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- ID:
- 32329
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0123
- 見出し:
- 日本最古の木製サイロが見守ってきた開拓の歴史
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元UR(アドレス):
- http://www.sankei.com/premium/news/150124/prm1501240003-n1.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
札幌から列車を乗り継いで約1時間半、室蘭本線の遠浅と書いて「とあさ」と読む駅に着く。
そこからさらに10分ほど、国道沿いの雪道を看板を目印に歩くと、木立の間にその日本最古といわれる木製サイロが見えてくる。
サイロは、家畜の飼料を収蔵する倉庫の役割をするもので、普通、円筒状をしている。
刈り取った作物を入れると乳酸菌の作用で発酵し、普通は3カ月でサイレージ(発酵飼料)となる。
最近では、牧草の保存用には、ポリエチレンでできたラップフィルムを用いたロールベールラップサイロが一般的だ
日本最古のサイロは岩手県の小岩井農場にあるものだが、木製サイロで最古のものはこれだ
どう見ても少し傾いて見える。
周囲には誰もいない。
すっかり冬景色で誰の足跡もなく、最近、訪れた人もいないようだ。
やはりこの季節に来るのは物好きなのだ
かつては、このサイロにも沢山の牧草が積み込まれていたのだろう。
ぐるりと一周する。
板の隙間から向こうの空が見える。
その横には、映画「スター・ウォーズ」に出てくるキャラクター、R2-D2を大きくしたようなかわいいサイロが並んで建っているのもほほえましい
この木製のサイロは北海道の開拓の歴史そのものだ。
かつて、この遠浅の地は火山灰地で「不毛の地」といわれていたという。
明治31年に山形県人が国有未開地の貸与を受けて開拓を始めたと、駅前の碑にはあった。
昭和8年、日本で最初のチーズ工場もこの地にできた。
6年、空知川にかかっていた木造の橋の架け替えが行われたときに、出た古材を利用して建設されたのがこのサイロだという。
橋としての歴史もあることに改めて驚く
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