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岡本かの子の小説「家霊」に出てくる樹木、木製品

この小説の初出は1938年、文庫本におけるページ数は20ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
105 シイ 頭が痛くなるような娘であった。椎の若葉よりも葉越しの空の夕月を愛した。
105 若葉 若葉 頭が痛くなるような娘であった。椎の若葉よりも葉越しの空の夕月を愛した。
106 下駄 下駄 風が坂道の砂を吹き払って凍て乾いた土へ下駄の歯が無慈悲に突き当てる。
106 木立 木立 八幡宮の境内の木立のざわめく音と、風の工合いで混りながら耳元へ掴(つかん)で投げつけられるようにも、
108 拍子木 拍子木 拍子木が表の薄硝子の障子に響けば看板、時間まえでも表戸を卸すことになっている。
111 老人は、左の手に鏨(たがね)を持ち右の手に槌を持つ形をした。
111 鏨と槌を繰る恰好のいぎたなさと浅間しさを誇張して相手に受取らせることに巧みであった。
112 天体の軌道のような弧線を描いて上下する老人の槌の手は、
113 ボタン 牡丹 牡丹ぼたんは牡丹の妖艶ないのち、唐獅子の豪宕(ごうとう)ないのちをこの二つの刃触りの使い方
113 ボタン 牡丹 牡丹ぼたんは牡丹の妖艶ないのち、唐獅子の豪宕(ごうとう)ないのちをこの二つの刃触りの使い方
113 拍子木 拍子木 夜番の拍子木が過ぎ、店の者は表戸を卸して湯に出かけた。
114 ヤナギ 柳の葉に尾鰭(おひれ)の生えたようなあの小魚は、妙にわしに食いもの以上の馴染なじみになってしまった」
116 ヤナギ やなぎ桜 「はじめは高島田にも挿せるような大平打の銀簪にやなぎ桜と彫ったものが、
116 サクラ やなぎ桜 「はじめは高島田にも挿せるような大平打の銀簪にやなぎ桜と彫ったものが、
116 イトハギ 糸萩 ほととぎすを彫るようになり、細づくりの耳掻きかんざしに糸萩、
119 琴柱 琴柱 戸棚の中から琴柱(ことじ)の箱を持って来させて
「これだけがほんとに私が貰ったものだよ」
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