v11.0
- ID:
- 26515
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0117
- 見出し:
- 消費増税駈け込み需要前に、円安による資材価格高騰か?
- 新聞名:
- NET IB NEWS
- 元UR(アドレス):
- http://www.data-max.co.jp/2013/01/16/post_16449_mt_1.html
- 写真:
- -
- 記事
-
1月14日の豪州市場では一時1ドル89円60銭台を超えるところまで円安が進んだ。
対ユーロでも1ユーロ120円台を突破した。
年末までの合板市況は関東地区では820円前後だった12ミリ厚の合板価格が760円前後まで急落した
引合い、成約ともに活発で荷動きも活況を呈するほどだったにも関わらず、価格が下がってゆくのをみて、大手建材商社の担当者は首を傾げる。
荷が動くということは即ち商いが成立し物流面でトラックの確保が困難になるほど需要が旺盛なのだから値上がりするのが当然なのだが、逆に値下がりしていくと
いう過去に例を見ない現象が起きていたのである
一方、関西圏では12月初めに1枚あたり700円程度まで急落していた価格が750~760円まで戻してきている。
九州は最大手セイホクグループのシンエイが頑張っており、800~820円を維持している
合板メーカーの採算分岐点は780円程度だとみなされているが、苦しい状況が続いている
東南アジアではまだ雨季にあたり、原木の出材が困難なことに加え、インドネシアだけでなくマレーシアでも従業員が強硬な賃上げ要求を突き上げており、工場労働者だけでなく伐採にあたる労働者の賃上げ争議が続けられていて今後のコストプッシュ要因になることは必至だ
そこにもってきて中国経済が持ち直してきていることを見越して不動産価格が上昇し始めてきており、再び住宅供給が増加することも見越した動きが見えはじめた
一方の日本では、輸出競争力強化のための円安誘導を先取りした為替レートが進行しつつある。
1ドル100円突破は間違いないとの予測すら受け入れされそうな雰囲気だ
もしも、そうなったら12ミリ厚の合板価格が1枚1,000円を突破することだって有り得るのだ
民主党政権下の3年半で公共工事を絞りに絞ってきた結果、建設労働者の従事者は160万人も減少したといわれる。
すでに東北地区では震災復興のための職方や労務者不足で賃金が高騰している。
復興は遅々として進んでいない。
復興資金が不足しているというだけではないのだ。
金はあるが人手が足
りないという現象が起きているのである。
話は元に戻るが、この急激な円安によるコストプッシュは再稼働が遅れている原発の代替策として、火力発電用の燃料(天然ガスや原油等)の輸入増と価格上昇に追い打ちをかけることになる。
すなわち鉄鋼やセメント等の基礎資材の急騰にもつながることになる。
ここにもってきて消費税値上げの駈け込み需要が出てきたらどうなるかは自明の理であろう。
しかしその前に仮儒が発生することは間違いない。
資材価格の高騰だけでなく、建設従事者の不足が生じ、元請けのゼネコン、住宅業者は大幅な赤字を被ることになるに違いない。
それだけではない、資材不足や技
術者不足で納期が大幅に遅れて遅延金が発生する
また、消費税の旧税率の適用は第1段階では2014年4月からの半年前になる13年9月末日までの着工物件までが消費税率5%の適用となる。
第2段階は14年9月末日までの着工物件が消費税率8%の適用対象となる。
その後は消費税率10%となるのである
政府も住宅減税の延長策とか還付方法の手段とかで知恵を絞りつつあるが、為替レートの円安で潤うのは電機や自動車をはじめとする輸出企業と海外企業へのM&Aをしかける企業群に限られる。
政府だけでなく企業も個人も難しい舵取りが求められる
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