33 |
リンゴ |
林檎のように |
頬が林檎のように赤い看護婦は女医を見ると嬉しそうによびとめ、 |
67 |
木馬 |
回転木馬 |
いつもながらの問いと答えとがまた回転木馬のように女医の頭をまわりはじめた。 |
107 |
果物 |
果物籠 |
花や果物籠を持ってエレヘータからおりてくる見舞客たち。 |
112 |
ミカン |
蜜柑山 |
左右に黒々と蜜柑山が拡がった頃、 |
163 |
林 |
林のなか |
車が林のなかをぬけ軽井沢プリンス・ホテルに滑りこむと、 |
174 |
カラマツ |
落葉松の梢 |
窓の外は月の光が白く、落葉松の梢がくろぐろと浮かびあがっていた。 |
174 |
梢 |
落葉松の梢 |
窓の外は月の光が白く、落葉松の梢がくろぐろと浮かびあがっていた。 |
187 |
カラマツ |
落葉松の樹々 |
落葉松の樹々が陰気な老人のように立っている。 |
187 |
樹々 |
落葉松の樹々 |
落葉松の樹々が陰気な老人のように立っている。 |
193 |
根も葉もない |
根も葉もない |
誰か根も葉もないそんな話をあなたの耳に吹き込んだの |
209 |
箸 |
箸を口に |
箸を口に入れたまま女医はにっこりした。 |
223 |
黒板 |
黒板の前に |
まるで黒板の前にたって数学の解答を説明するようにこの若い女医は淡々とした口調でしゃべった。 |
242 |
木片 |
木片がキリキリ舞い |
いや、渦のなかで木片がキリキリ舞いをしているように自分も悪魔のなかでふりまわされているようだった。 |
294 |
スギ |
北山杉の林 |
直立した北山杉の林が終わると、渓流が白く泡だって流れていた。 |
298 |
サクラ |
桜の大木 |
「この有名な桜の大木を見てごらんなさい」 |