22 |
箸 |
箸 |
箸を取って料理に手をつけようとする者むもいない。 |
34 |
襖 |
襖 |
部屋も廊下も襖(ふすま)までも大きかった。 |
55 |
床の間 |
床の間 |
宴席ではいつも床の間を背後にすわらされ、 |
67 |
船板 |
船板 |
そのくせ、船板の上に引き上げられて、 |
98 |
桜色 |
桜色 |
暖房に六つの顔が桜色に上気している。 |
140 |
裸木 |
裸木 |
裸木がふるえている公園を抜けて歩いて行く。 |
155 |
横木 |
横木 |
くぐり抜けるためにある一本の横木なのだ。 |
155 |
横木 |
横木 |
馬はその一本の横木のために外に出ることはてきぬが、人間はそれをくぐりさえすればよいのだ。 |
155 |
棒 |
棒 |
一本の棒でなくなる恐ろしさが、 |
162 |
スギ |
杉木立 |
目の先には、古びた杉木立がつづいて空を隠している。 |
171 |
木彫 |
木彫 |
眉間に傷跡のある木彫のようなかたい顔をまっ赤にして、 |
184 |
襖戸 |
襖戸 |
大きな襖戸をあけると、 |
184 |
床の間 |
床の間 |
正面の床の間を背にして、小柄な藤川大作と並んで、 |
184 |
床柱 |
床柱 |
床柱を背にすくっと立ち上がった。 |
184 |
天井板 |
天井板 |
大作は大声を出した。高い天井板が共鳴りせんばかりの声であった。 |
184 |
床柱 |
床柱 |
顔を赤くすると、床柱を背にすくっと立ちあがった。 |
218 |
床の間 |
床の間 |
床の間を背にした主賓の座についている。 |
218 |
老松 |
老松 |
風雨にさらされきたえたかれた老松のように芯の強い、 |
254 |
桜色 |
桜色 |
変わらないのは、桜色を帯びた青井の血色のよい顔、 |
255 |
杖 |
杖 |
杖で追い払われることもあり、 |
256 |
病葉 |
病葉 |
水の上には病葉(わくらば)がいく枚か散って、かすかな風にゆれ動いている。 |
259 |
病葉 |
病葉 |
風が水面に細かいちちめん皺(しわ)をつくり、病葉を少しずつ動かして行く。 |