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木材流通

第8章 管理監督に求められるもの

企業の将来性は、積極的な努力から生じる

そのつぎに、「積極性」が四三・三%と四番目に位置していますが、積極性とは、ネアカになることではないでしょうか。ネクラでは駄目であって、ネアカで、しかもその仕事に惚れて好きで好きでたまらなくなるということではないでしょうか。とはいえ、始めから自分の仕事が好きで好きでたまらないというわけにはいかないので、朝出勤する時に自分で「好きや、好きや」と言って出ていくくらいの努力をしてゆく、それが積極性につながるのではないでしょうか。昔から、仕事に惚れて、女房に惚れてという話がありますが、自分の仕事に積極的にアタックするようになるためには、はじめは自分から好きになろうと努力しなければならない。放っておいて好きになれるわけでもないし、放っておいて積極性が保てるというわけでもないのです。

 「悪い業種と良い業種があるわけではない。儲かる企業と儲からない企業があるだけだ」とよく言われます。現実には原木の時代→メーカーの時代→流通の時代といった時代の流れがあり、例えば今はコンピューター関係の業種が儲かっているということがあるわけですから、一概に「悪い業種と良い業種がるわけではない」とは言い切れません。しかし、「儲かっている企業と儲かっていない企業とがある」ということは、一つの示唆を私たちに与えています。木材は不況だ、製材所は苦しいし、合板が悪いと言っても、合板で儲かっている企業もあれば、同じ合板で損をしている企業もある。私たちの流通業界においても同じことがいえるわけで、儲けている企業もあれば損をしている企業もある。と言うことは、業種とか業態の問題ではなくて、為すべき努力を積極的に為しているかどうかが問題だということになります。企業の将来性というものは、為すべき努力を積極的にやっているか、怠っているかによって決定されるというそのことが、私たちにとって大事な問題でありましょう。

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