v11.0
- ID:
- 31536
- 年:
- 2014
- 月日:
- 1014
- 見出し:
- 木の温もりを伝えるエコフレンドリーなLEDライト。
フィンランドの新星upwood design o
- 新聞名:
- ---
- 元UR(アドレス):
- http://punta.jp/archives/29524
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
便利でハイテクなものに囲まれていると、無性に自然や樹木が恋しくなることがあるだろう。
その想いを日本人と同じ、あるいはそれ以上に強く抱いているのは、森と湖の国に住むフィンランド人である。
明るいLEDが子どもの眼にやさしいデスクランプ
明るいLEDが子どもの眼にやさしいデスクランプ
2014年に設立されたばかりのインテリア照明ブランド、upwood
design(アップウッド・デザイン)のCEO、ハッリ・タルヴィオもその一人である。
80年代にフィンランドのIT業界の第一人者であった父エエロ・タルヴィオの後継者として働いていたハッリは、1992年にヴィシオティーミという、フィンランド社会福祉庁(KELA)やノキア、ABBなどの大手を顧客とするソフトウェアソリューショ
ン企業を起ち上げた。
19年間ICT業界を駆け抜けながら、ハッリはいつしか、木に癒しを求めるようになり、木で何か作ることを夢見るようになったという――父方と母方、両方の祖父が作っていたように
夢見ていた樹木との触れ合いが具体化したのは、今から3年前のことだ。
湿気や温度、季節によって状態が異なる木材とその加工処理の仕方とデザインに、3Dモデラーの操作の仕方まで専門学校で学んだハッリは、インテリアの中で最も関心を寄せている照明器具の制作に取り掛かった。
こんなコロンとしたフォルムも
こんなコロンとしたフォルムも
彼が初めに手に取ったのは、フィンランド産の質の高い白樺が原料のバーチ、温かい色味が魅力の欧州産のオークとアッシュ材だった。
それらの木材を高性能な機材で加工して、ペンダントランプのランプシェードに、スタンドランプとデスクランプなど、15種類ものフォルムが誕生した。
このような自然の温もりを感じるフォルムならば、暖色の白熱ランプが似合いそうだが、ハッリが選んだのは、環境に優しいLEDランプ。
ここでは彼のICT企業で培ったノウハウが生かされた。
ランプが使う人にも優しいものであるよう、電球の取り換えやランプの据え付けには、マグネットなどを活用して、極力工具を
使わなくてもいい構造に作られている。
さらに、祖父たちの時代の木材加工品は時間が経つと、塗り材が劣化して黄ばんでしまうことが気がかりだったハッリは、製品にUV耐性が最も強いナチュラルワックスを採用し、持続可能性を高めた。
また同社のデスクランプは、ハッリが気にかけていたあることがきっかけで製品化に至っている。
13歳の女の子の父親でもあるハッリは、かねてから子どもの勉強机の照明の明るさが不十分であると感じていたのだ。
こだわりだしたらとことん突き詰めるタイプのハッリは、娘の学校に出向き、教室の照明の明るさを
計測した。
「これでは足りない」という結論に至った彼は、子どもの眼に優しいランプを念頭にデザインを進めたという。
三本脚を好きなように組み立てることができるスタンドランプ
三本脚を好きなように組み立てることができるスタンドランプ
木の温もりを伝える環境に優しいランプを目指して日々邁進するupwood designのランプは、木の温もりに癒しを求める、フィンランドの新世代から注目を浴びている。
目下のところ同社の夢は、フィンランド人と同様、樹木を日常生活のインテリアに取り入れ、愛でる習慣がある日本の市場にも参入することだ
かつて日本に出張に出かけたことがあるハッリは、どことなくなくフィンランドと共通するところが多い、日本人のデザインに対する美意識に熱い期待を寄せているのだ
同社の次のステップは、フィンランド気鋭のデザイナー、ヨナス・ハカニエミのコレクションを発表すること。
ハッリからコラボレーションを要請されたヨナスは、創立半年強という新星ブランドが、これだけのクオリティーの高いプロダクトを作り出したことに驚いたそうだ。
仕事が早いヨナスなだけに、Jonas Hakaniemi
×upwoodコレクションが発表される日もそう遠くは無いだろう。
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