22 |
木柱 |
木柱 |
水磔(すいたく) というのは、海中に木柱を立てて基督信者たちを縛りつけておくことです。 |
24 |
白蟻 |
白蟻 |
船は白蟻によって食いつくされていることを |
24 |
板 |
板 |
とりあえず内側から板で目張をして、 |
27 |
板 |
板 |
新しく手に入れた板によってすっかり見ちがえるようになりました。 |
30 |
杖 |
杖 |
羊の足をつかみ他の手で杖をもったその姿は、 |
36 |
木片 |
木片 |
海に無数の木片(セバ)が流れていました。 |
40 |
森 |
森 |
霧が森も径(みち)もすっかりかくし、 |
44 |
雑木林 |
雑木林 |
この小屋をとり巻く雑木林に陰鬱な音をたてています。 |
45 |
樹々 |
樹々 |
樹々は身震いをして雨滴をおとします。 |
45 |
板戸 |
板戸 |
ガルベと私は板戸の小さな隙間にしがみついて外を覗くのです。 |
48 |
塀 |
塀 |
隣家との間に塀や垣根を作ってはならぬという布告が出ました。 |
48 |
垣根 |
垣根 |
隣家との間に塀や垣根を作ってはならぬという布告が出ました。 |
49 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林の身震いする音を聞きながら |
52 |
板戸 |
板戸 |
小屋の板戸の隙間から、白い光が一条(ひとすじ)、 |
52 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林の中から鳥が唄を歌っているのか、 |
53 |
若葉 |
若葉 |
若葉と湿った泥の臭いのこもる林の斜面を歩くようになりました。 |
53 |
林 |
林 |
若葉と湿った泥の臭いのこもる林の斜面を歩くようになりました。 |
53 |
炭焼 |
炭焼小屋 |
この炭焼小屋のことを修道院だとよんでいました。 |
53 |
林 |
林 |
夕暮の陽が林に木漏日をつくり、暮れなずむ空の光の中に |
53 |
木漏日 |
木漏日 |
夕暮の陽が林に木漏日をつくり、暮れなずむ空の光の中に |
55 |
炭小屋 |
炭小屋 |
蝋燭もなく音楽もないこの炭小屋では、 |
55 |
板 |
板 |
二人は床の板を剥がしはじめました。 |
55 |
板戸 |
板戸 |
板戸にかけた鍬をとって彼は地面を堀りはじめました。 |
56 |
床板 |
床板 |
闇のなかで床板にそっと指をかけました。 |
58 |
林 |
林 |
どんなに蒼白で大地も林も銀色に浮かびあがつていたことか。 |
61 |
板 |
板 |
やがて朝の光がやっと板と板との隙間から |
61 |
板 |
板 |
やがて朝の光がやっと板と板との隙間から |
61 |
櫂 |
櫂 |
櫂(かい)の軋んだ音だけが、 |
64 |
足枷 |
足枷 |
連中ははじめてその足枷を棄てるひとすじの |
67 |
櫂 |
櫂 |
櫂を漕ぐ軋んだ音と舟を洗う海の音 |
72 |
草木 |
草木 |
時には草木の根を掘って食べることもあります。 |
72 |
根 |
根 |
時には草木の根を掘って食べることもあります。 |
74 |
雑木林 |
雑木林 |
嫌な予感にかられて雑木林の東側まで |
74 |
林 |
林 |
その仕事が終わると勇気を出して林を下り、 |
74 |
雑木林 |
雑木林 |
犬がしきりに吠える声が雑木林を通して |
80 |
雑木林 |
雑木林 |
小屋の前の雑木林はその霧雨につつまれ、 |
84 |
板 |
板 |
御子をだいたサンタ・マリアをはめこんだ板が足もとにおかれました。 |
86 |
根 |
根 |
この梅雨はすべての表面も根も腐らせてしまうほど |
87 |
木 |
木 |
十字架に組んだ二本の木が、 |
90 |
木 |
木 |
モキチとイチゾウが木にくくられたのは昼すぎ、 |
90 |
杭 |
杭 |
遠くからモキチとイチゾウの杭を見つめつづけておりました。 |
90 |
杭 |
杭 |
二人の括(くく)られた杭だけがはるかにぽつんと |
90 |
杭 |
杭 |
まるでモキチとイチゾウも杭にへばりついて杭そのものになってしまった |
90 |
杭 |
杭 |
まるでモキチとイチゾウも杭にへばりついて杭そのものになってしまった |
90 |
杭 |
杭 |
杭はその中に沈んでいくようにみえます。 |
91 |
木ぎれ |
木ぎれ |
湿った木ぎれを集めて杭から離した |
91 |
杭 |
杭 |
湿った木ぎれを集めて杭から離した |
92 |
杭 |
杭 |
なぜ、杭につながれたモキチが |
94 |
櫂 |
櫂 |
彼の舟は櫂の事を軋ませながら、 |
94 |
櫂 |
櫂 |
きいきいと鳴る櫂の音、 |
100 |
木 |
木 |
泥と木とでねりあわせた小屋。 |
100 |
木 |
木 |
一本の木に |
101 |
木の枝 |
木の枝 |
その一羽が近くの木の枝にとまり羽ばたき |
101 |
木の枝 |
木の枝 |
ここを通り木の枝を燃やしたのです。 |
102 |
樹々 |
樹々 |
椎や粗樫や樟の樹々は草原のいたるところに |
102 |
ムクノキ |
椋の樹 |
榎や椋の樹、紅羊歯などは、神がどの国にも与えたもうた樹木ですが、 |
102 |
樹木 |
樹木 |
眼にみえる樹木の種類をしらべながら歩きつづけました。 |
102 |
クスノキ |
樟 |
椎や粗樫や樟の樹々は草原のいたるところに |
102 |
アラカシ |
粗樫 |
椎や粗樫や樟の樹々は草原のいたるところに |
102 |
シイ |
椎 |
椎や粗樫や樟の樹々は草原のいたるところに |
102 |
エノキ |
榎 |
榎や椋の樹、紅羊歯などは、神がどの国にも |
103 |
樹木 |
樹木 |
神がどの国にも与えたもうた樹木ですが、 |
103 |
灌木 |
灌木 |
そのほかの灌木は私の今日まで |
103 |
林 |
林 |
林のほうで蝉が嗄れた声で鳴いていました。 |
106 |
シイ |
椎の葉 |
椎の葉に雨がぶつかり、小石を屋根にちらした |
106 |
タブ |
椨 |
橅や椨の葉から大きな滴が音をたてて落ち、 |
106 |
シイ |
橅 |
橅や椨の葉から大きな滴が音をたてて落ち、 |
106 |
木 |
木 |
部落の者たちがここで木を切りにくるために |
106 |
梢 |
梢 |
樹々の梢が海草のようにゆれ動く。 |
106 |
葉 |
葉 |
橅や椨の葉から大きな滴が音をたてて落ち、 |
106 |
雑木林 |
雑木林 |
黒いこんもりとした雑木林のあるのを見つけて、 |
106 |
実 |
実 |
樹々は熟することのない実をつけている時、 |
106 |
樹々 |
樹々 |
樹々は熟することのない実をつけている時、 |
106 |
杭 |
杭 |
杭にくくられ、波に洗われたモキチや |
106 |
樹々 |
樹々 |
樹々の梢が海草のようにゆれ動く。 |
106 |
葉 |
椎の葉 |
椎の葉に雨がぶつかり、小石を屋根にちらした |
107 |
枯木 |
枯木 |
一本の枯木を拾い、それを杖のかわりにして歩きはじめ、 |
107 |
杖 |
杖 |
一本の枯木を拾い、それを杖のかわりにして歩きはじめ、 |
107 |
林 |
林 |
その西に林にかこまれた漁村がはっきり見えました。 |
108 |
木片 |
木片 |
教会はあの泥と木片とを固めて作った貧しい小屋の |
109 |
杖 |
杖 |
杖で体を支えてまだ雨水の溜っている斜面を |
109 |
マツ |
松 |
松に囲まれた部落の端から起こりました。 |
109 |
杖 |
杖 |
杖で体を支え立ちどまった私の眼に |
113 |
木 |
木 |
木の枝でそこらの叢(くさむら)を叩きながら |
113 |
枝 |
枝 |
木の枝でそこらの叢(くさむら)を叩きながら |
113 |
枯枝 |
枯枝 |
夕方の露で湿っていない枯枝を器用に集めると、 |
115 |
立木 |
立木 |
やがて立木と叢の中でこの男が |
115 |
枯木 |
枯木 |
灰になった枯木の中に新しい枝を放りこみ、 |
115 |
枝 |
新しい枝 |
灰になった枯木の中に新しい枝を放りこみ、 |
119 |
杖 |
杖 |
杖をつきなから歩きだすと、咽喉(いんこう)の渇きは |
120 |
実 |
実 |
弱か苗はどげん肥(こや)しばやっても育ちも悪う実も結ばん。 |
122 |
林 |
林 |
林の中で喘(あえ)ぐように初蟬(はつぜみ)の声が聞こえ、 |
124 |
オリーブ |
オリーブ |
オリーブの林からカルファの館まで引かれていった人 |
124 |
林 |
林 |
オリーブの林からカルファの館まで引かれていった人 |
125 |
葉 |
葉 |
爽やかな音をたてて葉をならしていた。 |
125 |
樹木 |
樹木 |
名も知らぬ大きな樹木が道に心地よさそうな |
125 |
小枝 |
小枝 |
窪地に小枝を集めて作った小屋がみえた。 |
125 |
小枝 |
小枝 |
窪地の叢(くさむら)や小枝を集めて作った小屋 |
146 |
樹々 |
樹々 |
外は既に薄暗く窪地の樹々が、 |
147 |
樹木 |
樹木 |
樹木をくぼんだ眼で見つめる。 |
147 |
樹木 |
樹木 |
その樹木には見憶えがある。樹には大きな鳥たちが羽ばたきながら嗄れた声で鳴き、 |
147 |
樹 |
樹 |
その樹木には見憶えがある。樹には大きな鳥たちが羽ばたきながら嗄れた声で鳴き、 |
148 |
モモ |
桃色 |
砂の中から桃色をした貝殻を拾いあげて |
149 |
棒 |
棒 |
波打ちぎわで棒のように立ったままこちらを見ている。 |
152 |
櫂 |
櫂 |
こちらの櫂はとまったのに、どこかから、 |
153 |
丸太 |
丸太 |
丸太を組んだ足場が残っていた。森の上を烏の群れが横切って飛んでいく。 |
153 |
森 |
森 |
丸太を組んだ足場が残っていた。森の上を烏の群れが横切って飛んでいく。 |
153 |
森 |
森 |
陸地の一角に森にかこまれた城館の白い壁が |
154 |
薪 |
薪 |
裸足の女たちが魚介や薪や野菜を道に並べて立っていた。 |
155 |
樹 |
樹 |
彼はあわててそばの樹のかげにかくれた。 |
157 |
樹木 |
樹木 |
樹木に犬のようにつながれた。 |
158 |
杖 |
杖 |
一行から離れてキチジローが杖にすがりながら従(つ)いていた。 |
159 |
灌木 |
灌木 |
灌木が地を這うように所々に群がり、 |
160 |
雑木林 |
雑木林 |
牢屋は雑木林にとり囲まれた丘の斜面にあった。 |
160 |
格子 |
格子窓 |
小さな格子窓ど、僅か皿板一枚がやっと通る |
161 |
雑木林 |
雑木林 |
夜になると、雑木林の中で山鳩の声が聞えた。 |
161 |
木 |
木 |
木を削る音、釘をうつ音が、 |
161 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林で鳴く山鳩の声を聞きながら眼(ま)でたの裏に、 |
162 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林から滝のように蟬の声が聞こえて |
162 |
木 |
木 |
木の格子で囲まれた板敷きの部屋に入れたられた。 |
162 |
格子 |
格子 |
木の格子で囲まれた板敷きの部屋に入れたられた。 |
162 |
板敷 |
板敷 |
木の格子で囲まれた板敷きの部屋に入れたられた。 |
166 |
雑木林 |
雑木林 |
司祭は雑木林でホウホウと鳴く山鳥の |
167 |
板の間 |
板の間 |
衣服を板の間において、 |
168 |
状机 |
状机 |
牀机(しょうぎ)が一列に並んでした。 |
169 |
状机 |
状机 |
牀机の一つ一つの蔭が黒く、 |
169 |
樹 |
樹 |
うしろの樹で、相変わらず蟬が一匹鳴いている。 |
169 |
状机 |
状机 |
司祭は五つの牀机の前に |
171 |
つぼみ |
つぼみ |
葉も茂り花も咲こうが、我が日本国では葉は萎え、つぼみ一つつけまい。 |
171 |
葉 |
葉 |
葉は萎え、つぼみがつかぬ筈はありません。 |
171 |
葉 |
葉 |
葉も茂り花も咲こうが、我が日本国では葉は萎え、つぼみ一つつけまい。 |
171 |
葉 |
葉 |
葉も茂り花も咲こうが、我が日本国では葉は萎え、つぼみ一つつけまい。 |
171 |
樹 |
樹 |
切支丹とよぶ樹は異国においては、 |
171 |
樹 |
樹 |
ある土地では稔(みの)る樹も、土地が変われば枯れることがある。 |
171 |
つぼみ |
つぼみ |
葉は萎え、つぼみがつかぬ筈はありません。 |
173 |
葉 |
葉 |
もし葉が茂らず、花も咲かぬなら、 |
174 |
板の間 |
板の間 |
番人につれられ板の間に戻されたあとも、 |
175 |
拍子木 |
拍子木 |
拍子木の音が中庭できこえた。 |
176 |
雑木林 |
雑木林 |
牢屋の裏の雑木林に埋められた。 |
177 |
板屋根 |
板屋根 |
死人を埋めた雑木林にも牢屋の板屋根にも単調で |
180 |
格子 |
格子 |
格子から覗くと、腹を立てた番人が |
182 |
牀机 |
牀机 |
腕を組んで牀机に腰をかけている。 |
183 |
格子 |
格子 |
格子に肉の落ちた顔を押し当てて彼は、 |
183 |
棒 |
棒 |
番人達が棒を持って見張りをしている。 |
185 |
格子 |
格子 |
司祭はつかまっていた格子から手を離し、板の間に腰をおろした。 |
185 |
板の間 |
板の間 |
司祭はつかまっていた格子から手を離し、板の間に腰をおろした。 |
186 |
格子 |
格子 |
たた格子にしがみついた司祭の手が |
189 |
樹々 |
樹々 |
樹々の葉がやっと夕風に爽やかな音をたてて |
194 |
蚊柱 |
蚊柱 |
小屋の戸口に蚊柱がたっている。 |
194 |
雑木林 |
雑木林 |
裏手にある雑木林に砂のような音をたてた。 |
196 |
責め柱 |
責め柱 |
ピラトの館であの人は二尺あまりの責め柱にくくりつけられ、 |
198 |
木の腕 |
木の腕 |
司祭は木の腕にもられた強飯(こわいい)や干魚を |
200 |
格子 |
格子 |
格子から手を出して、司祭はその一人一人に |
200 |
格子 |
格子 |
格子窓に顔をあてると、 |
201 |
樹 |
樹 |
ある百日紅の樹にまたつくつく法師がとまって鳴きはじめた。 |
201 |
サルスベリ |
百日紅 |
ある百日紅の樹にまたつくつく法師がとまって鳴きはじめた。 |
202 |
材木 |
材木 |
普請中の材木の匂いが霧の匂いにまじって香ってくる。 |
202 |
松林 |
松林 |
海の近くに松林があった。松林の前に駕籠がおかれ、 |
202 |
松林 |
松林 |
海の近くに松林があった。松林の前に駕籠がおかれ、 |
202 |
材木 |
材木 |
道の両側に畠があり、材木が積みさねてある。 |
203 |
牀机 |
牀机 |
白い幕が林の中に既にはりめぐらされ、牀机が並べられていた。 |
203 |
牀机 |
牀机 |
侍の一人がその牀机を指さして、司祭に座るように言う。 |
203 |
林 |
林 |
白い幕が林の中に既にはりめぐらされ、牀机が並べられていた。 |
204 |
牀机 |
牀机 |
思わず司祭は牀机から立ちあがった。 |
205 |
マツ |
松の幹 |
砂に白くよごれた松の幹ごしに次第に近づく人々の |
205 |
幹 |
松の幹 |
砂に白くよごれた松の幹ごしに次第に近づく人々の |
210 |
柄 |
槍の柄 |
立たせ槍の柄で勢いよく押した。 |
210 |
木片 |
木片 |
ガルベの頭だけが難波した舟の木片のように |
211 |
牀机 |
牀机 |
通辞は牀机から立ち上がると急に憎しみをこめた |
211 |
サルスベリ |
百日紅 |
百日紅の樹では相変わらず、蟬が毎日 |
212 |
格子 |
格子窓 |
役人がそっと格子窓から覗くと陽のさしこんだ板の間で、 |
212 |
板の間 |
板の間 |
役人がそっと格子窓から覗くと陽のさしこんだ板の間で、 |
212 |
牀机 |
牀机 |
「お前は卑怯者ぞ」牀机から立ちあがって通辞は言った。 |
213 |
サルスベリ |
百日紅 |
百日紅の樹で相変わらず蟬が力のない声で鳴きつづけている。 |
214 |
格子窓 |
格子窓 |
役人は格子窓から顔を話すと、 |
214 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林で山鳩と梟とが交互に同じような声で |
215 |
板壁 |
板壁 |
痩せた影が板壁にうつり、時折、 |
215 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林の中で一匹の油蟬がチ、チと飛びたつ。 |
215 |
杭 |
杭 |
モキチやイチゾウが杭にしばられ、沈んでいった |
215 |
木片 |
木片 |
力尽きて小さな木片のように漂っていた海。 |
217 |
板壁 |
板壁 |
投げだし頭を板壁に靠(もた)れさせながら、 |
217 |
果樹 |
果樹 |
少年時代に蒼空や果樹を風が渡るのを見るたびに |
217 |
格子窓 |
格子窓 |
格子窓から役人と番人の好奇心にみちた眼が |
219 |
樹 |
樹 |
樹の匂いと泥の臭い。 |
220 |
板の間 |
板の間 |
通辞は板の間に腰をおろし、中庭のほうに |
222 |
板の間 |
板の間 |
西陽の照りつける板の間の隅にあぐらちをかいた。 |
223 |
朽木 |
朽木 |
司祭はこのまま朽木のように倒れてしまいたかった。 |
224 |
板の間 |
板の間 |
鶏が、板の間に飛び上がって羽ばたきを下。 |
228 |
板 |
板 |
通辞は西陽の強くあたる板に石仏のように正座している老僧をふりかえり、 |
231 |
苗 |
苗 |
この沼地に基督教という苗を植えてしまつた。 |
231 |
根 |
根 |
宗教は所詮、根をおろさぬということだけだ。」 |
231 |
根 |
根 |
根をおろさぬのではありませぬ」 |
231 |
根 |
根 |
「根が切りとられたのです」 |
231 |
葉 |
葉 |
葉が黄ばみかれていく。 |
231 |
葉 |
葉 |
その苗がのび、葉をひろげた時期もありました。 |
231 |
苗 |
苗 |
その苗がのび、葉をひろげた時期もありました。 |
231 |
根 |
根 |
沼地に植えられれば、根が腐りはじめる。 |
232 |
棒 |
棒 |
棒のように痩せてよごれた素足が見え、 |
235 |
杭 |
杭 |
黒い杭の思い出が司祭の心に痛いほど甦(よみがえ)ってきた。 |
236 |
根 |
根 |
いつもの間には根も腐っていった。 |
237 |
木魚 |
木魚 |
司祭は遠くで木魚を叩く単調な音と、 |
237 |
板葺 |
板葺 |
小屋のような板葺きの民家がかたまっていたが、 |
237 |
雑木林 |
雑木林 |
寺の塀ゆ雑木林があるだけで、 |
237 |
梢 |
梢 |
真黒な梢の上に出ている月が駕籠なあわせて |
238 |
板壁 |
板壁 |
司祭は板壁にむかい端座(たんざ)する。 |
238 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林で時折、鳴いている山鳩の声も |
238 |
板の間 |
板の間 |
丁寧に礼を言って板の間に入った。 |
239 |
根 |
根 |
苗はそこで根を腐らせ枯れていく。 |
239 |
苗 |
苗 |
苗はそこで根を腐らせ枯れていく。 |
241 |
板 |
板の間 |
そしてかたい板の間に体を横たえて、 |
245 |
棒 |
棒 |
棒をふりあげて威嚇する真似をした。 |
245 |
樹蔭 |
楠の樹蔭 |
僧侶の一団が大きな楠の樹蔭(こかげ)に集まり、 |
245 |
クスノキ |
楠の樹蔭 |
僧侶の一団が大きな楠の樹蔭(こかげ)に集まり、 |
249 |
杭 |
杭 |
この海でも杭に縛られたあの二人の日本人の百姓が、 |
250 |
雑木林 |
雑木林 |
特にあの雑木林の葉ずれの音が聞こえる夜の牢舎では |
250 |
葉 |
葉ずれ |
特にあの雑木林の葉ずれの音が聞こえる夜の牢舎では |
250 |
木 |
木 |
始めそれを木と木のつなぎ目かと思ったが |
250 |
木材 |
木材 |
壁は木材で上をなぜてみると何か深い |
250 |
木 |
木 |
始めそれを木と木のつなぎ目かと思ったが |
253 |
木立 |
木立 |
闇が木立をかすめる風のように、 |
255 |
木 |
木 |
木の折れるような音がひびいた。 |
260 |
壁板 |
壁板 |
司祭は司祭で壁板に頭ほ強く押しつけたまま、 |
266 |
板 |
木の板 |
灰色の木の板に粗末な銅のメダイユがはめこんであった。 |
266 |
木 |
木の板 |
灰色の木の板に粗末な銅のメダイユがはめこんであった。 |
266 |
木 |
木の板 |
中から大きな木の板をとりだした。 |
266 |
板 |
木の板 |
中から大きな木の板をとりだした。 |
266 |
木目 |
木目 |
小波(さざなみ)のように木目が走っているうすよごれた灰色の木の板に |
267 |
茨 |
茨 |
それは細い腕をひろげ、茨(いばら)の冠をかぶった基督のみにくい顔 |
270 |
モモ |
桃 |
棚の上に桃や棗やまめを供えている。 |
270 |
ナツメ |
棗 |
棚の上に桃や棗やまめを供えている。 |
270 |
格子窓 |
格子窓 |
格子窓に靠れた彼を見て、転びのポウロと口々にはやしたてる。 |
271 |
桶屋 |
桶屋職人 |
桶屋町という桶屋職人たちの住む通りだったから終日乾いた |
271 |
木槌 |
木槌 |
終日乾いた木槌(きづち)の音がとんとんと聞こえてきた。 |
271 |
板葺 |
板葺 |
どの家も板葺きか茅葺きで丸山附近の |
276 |
樹 |
樹 |
蝙蝠(こうもり)が門と樹の間をかすめて、うるんだ |
284 |
板 |
板 |
町年寄が奉行所に踏絵の板を申請にやってくる。 |
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板 |
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踏絵はおおむね板の長さ七寸から八寸、 |
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板 |
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巾は四寸から六寸の板に聖母や耶蘇(イエス)像を |
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板 |
板 |
さむざむとした板の間に裃をつけた役人が一人、 |
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板 |
板 |
奉行所から踏絵の板をそれぞれ受けとり、 |
288 |
根 |
根 |
切支丹の教えは決して根をおろさぬと」 |
289 |
根 |
根 |
「あれはもはや根が断たれておる。 |
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根 |
根 |
根が断たれれば茎も葉も腐るが道理。 |
289 |
茎 |
茎 |
根が断たれれば茎も葉も腐るが道理。 |
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葉 |
葉 |
根が断たれれば茎も葉も腐るが道理。 |
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木 |
踏絵の木 |
その顔は今、踏絵の木のなかで摩滅し凹み、 |