マツ科 マツ属
学名:Pinus sylvestris
英名:Scots pine、Norway pine、Sylvester Pine、日本ではシルベスター松、スコッチ・パイン、ノルウェイファー、ポーランドパイン、ヨーロッパアカマツ、などと呼ばれているが、現在の市場名はレッドウッド(Red wood)あるいはオウシュウアカマツ(欧州赤松)である。
分布は非常に広く、ユーラシア大陸全域で、オウシュウトウヒ(ドイツトウヒ学名:Picea abies )と同様にヨーロッパの代表的なマツ類のひとつである。ヨーロッパでは、針葉樹材の代表で最も広く用いられている市場材であろう。
木は高さ20~30m、直径50~70cm。大きいものほ樹高40m。直径100cmに達するものもある。樹形は丸みのある円錐形。 針葉は細長く5cm前後で、やや青みのある緑色、2本が一組になってつく。
木材性質には幅があり、例えばスカンジナビア産のものは、シベリア産が成長遅く肌目が緻密な木材であるのに対し、より粗く、比重もやや小さい。スウェーデン産のものは物理的性質がホワイトウッド とかなり似ている。
肌目の粗い木材で、木理はほぼ通直である。やや脂っぽく、節がいくらかある。年輪ははっきりとしている。ナラやブナなどの広葉樹材と比べると軽いが、気乾比重0.37~0.45(平均値)~0.63と針葉樹材としては中庸の重さ。
樹脂道があり、材面に「ヤニ」が滲み出てくる。このため、一般的には表面に出るような用途には向かない。
乾燥は容易で、良好で、乾燥後の利用は安定している。重さのわりに強く、加工は容易で、仕上がりは普通。耐朽性、耐久性は低~中庸。
心材が赤褐色~黄赤色でレッドウッドと呼ばれるのはそのためである。辺材は淡黄色~淡黄白色。
用途は 一般建築用材、造船用材等として使われるほか、建具、家具、造作材、箱、船舶材,杭,梱包材など。杭木、電柱などアカマツと同様な用途があるが、大径で形質がよいので、より高く評価される。良質のものは指物や特殊家具に。パルプ用材(とくに包装用紙用)としても重要な木材で、合板への利用も増えている。保存処理をして、鉄道の枕木や電柱などにも使われる。
米国産のレッドウッドとは別種。以前はレッドウッドと言えば米国産の木材を指していた。