v11.0
- ID:
- 34183
- 年:
- 2015
- 月日:
- 1105
- 見出し:
- テニスする木彫り熊
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20151106-OYTNT50029.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
旭川の職人製作、兵庫の国際大会で販売へ
北海道の民芸品「木彫りの熊」が、口にサケではなく、手にテニスラケットを持った。
クルム伊達公子選手や杉山愛さんらを育てた兵庫県テニス協会の小浦猛志会長(72)の依頼で、旭川木彫・工芸品協会の職人5人が6月から製作を始め10体を彫り上げた。
同県三木市で7~15日に開かれる男子テニ
スの国際大会の会場で販売される。
収益は寄付に充てられる。
小浦さんは日本代表チームの監督だった1990年代後半、世界の会場で地元の民芸品が売られているシーンに感銘。
テニスを普及させるため全国を巡るうちに、各地で民芸品と出会い「伝統工芸にテニスの要素が加われば面白い」と考えた。
今年から兵庫県テニス協会の会長となり、温めていた構想を実現することにした。
選手育成のために何度も足を運んだ旭川で目にした「木彫りの熊」は欠かせない民芸品と考え、旭川木彫・工芸品協会に協力を要請した。
だが、その道50年以上のベテラン職人たちも「テニスはまったくの素人」。
ボールやラケットのサイズを熊にマッチさせるのは難しく、何度も彫り直した。
上西捷敏じょうにしかつとしさん(72)と上山勇次さん(67)は「なるべく自然に見えるようにするのに苦労した」と振り返る。
試行錯誤の末に完成した10体は10月下旬、兵庫県に送られた。
ユニホーム姿でラケットを振る木彫りの熊など、いずれも愛らしく躍動感ある作品に仕上がり、小浦さんは「オンリーワンの作品ばかり」と満足そうに語る。
同協会の菅野秀雄会長(72)は「手塩にかけた子どもが離れていくような寂しさはあるが
、手に取った人々の反応を見るのは楽しみ」と話している
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