229 |
木立 |
木立 |
木立ちの間を歩いていたが |
229 |
木陰 |
木陰に |
木陰に休みながら思案していると |
229 |
木陰 |
木陰に |
その後ろの木陰にまだ何人かいるのを見ると |
231 |
木陰 |
木陰に |
木陰に山賊のようなのが沢山いるのに気づくと |
232 |
木陰 |
木陰から |
木陰から |
233 |
木陰 |
木陰 |
垂直に切り立っている崖の上の木陰を選んで |
258 |
木の葉 |
木の葉一つ |
木の葉一つそよがない夕凪に |
263 |
木戸 |
木戸 |
木戸を入らぬうちに |
266 |
木戸 |
木戸 |
木戸から子供が顔を出して |
267 |
木戸 |
木戸 |
木戸の方へ行きかけていた |
267 |
木戸 |
木戸 |
木戸から黒い人影が幾つか跳び込んで来た |
268 |
木戸 |
木戸 |
駆けつけた男達は木戸を塞いでいた |
280 |
木彫 |
木彫のよう |
通訳の兵隊は机の横に木彫のように立っている |
294 |
板 |
堅い板のよう |
今度は男の堅い板のような平手が美千子の顔を張った |
303 |
林 |
林に隠れる |
林に隠れるときに |
305 |
木 |
木の間 |
小鳥の囀りさえ木の間から洩れて |
305 |
林野局 |
林野局 |
父親は林野局の出張所の責任者らしいから |
306 |
林 |
林の中 |
林の中から |
306 |
枝 |
枯枝の束を |
枯枝の束を背に積んだ驢馬を曳いて |
309 |
林 |
林の中へ |
匹田と二人でその驢馬を林の中へひっぱって行け |
310 |
森 |
森の中 |
森の中の湿った道に |
310 |
森 |
深い森 |
ずっと深い森の懐へ入っている |
310 |
森 |
この森 |
この森は日本人とかかわりがあったと見て間違いないようである |
311 |
木立 |
木立ちの間に |
道の片側の木立ちの間に遺棄されている夥しい糧抹や |
311 |
林間 |
この林間に |
この林間に兵隊の気配があってもよさそうなものだが |
312 |
林 |
林の奥へ |
そこから林の奥へものの一キロと行かぬうちに |
312 |
木立 |
木立ち |
梶は木立ちのはずれから声をかけた |
317 |
板 |
板張りの床 |
梶は兵舎の板張りの床に寝転がって |
323 |
板 |
板張りの床 |
空いている板張りの床を引き剥がしはじめた |
328 |
林 |
林の中 |
林の中からここの火がよ |
328 |
林 |
下の林 |
下の林にある糧抹をこの奥に運び込んで |
331 |
密林 |
あの密林 |
あの密林の突破行以来梶と行動を共にして来た匹田は |
335 |
林 |
林の中で |
何処かの林の中でむくろとなっている |
336 |
梁木 |
天井の梁木 |
黒々とした骨のようにむき出しになっている天井の梁木を |
22 |
葉葉 |
草の葉が |
その区間の草の葉がくれに敵の散兵が屈進姿勢で駆け上っていた |
27 |
林 |
林のはずれに |
隊長の位置として定められていた林のはずれに |
27 |
木立 |
木立の間 |
木立の間に多数の人影が動いたようである |
27 |
丸太 |
短い丸太 |
山浦の体はちょうど短い丸太のように石垣を転がり落ちた |
27 |
林 |
林の中で |
林の中で十数発の銃弾を浴びなければならなかった |
67 |
森林 |
森林へ |
この辺の森林へ炭焼に出されていた兵隊が遺棄して行ったものだが |
72 |
立木 |
立木 |
三人は立木のように黙っていた |
74 |
森林 |
森林に入った |
高原を下りて森林に入ったとき |
74 |
密林 |
密林の天蓋 |
鬱蒼とした密林の天蓋が日光をさえぎっているのである |
74 |
枝 |
張り出た枝 |
縦横に張り出た枝は |
74 |
落葉 |
落葉は |
地面を蔽い尽している落葉は年々歳々層をなして醱酵し |
74 |
森 |
森 |
森の意外な深さに包まれている自分達を改めて見直した |
74 |
樹 |
樹の海 |
何処を見ても樹の海は形を変えなかった |
74 |
木 |
木の形 |
同じような木の形 |
75 |
幹 |
幹の間を |
半身になって幹の間をすり抜けたり |
75 |
木 |
大木の根を |
大木の根を跨いだり |
75 |
枝 |
張った枝を |
真横に張った枝をくぐり抜けたりしているうちに |
75 |
木 |
大木の間を |
さっき大木の間を左へ廻ったから |
75 |
森林 |
森林を割って |
森林を割って流れる川があった |
76 |
木 |
木が疎らで |
幾分木が疎らで |
76 |
密林 |
密林地帯 |
この密林地帯へ迷い込んだというのである |
78 |
密林 |
密林が闇 |
密林が闇に鎖されるころ |
81 |
密林 |
密林の中で |
密林の中では夜明けが遅い |
81 |
枯葉 |
枯葉と |
梶は枯葉と草の寝床から起き上って |
81 |
密林 |
密林の中 |
この密林の中では東西南北さえ判断しかねるのだ |
81 |
樹 |
樹の海 |
暗い樹の海の底から上を仰ぎ見て |
81 |
梢 |
梢の天蓋一面に |
暁の色は薄墨をぼかしたように梢の天蓋一面ににじみ渡るだけであった |
81 |
樹 |
太い樹 |
太い樹の根もとに放尿した |
81 |
樹 |
樹の幹を |
その樹の幹を両手で抱く恰好に触ったのは |
82 |
樹 |
樹の肌を |
梶の手は忙しく樹の肌を撫で廻しはじめていた |
82 |
木 |
木に移って |
梶は次の木に移って |
82 |
樹 |
樹の幹に |
もう二三本の樹の幹に繰り返した |
82 |
木立 |
木立ちの間で |
まだ暗い木立ちの間で仄かな笑いさえ浮べていた |
82 |
木立 |
木立ちの深み |
梶が川から離れて木立ちの深みへ踏み入って行くのを見て |
82 |
密林 |
密林から |
密林から出られなかった |
82 |
木立 |
木立ちの間を |
縦横に枝を張った木立ちの間を進むには |
83 |
密林 |
密林は |
密林は人々を解放しなかった |
83 |
森林 |
森林 |
人里遠い大森林には |
83 |
樹海 |
樹海の底に |
樹海の底に豊富にあるのは |
84 |
密林 |
密林を |
この密林を突破出来る見透しのついたときか |
84 |
木 |
木の枝を |
梶は木の枝を見ながら歩いた |
84 |
密林 |
この密林で |
この密林で木の葉を食い |
84 |
木の葉 |
木の葉 |
ところどころの木の葉の裏や小枝に貼りついていた |
86 |
密林 |
密林の中を |
密林の中を匍にも似た難行軍が続いた |
86 |
立木 |
立木 |
地方人達は立木にへだてられて姿が見えなくなった |
87 |
倒木 |
電柱ほどの太さの倒木 |
電柱ほどの太さの倒木さえも跨いで超える力はなくなっていて |
89 |
梢 |
梢を見上げた |
梶は急に胸が迫って梢を見上げた |
90 |
密林 |
密林は |
密林はいつ涯てるとも知れない |
92 |
木 |
木の間 |
木の間を洩れて一滴の水が顔に落ちたからか |
94 |
梢 |
梢全体 |
梢全体がざわめきはじめた |
94 |
枝 |
枝葉の屋根 |
濃密な枝葉の屋根は |
97 |
梢 |
梢に向って |
梢に向って発砲した |
97 |
密林 |
密林の中 |
真っ暗な密林の中に |
99 |
森 |
森 |
森の中は陽を透さないから暑くはなかったが |
100 |
密林 |
密林との |
密林との根較べを自分自身に命ずるだけの機能しか持っていない |
102 |
木 |
木の間 |
写真屋の女房が一人でふらふらと木の間から出て来た |
103 |
木 |
大木の根もと |
大木の根もとに |
103 |
木立 |
木立ちの奥の |
木立ちの奥の方へ顎をしゃくった |
104 |
枝 |
枝葉の屋根 |
老教員は枝葉の屋根いた |
104 |
密林 |
密林を開拓する |
この密林を開拓する人々が |
104 |
木 |
木の下に |
とある木の下に朽ち果てた骨のカケラを発見して |
105 |
密林 |
密林に迷い込んで |
この密林に迷い込んでいるらしかった |
106 |
木 |
木に立てかけてある |
梶は木に立てかけてある銃に駆け寄った |
108 |
森 |
森ぐらいで |
まさかこんな森ぐらいで死にやしないだろう |
108 |
枝 |
枝を火の中に |
梶は枝を火の中に投げ入れた |
108 |
木立 |
木立ちを映し出す |
周囲に黒々と鎮まり返っている木立ちを映し出すと |
108 |
森 |
森 |
森は却ってその深さを増して |
108 |
森 |
死の森 |
必ずこの死の森から脱け出るだろう |
114 |
森 |
不気味な森 |
後ろからのしかかって来そうな不気味な森を見廻した |
115 |
密林 |
大密林の天蓋 |
大密林の天蓋からおぼろな夜明けの明りが忍び込んでいた |
116 |
樹 |
樹の根 |
樹の根に足を取られては転び |
116 |
木陰 |
木陰に |
梶の姿を木陰に見失う |
117 |
森 |
この森 |
この森を出るころには頭が膿だらけになるのではないか |
121 |
木立 |
木立ちを抜けて |
ようやく密生した木立ちを抜けて草深い平地に入っていたが |
122 |
密林 |
密林で行くてを |
密林で行くてを阻んだ枝がない代りに |
127 |
密林 |
密林は |
密林はずっと後方へ残したが |
127 |
林 |
林ばかり |
行くては無人の山や谷や林ばかりである |
127 |
林 |
林に続いている |
岡の麓が疎らな林に続いているあたりに |
129 |
木陰 |
木陰で |
木陰で |
129 |
林 |
林の中 |
林の中から現われた六人を見て |
130 |
密林 |
密林のなかで |
密林のなかで助けました |
131 |
木 |
木の枝に |
その辺の木の枝にぶら下げるぞ |
133 |
林 |
林のふちまで |
林のふちまで来たとき |
134 |
木 |
木の幹に |
男達は木の幹に寄って構えたが |
134 |
木 |
木の間 |
木の間を縫って走って来る兵隊は一人きりだし |
135 |
木 |
木の幹に |
木の幹に凭れて云った |
141 |
林 |
林のようでも |
平地の林のようでもあるし |
143 |
密林 |
密林に捨てて |
密林に捨てて来るんだった |
152 |
密林 |
密林の中を |
大将はまだ密林の中を歩いてるつもりなんだ |
152 |
密林 |
密林の中じゃ |
密林の中じゃ大した勢いだったがよ |
156 |
林 |
林を抜けると |
坂道が林を抜けると |
157 |
棒 |
棒を持った |
棒を持ったのが道の方へ集っているでしょう |
157 |
棒 |
棒だ |
棒だけじゃない |
157 |
林 |
林の中 |
林の中へ戻るのは |
157 |
林 |
別の林 |
別の林があって |
158 |
林 |
向うの林まで |
他の者は向うの林まで走れ |
158 |
林 |
前方の林に |
かりに四人が無傷で前方の林に逃げ込めたとしても |
159 |
林 |
逃げ込んだ林 |
丹下達が逃げ込んだ林から |
160 |
林 |
林の中を |
ようやく安全圏となった林の中を歩きながら |
160 |
林 |
林の後ろに |
もう林の後ろに見えなくなった部落の方へふり向いて |
163 |
密林 |
密林の中 |
密林の中の焚き火のそばでは |
170 |
ネコヤナギ |
ネコヤナギが生え揃って |
まるでしつらえた垣のようにネコヤナギが生え揃っているところは |
170 |
林 |
深い林に |
深い林に続いている |
172 |
木部 |
木部を拭いて |
木部を拭いていると |
175 |
密林 |
密林で道連れ |
この女達が密林で道連れになったときには |
178 |
ネコヤナギ |
ネコヤナギ |
ネコヤナギを押し分けて |
181 |
木立 |
木立ちに隠れ |
銃手は木立ちに隠れているらしい |
182 |
木陰 |
木陰から |
木陰から山道へ |
182 |
木枠 |
木枠の向うに |
井戸を囲んだ木枠の向うに |
183 |
木 |
木の枝が |
そよぐ風に木の枝が涼しそうに揺れているだけであった |
186 |
ネコヤナギ |
ネコヤナギの茂み |
弘中伍長は川ぶちのネコヤナギの茂みの中にいたが |
186 |
林 |
畑と林の |
畑と林の境まで来て |
190 |
森 |
平地の森 |
部落の先きは平地の森だ |
191 |
林 |
林の中を |
山腹の疎らな林の中を |
191 |
林 |
林を出はずれて |
その道が林を出はずれてからは |
191 |
木立 |
木立ちもろくにない |
途中には姿を隠す木立ちもろくにない |
191 |
林 |
林の突端 |
林の突端 |
191 |
木 |
大木の下に |
松の大木の下に |
200 |
板 |
板の間 |
板の間の薄べりまで剥がしてあるし |
200 |
木片 |
木片を摩擦するか |
木片を摩擦するか石を打ち合せて発火しようと試みても |
201 |
床板 |
床板に |
床板に寝てみるまでは気づかなかったことだが |
203 |
床板 |
床板の上に |
梶は床板の上に仰向けに寝て |
217 |
木の葉 |
木の葉 |
一夜のうちに木の葉を落して |
218 |
木陰 |
木陰から偵察 |
その農家を山道の木陰から偵察していた弘中が云った |
222 |
梁 |
高梁の茎を |
高梁の茎を組んで泥を厚く塗っただけの壁で |
222 |
枝 |
枯枝を運んで |
枯枝を運んでやった |
229 |
木立 |
木立ちは砂塵を |
道の両側の木立ちは砂塵をかぶって |
229 |
葉 |
葉の色 |
葉の色が変っている |
336 |
森 |
森は |
森は深くなった |
336 |
密林 |
大密林の惨苦を |
このままで行くとあの大密林の惨苦を繰り返しそうな地形にある |
337 |
森林 |
森林に蔽われた |
地肌も見えぬほどに森林に蔽われた平地を見下ろす斜面に出て来ると |
337 |
木立 |
木立ちの間から |
だしぬけに木立ちの間から誰何された |
337 |
木立 |
木立ちに匿れて |
もう葉の色の変っている木立ちに匿れて姿を見せない |
338 |
木 |
木の幹や |
一行が云われた通りに木の幹や草に隠れると |
338 |
森林 |
森林 |
梶は下方の森林を見下ろしてから |
338 |
立木 |
立木の間から |
案内された梶達には容易に見分けが髥だらけのずんぐりした男が立木の間から出て来て |
339 |
森林 |
森林 |
この下の森林には |
339 |
伐採 |
伐採道路 |
伐採道路がある |
339 |
伐採 |
伐採道路 |
伐採道路も軽便軌条も無論日本が拓いたものだが |
339 |
伐採 |
伐採道路 |
伐採道路を抜けきったあたりで捕捉殱滅される形勢だ |
344 |
立木 |
立木の枝葉に |
立木の枝葉にさえぎられて真上には何も見えない夜の空が |
345 |
森 |
広い森 |
広い森の中だよ |
345 |
木 |
木の数ほど |
木の数ほど人間がいるってわけでもなかろうに |
346 |
木立 |
木立ちの間を |
黒い影が木立ちの間を縫って来て |
346 |
森林 |
森林鉄道 |
森林鉄道のある方にはロスケが入り込んで |
347 |
柵 |
脱柵の罪 |
脱柵の罪で処罰されるんだよ |
348 |
森 |
下の森 |
下の森で待っている |
349 |
林 |
林の奥 |
林の奥 |
349 |
木 |
木に繋がれて |
人垣の後ろの木に繋がれていた |
351 |
木 |
木に繋がれている |
木に繋がれている二人の方へツカツカと歩み寄った北郷から |
353 |
林 |
斜面の林を |
斜面の林をかなり下りたとき |
353 |
伐採 |
伐採道路 |
伐採道路は草深かった |
353 |
倒木 |
一抱えもありそうな倒木 |
草むらでときおり行き当る一抱えもありそうな倒木が |
354 |
伐木 |
伐木で |
それだけの伐木で充分に事足りたとも云えるのかもしれない |
354 |
木 |
木を切り払った |
木を切り払ったあとに草が生え |
354 |
紅松 |
紅松ですね |
・・・紅松ですね |
354 |
林 |
大した林 |
大した林だ |
354 |
資材 |
資材 |
どれほどの資材が眠っていることですかね |
355 |
森 |
森の中 |
森の中から |
355 |
森 |
森へ |
縦隊を左側の森へ潜伏させた |
356 |
森 |
反対側の森 |
反対側の森を踏み分けて |
356 |
木々 |
木々の根もと |
木々の根もとにうずくまった男達を手の動き一つで抑えながら |
356 |
森 |
森の向う |
あの森の向う側に |
356 |
森林 |
森林鉄道 |
きっと森林鉄道が入っているんだ |
357 |
木 |
離れた木に |
離れた木に銃を立てかけて |
358 |
森 |
森の中 |
・・・森の中に入ってくれ |
358 |
枝 |
枝葉でかげった |
枝葉でかげった顔に淡い笑いをにじませた |
361 |
樵夫 |
樵夫の飯場 |
樵夫の飯場ででもあったのだろう |
362 |
森 |
森の中 |
森の中を俺達と平行して歩いてくれ |
363 |
森 |
森の中 |
森の中にいる友軍の方へ逃げようとした |
363 |
森 |
森の中 |
森の中から射撃がはじまった |
363 |
森 |
森の中 |
森の中で手摺弾が破裂した |
365 |
森 |
森へ向って |
森へ向って狂人のように連射した |
366 |
木立 |
木立ちの方へ逃 |
この二人があわてて木立ちの方へ逃げようとしなければ |
368 |
伐採 |
伐採道路 |
一行は伐採道路を抜けきって |
368 |
森 |
森から出た |
森から出た狭軌の軽便軌条が平地を横切っていて |
368 |
木材 |
木材が野積みに |
その沿線のそこかしこに切り出された木材が野積みにされている |
368 |
木 |
木が多過ぎ |
いままでは木が多過ぎ |
368 |
木 |
木が乏し |
いまは木が乏し過ぎた |
368 |
木 |
立っている木 |
ところどころに申訳のように立っている木は |
368 |
森林 |
森林 |
またこの森林まで逃げ込むか |
369 |
森林 |
森林鉄道 |
森林鉄道が向っている方であった |
370 |
森林 |
森林鉄道 |
「・・・森林鉄道が他へ行かずに |
373 |
森 |
森の方へ |
多勢の部隊が森の方へ行っとりましたがな |
380 |
枝 |
小枝で |
梶は小枝でジャガ芋をほじくり出して |
382 |
枝 |
小枝を |
梶は草と小枝を束にして火の中に投げ入れた |
403 |
枯葉 |
葉を落して |
街路樹が枯葉を落して裸になるのと |
403 |
枯葉 |
落ちた枯葉は |
落ちた枯葉は |
403 |
根 |
生活の根 |
生活の根を断たれた人間も |
403 |
根 |
生活の根 |
生活の根を断たれた人間も |
430 |
枯葉 |
転がって行く枯葉 |
冷たい風に巻かれて転がって行く枯葉を見送りながら聞いた |
431 |
木彫 |
置き忘れられた木彫 |
置き忘れられた木彫か何かのようにじっと坐っている老婆が |
449 |
俎板 |
俎板 |
俎板に上った魚は |
459 |
鉛筆 |
鉛筆で |
鉛筆で |
472 |
木 |
木の影も |
木の影もない |
473 |
木 |
木か何か |
木か何か知らんが |
475 |
木 |
木の寝床の堅さ |
木の寝床の堅さをこぼす必要もなかった |
477 |
木 |
細い木の根株 |
地面から引き千切られた細い木の根株を枯草の中に再々見かけたから |
480 |
大工 |
大工 |
大工の棟梁 |
506 |
大工 |
大工 |
私は大工だが |
507 |
材木 |
材木 |
材木を切ったり削ったりしていた |
507 |
木工 |
木工兵 |
男の兵隊は木工兵らしく |
507 |
鋸 |
鋸 |
鋸を使っている女兵のよく発達した臀部が |
507 |
大工 |
大工 |
大工の鳴戸は |
507 |
材木 |
材木 |
材木を扱うやり方はおんなじですね |
507 |
鋸 |
鋸 |
鋸や鉈の使い方などはどうでもいい |
508 |
鋸 |
鋸 |
鋸を引いていた女兵が |
510 |
森閑 |
森閑 |
森閑としている |
517 |
焚き木 |
焚き木 |
新しく焚き木を探すのも億劫なのだ |
518 |
森林 |
森林 |
森林の空兵舎から叩き出された三人の男が |
529 |
材木 |
材木置場 |
材木置場で |
530 |
木石 |
木石のよう |
梶は単に木石のように立っているだけであった |
554 |
森 |
森が |
森がそのあたりから深くなりかけていて |
556 |
森林 |
森林 |
森林の奥から |
560 |
森林 |
森林 |
森林での作業は一週間で終った |
584 |
木 |
木に括りつけて |
木に括りつけて一晩じゅう放っとけ! |
586 |
電柱 |
電柱の |
彼方の灯まで点々と立っている電柱の一本一本が |
587 |
切株 |
切株 |
背を伸ばして切株の間に寝た |
344 |
枝葉 |
立木の枝葉に |
立木の枝葉にさえぎられて真上には何も見えない夜の空が |
84 |
小枝に |
小枝に |
ところどころの木の葉の裏や小枝に貼りついていた |
477 |
木 |
根株 |
地面から引き千切られた細い木の根株を枯草の中に再々見かけたから |
87 |
電柱 |
電柱ほどの太さの倒木 |
電柱ほどの太さの倒木さえも跨いで超える力はなくなっていて |