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耐震設計

耐力壁の配置

耐力壁のバランスが悪いと、地震時に建物がねじれ、大きな変 形を生じて壊れるおそれがあります。
建築基準法では、ねじれを防ぐ方法として「耐力壁は釣合い 良く配置しなければならない。」 としています。
ねじれを防ぐための耐力壁の配置は、次のとおりです。
1.建物の外周は、耐力壁で囲まれるようにします。
2.上階と下階の体力線は、できるだけ一致させます。
3.耐力壁は、建物の外間に設け、特に建物の角部に配置します。
4.耐力壁は、できるだけ的にバランス良く配置します。
5.耐力壁は、梁間方向及び桁行き方向にも合い良く配置します。
6.耐力壁は、高い倍率を使って最小枚数にするのではなく、できるだけ 小さい倍率の壁を多く配置します。
7.耐力壁の量は、最小限の必要量よりもできるだけ多くします。
耐力壁のバランスが悪い建物や平面に凹凸がある建物、 大きな吹き抜けや一部2階のある建物は、構造的な一体性や偏心についての検討が必要です。

耐震設計のポイント - 耐力壁の配置に関する追加解説

●耐力壁の重要性
耐力壁は、地震などの外力に対する建物の抵抗力を高める重要な要素です。適切に配置された耐力壁は、地震時の変形を抑え、建物の安全性を確保します。耐力壁が不足したり、偏って配置されたりすると、地震の際に建物が不均等に揺れ、ねじれやひび割れを引き起こす可能性が高まります。

●配置のポイント

  1. 外周の囲い
    建物の外周を耐力壁で囲むことで、外的な力に対して均一に抵抗することが可能です。外周に耐力壁を設けることは、建物全体の強度を高める基本的な方法です。

  2. 体力線の一致
    上階と下階の体力線(耐力壁が位置する線)を一致させることで、建物全体の一体性が向上します。この配置により、地震時に力が均等に伝わり、変形を抑える効果があります。

  3. 角部の強化
    建物の角部に耐力壁を配置することは、構造的に重要です。角部は外力を受けやすいため、ここに耐力壁を設けることで、ねじれやひび割れを防ぎ、建物の安定性を確保します。

  4. バランスの確保
    耐力壁の配置は、全体のバランスを意識して行います。不均一な配置は、地震時の揺れを助長する可能性があるため、できるだけ均等に配置することが求められます。

  5. 方向ごとの配置
    耐力壁は、梁間方向(横方向)と桁行き方向(縦方向)にバランスよく配置することで、さまざまな方向からの力に対する抵抗力を強化します。

  6. 倍率の適切な選定
    高い倍率を使用して耐力壁を最小限に抑えるのではなく、低い倍率の耐力壁を多く配置することで、建物全体の安定性を向上させます。これにより、力の分散が促進され、地震時の揺れを軽減できます。

  7. 必要以上の耐力壁の設置
    耐力壁の量は、最小限の必要量を超えてできるだけ多く設けることが望ましいです。これにより、予期せぬ地震や外力に対する余裕が生まれ、建物の耐久性が向上します。

●特殊な形状への配慮
耐力壁の配置は、建物の形状や設計にも大きく影響されます。平面に凹凸がある建物や、大きな吹き抜け、部分的に2階が存在する建物などは、耐力壁の配置や構造的な一体性、偏心に関して特別な検討が必要です。これらの要素を考慮することで、全体の耐震性を高め、より安全な建物を実現できます。

まとめ

耐力壁の適切な配置は、建物の耐震設計において非常に重要な要素です。バランスよく配置された耐力壁は、地震時の変形を最小限に抑え、建物の安全性を確保します。設計段階でこれらのポイントをしっかりと検討することが、耐震性の高い建物を実現するための鍵となります。

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