今日のような大量生産、大量消費型の経済構造では生産効率が重視されます。さらにわが国の産業構造は高度化していますから、国際的な価格経済では労働集約型の産業はおしなべてその競争力が低下しています。こうした理由からわが国の林業は衰退しているのが現状です。 林業に占める就業人口は減少し、就業者は高齢化し、山村は過疎化が進んでいます。山村と林業経済の社会的地位は急速に低下していると言えるでしょう。 しかし、森林を育て国土と私たちの生活を護るのが林業である以上、経済効率だけを重視するわけにもいきません。
また石油に代表される化石資源などは枯渇する恐れがあるものの、林産物は再生が可能な資源ですし、持続的な生産と利用が可能です。 フィトンチッドの利用を促進することは林業の振興にも大きな役割を果たすと考えられます。