8 |
ボタン |
牡丹 |
対象の品物を夢のなかの牡丹のように眺める。 |
12 |
造作 |
造作 |
しもたや風の出入口を別に露地から表通りへつけるように造作したのも、その現われの一つであるし、遠縁の子供を貰って、 |
15 |
家作 |
家作 |
こうして、柚木は蒔田の店から、小そのが持っている家作の一つに移った。 |
16 |
柱 |
柱かけ |
煙草を燻(く)ゆらしている自分の姿を、柱かけの鏡の中に見て、前とは別人のように思い、 |
16 |
廻縁 |
廻り縁 |
工房の外は廻り縁になっていて、矩形(くけい)の細長い庭には植木も少しはあった。 |
16 |
植木 |
植木 |
工房の外は廻り縁になっていて、矩形(くけい)の細長い庭には植木も少しはあった。 |
16 |
縁 |
縁 |
彼は仕事に疲れると、この縁へ出て仰向けに寝転び、都会の少し淀(よど)んだ青空を眺めながら、 |
25 |
ネムノキ |
合歓の木 |
綾瀬川の名物の合歓(ねむ)の木は少しばかり残り、対岸の蘆洲(あしず)の上に船大工だけ今もいた。 |
25 |
船大工 |
船大工 |
綾瀬川の名物の合歓(ねむ)の木は少しばかり残り、対岸の蘆洲(あしず)の上に船大工だけ今もいた。 |
25 |
ネムノキ |
合歓 |
この土手下の合歓の並木の陰に船を繋もやって、そこでいまいうランデブウをしたものさね」 |
25 |
並木 |
並木 |
この土手下の合歓の並木の陰に船を繋もやって、そこでいまいうランデブウをしたものさね」 |
25 |
ネムノキ |
合歓の花 |
夕方になって合歓の花がつぼみかかり、船大工の槌の音がいつの間にか消えると、 |
25 |
船大工 |
船大工 |
船大工の槌の音がいつの間にか消えると、青白い河靄もやがうっすり漂う。 |
25 |
槌 |
槌 |
船大工の槌の音がいつの間にか消えると、青白い河靄もやがうっすり漂う。 |
28 |
縁側 |
縁側 |
縁側に向いている硝子窓から、工房の中が見えるのを、なるべく眼を外らして、 |
28 |
縁側 |
縁側 |
工房の中が見えるのを、なるべく眼を外らして、縁側に出て仰向けに寝転ぶ |
28 |
古木 |
古木 |
夏近くなって庭の古木は青葉を一せいにつけ、池を埋めた渚の残り石から、 |
28 |
青葉 |
青葉 |
夏近くなって庭の古木は青葉を一せいにつけ、池を埋めた渚の残り石から |
28 |
ツツジ |
つつじ |
池を埋めた渚なぎさの残り石から、いちはつやつつじの花が虻(あぶ)を呼んでいる。 |
28 |
キリ |
桐 |
大陸のような雲が少し雨気で色を濁しながらゆるゆる移って行く。隣の乾物ほしものの陰に桐の花が咲いている。 |
29 |
クリ |
茹で栗 |
柚木はみなし茹で栗の水っぽくぺちゃぺちゃな中身を聯想(れんそう)して苦笑したが、 |
29 |
敷居 |
敷居 |
彼女は茶の間の四畳半と工房が座敷の中に仕切って拵(こし)らえてある十二畳の客座敷との襖まを開けると、そこの敷居の上に立った。 |
29 |
柱 |
柱 |
片手を柱に凭(もた)せ体を少し捻って嬌態を見せ、片手を拡げた袖の下に入れて、写真を撮るときのようなポーズを作った。 |
33 |
庭樹 |
庭樹 |
ふと鳴って通った庭樹の青嵐(せいらん)を振返ってから、柚木のがっしりした腕を把とった。 |
33 |
柴折戸 |
柴折戸 |
さみだれが煙るように降る夕方、老妓は傘をさして、玄関横の柴折戸から庭へ入って来た。 |
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縁側 |
縁側 |
和歌の指導の礼に作者に拵(こしら)えてくれた中庭の池の噴水を眺める縁側で食後の涼を納いれていたので、 |