v11.0
- ID:
- 31465
- 年:
- 2014
- 月日:
- 1005
- 見出し:
- 自然から作り出す恒久性 高松宮殿下記念世界文化賞 彫刻部門 ジュゼッペ・ペノーネさん
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元UR(アドレス):
- http://www.sankei.com/life/news/141005/lif1410050021-n1.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
イタリア・トリノにあるジュゼッペ・ペノーネさん(67)のアトリエは、まるで工場のようだ。
天井の高さは12メートル。
なるほど、相手にするものは樹齢200年以上のカラマツだったり、頑丈な大理石だったり…。
こうした対象と“格闘”するようにして彫刻作品をつくりあげるのだから、どうしても広いスペースが必要にな
るわけだ
木の幹を年輪に従ってくりぬくと、そこには「木の原型」ともいうべきものが現れるという。
「年輪をひとつずつはがすことで、木という素材の中に刻まれた生命の記憶が読み取れます」。
彼の作品が表現するもののひとつは、自然に刻まれた生命の軌跡だ
その一方で、繊細な対象を相手にすることもある。
アトリエの中のブースの壁に張ってあるのは、韓国ですいた大きな白い紙。
そこに小さなアカシアのトゲをひとつひとつ張り付けていく。
そのトゲを使って描くものは、大きな唇だ
「センシティブな唇を、アカシアのトゲで表現しているのです」
表現しているものは、自らの唇。
自然と自己との関係性も、彼のテーマだ
■ ■
茶色のセーターにジーンズ姿でインタビューに応じるペノーネさんは、彫刻家らしいがっしりとした体の持ち主だ
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