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サクラ |
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晩春の伊豆半島は、所々(しょしょ)に遅桜(おそざくら)が咲き残り、 |
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ミカン |
蜜柑畑 |
伊東へ一里ばかりの海岸へ来たときに、道の両側に蜜柑畑があり、 |
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ミカン |
蜜柑畑 |
二人が蜜柑畑の中の畔(あぜ)に腰を下ろして、割籠(わりご)を開こうとしたときだった。 |
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ミカン |
蜜柑畑 |
蜜柑の畑の中に遊んでいたらしい子供が声を上げた。 |
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割籠 |
割籠 |
二人が蜜柑畑の中の畔(あぜ)に腰を下ろして、割籠(わりご)を開こうとしたときだった。 |
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薪 |
薪水積込 |
薪水(しんすい)積込の応答にさえ困っているということであった。 |
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森 |
浜の森 |
舳の前へ下田の村の灯火(ともしび)が現れたり、柿崎の浜の森が現れたりした。 |
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櫓臍 |
櫓臍 |
櫂を取って、漕ぎ出そうとすると、肝心な櫓臍(ろべそ)がないことが分かった。 |
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櫂 |
櫂 |
櫂を取って、漕ぎ出そうとすると、肝心な櫓臍(ろべそ)がないことが分かった。 |
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櫂 |
櫂 |
櫂を両方の舷(ふなべり)へ縛り付けた。 |
71 |
櫂 |
櫂 |
二人は小倉の帯を解いて、櫂を縛り直すほかはなかった。 |
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櫂 |
櫂 |
ただ力委せに櫂を動かすのだから、二人の調子が合わず、 |
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棒 |
長い棒 |
手に長い棒を持った夷人が、怒り罵りながら舷梯を駆け降りて来て、二人の乗った舟を、 |
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棒 |
その棒 |
二人の乗った舟を、その棒で突き出そうとした。 |
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木柵 |
木柵 |
見ると、その営所を囲む木柵に多くの男女が集っていた。 |
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木柵 |
木柵 |
木柵から、一間と離れないところに、獣を入れるような檻があった |
80 |
木柵 |
木柵 |
ワトソンは木柵に身を寄せながら営所の中を覗き込んだ。 |
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木柵 |
木柵 |
ワトソンは木柵を掴(つか)んでいる自分の手が、ある畏怖のために、 |
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木片 |
木片 |
なんの躊躇もなく、木片の上に流暢に書き始めた。 |
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木片 |
木片 |
余地のないほどに字を書き詰められた木片が、ワトソンの手に返され |
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木片 |
木片 |
そして、その木片を支那語の通辞である広東人羅森に示した。 |