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小説と木
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  23. ナシ 1箇所

林芙美子の小説「放浪記」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は 1930年、文庫本におけるページ数は 536ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
13 キョウチクトウ 夾竹桃 白い夾竹桃の咲く
14 材木 材木 塔のように材木を組み
24 銀杏返シ 銀杏返し 銀杏返しに結った女が
34 拡がった桜の枝に
34 サクラ それは桜の罪ではない
34 サクラ 金と銀と桜の花で目が
35 モモ 色どる桃色桜は
35 サクラ 青空の桜に
37 サクラ 桜が咲いたと云うのに
55 サクラ ほがらかな桜の小道を
74 ヤナギ やなぎ 楊白花のように
83 カエデ 楓の青葉が
91 ミカン 蜜柑 私は蜜柑箱の机に
95 でも、木の方がよっぽど
96 木だったら
98 クヌギ 夜の櫟林にとまってしまった
99 クヌギ 走って櫟林を抜けると
109 サクラ 桜の園のガーエフの
109 並木 並木 あの長い並木道が
109 サクラ この桜の園まで
115 クリ 焼栗屋のにぶい声を
115 クリ 焼栗の声がなつかしい
115 梅干 梅干 ビタビタと梅干を
116 銀杏返シ 銀杏返し 銀杏返しのよく似合う
116 並樹 並樹 風景の中の並樹だよ
127 雁木 雁木 西洋人が雁木(がんぎ)に腰を
129 銀杏返シ 銀杏返し 私の銀杏返しの鬢を
130 銀杏返シ 銀杏返し 私が銀杏返しに結っている
132 サクラ 尾道の千光寺の桜や
136 ミカン 蜜柑 青い蜜柑の初なりを
139 ヤナギ 河岸の柳の木が
141 モモ 桃割れをかしげて
145 ツバキ 椿 椿の花のように
146 落葉 落葉がしていて
146 向うの立樹のところで
147 松葉 松葉 空に老松の葉が
147 マツ 松の木が一本
147 マツ その松の木の下で
148 コトコト松の幹を
148 マツ 老松 この老松り詩を
148 木立 黒ずんだ緑の木立ちの間を
148 マツ 老松 丘のあの老松の木を思い
148 マツ コトコト松の幹を
164 木枕 木枕 木枕に頭をふせていると
171 スギ 野中の一本杉の私は
171 紅葉 紅葉 明日から紅葉デーで
174 イチョウ返シ イチョウ返し 銀杏がえしのびんを
176 ヤナギ 柳なよかに揺れぬれど
177 銀杏返シ 銀杏返し 同じような銀杏返しを
179 銀杏返シ 銀杏返し 十日あまりも銀杏返しを
187 ナシ 梨のつぶてのように
190 雁木 雁木 雁木(がんぎ)についた
191 ミカン 蜜柑 一面の蜜柑山
191 レモン レモン 実のなったレモンの木が
191 レモン レモン レモンの丘
192 レモン レモン レモンの山裾に
193 ミカン 蜜柑 蜜柑山に照りかえった
195 レモン レモン レモンの山が
197 木橋 木橋 朽ちた木橋を渡って行く
198 樹とおんなじように
200 カンナ カンナ 庭のカンナの花を
200 カンナ カンナ 赤いカンナの花が
206 拍子木 拍子木 拍子木が鳴ると
223 燃やして炭をおこす
227 ペンキの板がかかっていた
233 シラカバ 白樺 白樺のしおりの絵を
234 シラカバ 白樺 白樺のしおり描きは
234 シラカバ 白樺 この白樺のしおり達は
235 サクラ 桜も何年と
235 若芽 若芽 早く若芽がグングン
235 サクラ 上野の桜は咲いたかしら
237 植物園 植物園 植物園裏の松田さん
238 サクラ 薄紅い桜がこんもり
238 サクラ 桜はまた新らしい
238 並木 並木 海添いの桜並木
238 リンゴ 林檎 大きい林檎を噛んでいた
238 並木 並木 あの桜の並木の中には
238 サクラ 千光寺の桜も
238 サクラ もう桜が咲いた
238 ミカン 蜜柑 蜜柑をむいてあげる
239 その葉っぱはどんな
239 この樹があるのだと
239 シラカバ 白樺 白樺のしおりを
242 ヤナギ 柳は柳
243 サクラ 上野の桜
243 サクラ 桜でも見に行きましょうか
254 若葉 若葉 山は爽かな若葉だ
254 雁木 雁木 雁木(がんぎ)を離れて
254 帆柱を空に
255 木枕 木枕  木枕を借りて
255 ツバキ 椿 椿のように
255 銀杏返シ 銀杏返し 銀杏返し
257 縺れた樹の色は
262 枯木 枯木 枯木と一緒に
262 枯木 枯木 山の上の枯木の下に
264 ミカン 蜜柑 蜜柑山がうっそうと
265 私は板子を渡って
266 樹の上にカラスが
268 モモ 桃割れに結った
272 古風な帆柱が見えます
274 サクラ 桜時はこれだから
274 板ノ間 板の間 板の間をふんで
274 サクラ 桜のマークをつけた
278 ヤツデ やつで 八ツ手の葉にいっぱい
278 植物園 植物園 同じように、植物園 
280 モモ 桃割れに結った
283 モモ ねむの花が桃色に咲いて
283 ネム ねむ ねむの花が桃色に咲いて
288 珍しい樹の下で
291 銀杏返シ 銀杏返し 銀杏返しの鬢をくっつける
295 木橋 木橋 長い木橋があった
295 木橋 木橋 木橋の上は荷車や
296 樹がざわざわ
296 銀杏返シ 銀杏返し 銀杏返しに結って
302 十三屋の櫛屋の
302 行李 行李 行李をかついでもらうと
302 行李 行李 ぶざまな行李がなくなった
303 櫛屋の人達も
309 樹木 樹木 井戸も樹木も
311 木箱 木箱 なつかしい木箱の匂いを
330 モモ 桃色の綿菓子を
330 モモ 桃色の泡が
330 モモ 桃色の甘い綿菓子に
333 サクラ 桜がランマンと
337 ヒイラギ 柊の枝を折って
337 木札 木札  木札をくくって
337 ヒイラギ その柊の枝はとても
357 モモ 桃割れに結って貰う
357 サクラ 桜の造花つくりの
361 シタン 紫檀  シタンの机が一つ
363 青葉が萌えてゆく
363 十三屋の櫛屋の前に
371 森閑 森閑 森閑とした五月の朝
372 クリ 栗の花が激しく匂う
378 キリ 菊や桐の紋が
379 床ノ間 床の間 床の間もなければ
379 板切 板切 隅に板切を置いて
379 森々とよく
380 マツ 松が四五本あって
387 大工 大工 家主の大工さんが
392 板塀 板塀 おんぼろぼろの板塀の
392 板塀 板塀 長い板塀にかこまれている
393 木陰 木陰で、麦藁帽を
393 植物園 植物園 植物園のなかにはいって
406 ツバキ 椿 椿姫の歌をうたい
412 森々とこの深夜を
413 山の樹がそう云った
418 イチョウ 銀杏 帝大の銀杏が金色を
432 大工 大工 大工さんと一緒に
432 大工 大工 大工さんと夫婦になる
435 枯葉 枯葉 枯葉をあつめて
435 揚げ板のなかに
440 梅干 梅干 べんとうの梅干を
440 茶の葉もないので
440 木の香 私は木の香のぷんと
447 木賃 木賃 母を木賃宿にでも
447 木切レ 木切れ 私は木切れを探しては
447 生木 生木 七輪の生木がぱちぱちと
447 行李 行李 私も行李の蓋の中へ
447 木切レ 木切れ 七輪に木切れを焚き
448 木切レ 木切れ 木切れを盗んで来る
449 木賃 木賃 木賃宿の屋根の上にも
451 イチョウ返シ イチョウ返し いちょうがえしの
455 左団次の桐一葉の舞台が
466 マツ 千松は厭で候
466 森閑 森閑 森閑と眠りこけている
466 植木 植木 大きい植木屋さん
471 根株のひげ根の波よせて
489 バラ 薔薇 垣根の野薔薇
490 ビワ ひわ 歓びは枇巴の果のしたたり
491 森閑 森閑 森閑と静もれる
491 ビワ ひわ 枇巴の実はくさったまま
491 木もれびの下の
496 ヤツデ やつで 八ツ手の葉が暑っくるしい
498 森閑 森閑 書斎は森閑としている
500 木魚 木魚 何処かで木魚を叩くような
503 大工 大工 大工さんだが
507 樹蔭 樹蔭 赤松の樹蔭に
509 木橋 木橋 右側は高い木橋
511 松葉 松葉 いちめんの松葉ぼたんの
511 梯子 梯子  梯子段の板張りに
513 木立 山の上で木立の中に
520 森閑 森閑 このあたりの森閑とした
521 木橋 木橋 高い木橋を渡って
521 家具 家具 月賦の丸二の家具屋
522 木賃 木賃 木賃宿で自炊生活をして
530 材木 材木 材木も乗っている
531 大工 大工 東京は大工の書きいれ
532 製材所 製材所 製材所で見せてみなと
533 炭屋 炭屋 近所の炭屋で
533 オガ屑 おがくず おが屑の匂いが涼しい
542 奇蹟の森なぞと
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