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- ID:
- 31427
- 年:
- 2014
- 月日:
- 0926
- 見出し:
- 被災越え木工品作りを再開 大船渡の大塚さん
- 新聞名:
- 岩手日報
- 元UR(アドレス):
- http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140927_10
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
東日本大震災で大船渡市盛町の自宅と作業所を失い、同市大船渡町の地ノ森仮設住宅に暮らす木工業大塚利夫さん(87)は、地元産材を使った寄せ木細工作りに励む。
昨年9月に製作を再開し、試行錯誤を重ね、7種類の材木を六角形に美しく合わせた工法も編み出した。
「明日はこれを作ろうと日々
考えるのが生きがい」と、創作意欲に燃えている。
気仙スギの白とピンク、ホオノキの緑、年輪が入ったケヤキの赤―。
木の彩りを生かしたパーツを組み合わせて緻密に模様を作り、つなぎ目も「1ミリのずれも許さない」ほど細部にこだわる。
長年、建具・家具職人として腕を奮い、木工品作りを始めたのは6、7年前。
気仙スギを使った箸置きや小物入れを手掛け、市内のレストハウスや遠野市の産直施設などで販売した。
しかし2011年、津波で作業場と自宅は全壊。
作品や機械も流され、泥の中から泣く泣く愛用の工具を拾い集めた。
大塚さ
んは「ショックが大きく、再起は考えられなかった」と振り返る。
同年夏、住田町の製材業者から木材の提供を受け、同じ仮設の住民に靴置きを作ったのが転機になった。
できることからやってみるか―。
市内業者に工場を借り、再び工具を手に取った。
10月下旬に開かれる震災後初の市産業まつり出展などに向け精を出す。
大塚さんは「作品が完成するたび『次は良い物を』と考えるのが楽しい。
まだまだ年を取っちゃいられないよ」と張り切る
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