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木材流通

時代の流れを見る―60年代はデザインの時代、感覚の時代であり、木材業界にとっては連合の時代である

若い人の木の使い方が変わってきている

 若い人の木の使い方が変わってきていることにも注目したいと思います。

 例えば、丸太を一〇cm、三〇cm、五〇cm位にポンポンとそのまま切っている。「それ、なんにするんや」と言ったら、その丸太を幾つか積んで、五〇cm位の丸太の高さのものに腰かけてギターを弾いている。そうすると、山の中で弾いているような感じがすると言うのです。「腰掛けに座って弾いているよりも、もっとナウイ」と、だから自分の部屋にそうした丸太がどうしても欲しいということのようです。そういう感覚なのです。 この感覚は、自然に近ずきたいということであり、豊かさが自然であり、自然を求めるということ、自然のものを持っていることは豊かさを手にしていることであるというのです。そして、自然であり豊かさであるもののためには初めから金を出すつもりである、ということでもあります。

 実のところ、大阪国際見本市に私どもが展示場を開いた時に、木材製品の展示場を横目で見ながら素通りをするのが材木屋さんなんです。だいたい材木屋さんは顔を見れば分かりますので、「あれは材木屋さんやな、横向いて通ったな」というようなわけです。材木屋さんの感覚の中には、「あんなもの売れるかいな」「あんなものエライ高い値段で売ってるやないか、幾らでもあるのに」という感覚があるのです。そこらの頭の切り替えが、木材業界に大いに必要なのではないかと思います。それなくしては、せっかく木の方へ振ってきた時代の振子をさらに木の方へと近ずけることは出来ないでありましょう。

 最近、考える人及び上級職につく人種は木の机を使わないといかんのではないかということになっています。これは木材は紫外線を吸収するので目が疲れない、熱の伝導率が低いのでさわってもあたたかい、水を吸ったり吐いたりするので部屋の温度の制御能力があるからだと言うことです。

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