1970年の万博では、杭丸太や矢板をパビリオンの建設を請け負ったゼネコンに納入しましたが、一般の人々に見てもらう機会はありませんでした。多くの方々に施工例をご覧いただけるようになったのは、この神戸ポート博覧会が最初です。
本博覧会では、芙蓉グループのパビリオンにおいて、世界最大の丸太の輪切りがメイン展示として公開されました。これは学習研究社からの依頼によるものでした。当社が担当した工事は、埠頭からの運搬、丸太の切断、そして展示までの一連の作業です。
切断する丸太は直径5.4メートル、厚さ1メートル、重さ17トンもあり、通常のチェーンソーでは刃が届きません。そのため、特別に長いチェーンソーを製作し、作業を行いました。しかし、作業中に丸太が割れる可能性があり、大きなリスクを伴うため、多額の保険に加入しました。結果として、すべての工程が無事に完了しました。
また、切断時に出た端材は、長さ10~20mmの木片として加工し、ネクタイピンに仕上げました。
会期終了後、この丸太は神戸森林植物園へ移設され、展示されることになりました。このプロジェクトも受注しました。新しい会館の建設に合わせ、建物の屋根がまだ取り付けられていない段階で上部から搬入し、設置しました。さらに、丸太を輪切りにした際に使用した特製チェーンソーも寄付し、現在も丸太とともに展示されています。
この丸太の樹種はセコイアオスギ(学名: Sequoiadendron giganteum)です。