桂皮油は、クスノキ科のCinnamomum zeylanicumから得られる精油であり、主産地はセイロン(スリランカ)ですが、インドやビルマ(ミャンマー)などにも生育しています。この植物は高さ10メートルから15メートルに達する喬木ですが、潅木仕立てにして小枝の内皮を乾燥させて原料とします。水蒸気蒸留によって採油され、主に桂皮として輸出されます。輸入先ではそのまま消費されるか、精油が採取されるのが一般的です。
桂皮油の主成分はシンナミックアルデヒドで、最高75%含まれています。カシア油とは異なり、桂皮油はオイゲノールを4~10%含むことが特徴です。このため、桂皮油は食品、菓子、薬、飲料(コーラタイプ)、口中剤用のフレーバーとして広く利用されていますが、正確な年産量は不明です。
また、桂皮の葉を水蒸気蒸留すると桂葉油(Cinnamon Leaf Oil)が得られます。桂葉油は80~90%のオイゲノールを含むため、桂皮採取の副産物としてセイロンなどで採油され、クローブ油と競合しています。桂葉油も料理や香料、アロマテラピーなどに利用されており、その独特な香りが好まれています。
さらに、桂皮油は抗菌作用や抗炎症作用があるとされており、自然療法や伝統医学においても注目されています。近年では、持続可能な生産方法の重要性が認識されており、環境への配慮を考えた栽培や採取が進められています。このように、桂皮油はさまざまな用途があり、その需要は今後も高まると期待されています。