 |
スギ |
杉 |
地べたでは杉と槻の根が |
春の修羅 休息 |
416 |
ケヤキ |
けやき |
地べたでは杉と槻の根が |
春の修羅 休息 |
416 |
スギ |
杉 |
杉の梢は枯れ |
春の修羅 休息 |
416 |
スギ |
杉 |
杉が槻をからすこともあれば |
春の修羅 休息 |
416 |
ケヤキ |
けやき |
杉が槻をからすこともあれば |
春の修羅 休息 |
416 |
スギ |
杉 |
槻が杉を枯らすこともある |
春の修羅 休息 |
416 |
木 |
木 |
木はうるうるとはんぶんそらに |
春の修羅 湯本の方の人たちも |
420 |
雑木 |
雑木 |
雑木の山の下の家なら |
春の修羅 蛇 |
423 |
枝 |
枝 |
この萌え出した柳の枝で |
春の修羅 来訪 |
430 |
マツ |
松 |
林の松がでこぼこそらへ |
春の修羅 春曇吉日 |
432 |
木 |
木 |
この辺は木も充分なので |
春の修羅 春曇吉日 |
432 |
マツ |
松 |
松の生えた丘も |
春の修羅 春曇吉日 |
432 |
木 |
木 |
割木のかきねをめぐらした家も |
春の修羅 冗語 |
437 |
クリ |
栗 |
栗の林がざあざあ鳴る |
しばらくだった |
440 |
果樹 |
果樹 |
果樹だの蜂蜜だの、 |
しばらくだった |
440 |
キリ |
桐 |
桐の花だの |
春の修羅 軍馬補充部主事 |
441 |
ウコンザクラ |
うこんざくら |
うこんざくらも大きくなって |
春の修羅 軍馬補充部主事 |
441 |
幹 |
幹 |
まさに老幹とも云ひつべし |
春の修羅 軍馬補充部主事 |
442 |
マツ |
松 |
から松をのろのろ縫って行くのは |
杉 |
448 |
スギ |
杉 |
倒した杉は |
杉 |
448 |
スギ |
杉 |
ちょうど杉が立ってゐた |
杉 |
448 |
梢 |
梢 |
どんどん梢を擦って通る |
杉 |
448 |
スギ |
杉 |
やっぱり杉を擦ってとほる |
杉 |
449 |
林 |
林 |
林のなかだし崖のうしろに |
杉 |
449 |
樹 |
樹 |
樹を正視して座って |
杉 |
449 |
スギ |
杉 |
杉はいよいよ藻のごとくである |
春の修羅 もう二三べん |
450 |
スギ |
杉 |
杉だの栗だのごちゃまぜに伐って |
春の修羅 もう二三べん |
450 |
クリ |
栗 |
杉だの栗だのごちゃまぜに伐って |
春の修羅 もう二三べん |
450 |
ヤナギ |
やなぎ |
水路のへりの楊に二本 |
春の修羅 もう二三べん |
450 |
柱 |
柱 |
立てなくてもいゝ電柱を立て |
春の修羅 もう二三べん |
453 |
カバ |
樺 |
樺はばらばらと |
春の修羅 もう二三べん |
453 |
葉 |
葉 |
黄の葉を飛ばし |
春の修羅 もう二三べん |
453 |
スギ |
杉 |
杉は茶いろの葉をおとす |
春の修羅 もう二三べん |
454 |
スギ |
杉 |
杉の木はゆれ樺の赤葉は |
春の修羅 もう二三べん |
454 |
カバ |
樺 |
杉の木はゆれ樺の赤葉は |
春の修羅 馬が一疋 |
455 |
マツ |
松 |
十本ばかりの松の林をうしろに |
春の修羅 馬が一疋 |
456 |
林 |
林 |
傘のかたちの林をしょって |
春の修羅 職員室に、こっちが一足はひるやいなや |
458 |
林 |
林 |
あの早池峰の原林を |
春の修羅 審判 |
461 |
果樹 |
果樹園 |
あの果樹園にあるんだが |
春の修羅 倒れかかった稲のあひだで |
462 |
マツ |
松 |
幾重の松の林のはてで |
春の修羅 倒れかかった稲のあひだで |
463 |
ヤナギ |
柳 |
巫山戯た柳が一本立つ |
春の修羅 あかるいひるま |
464 |
クリ |
栗 |
巨きな栗の木を指した |
春の修羅 あかるいひるま |
464 |
マツ |
松 |
濃い黒緑の松の間を |
種馬検査日 |
466 |
シラカバ |
白樺 |
白樺の木をとめくる水に |
種馬検査日 |
466 |
葉 |
葉 |
その葉のまだらも燃やす |
種馬検査日 |
467 |
クルミ |
くるみ |
暗いくるみの枝に来て鳴らし |
春の修羅 朝日が青く |
468 |
樹 |
樹 |
この尾根みちの樹の影は |
春の修羅 朝日が青く |
468 |
樹 |
樹 |
樹をもるわづかな |
春の修羅 朝日が青く |
470 |
クリ |
栗 |
はげしい栗の花のにほひ |
春の修羅 行きすぎる雲の影から |
473 |
木 |
木立 |
一つは木立がなくなって |
春の修羅 行きすぎる雲の影から |
473 |
木 |
木 |
木のあるところは |
春の修羅 おれはいままで |
479 |
林 |
林 |
未来の林園とでもいふやうな |
春の修羅 おれはいままで |
479 |
クリ |
栗 |
逞ましい栗の巨木の群落と |
春の修羅 滝は黄に変って |
485 |
葉 |
葉 |
いろいろの葉が蒼びかりして |
春の修羅 滝は黄に変って |
486 |
イタヤ |
いたや |
谷いっぱいのいたやの木が |
春の修羅 表彰者 |
500 |
マツ |
松 |
幾群くらい松の林も |
春の修羅 表彰者 |
500 |
モモ |
桃 |
たゞ桃いろの稲づまばかり |
春の修羅 表彰者 |
501 |
ヤナギ |
柳 |
巫山戯た柳が一本立つ |