森林のなかでは生き物どうしがさまざまな交流を行っています。なにも競争だけではありません。仲間どうしで団結したりお亘いに助け合ったりすることもあります。
なかには寄らば大樹の陰を決め込んでいるちゃっかり者もいます。こうした森林のなかでの賑やかな交流はフィトンチッドのような生体成分を通して行われています。樹木が作りだし発離するフィトンチッドは自らの身を護るだけでなく、他の生物にさまざまな生理作用をもたらすからです。森林のなかで行われているさまざまな交流の構造や仕組みを森林生態系と呼びますが、フィトンチッドは森林生態系のなかで大変重要な役割を果たしていると言えます。