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- ID:
- 27380
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0409
- 見出し:
- シイタケ原木 県産材に
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20130408-OYT8T01510.htm
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県は千葉産マテバシイを原木に使ったシイタケ栽培の普及に乗り出した。
一般的に原木に使われるのはクヌギやコナラだが、一大供給地だった福島県で東京電力福島第一原発事故が起き、放射性セシウムが検出される事態に。
価格の高騰を受け、県産に注目した。
(中村みほ)
市原市戸面でシイタケ栽培を行う鶴岡椎茸(しいたけ)園の鶴岡実さん(59)は今月3日、初めてマテバシイにシイタケ菌を植え付けた。
同市は原木シイタケが出荷制限になったことはないが、農家は風評被害に苦しんできた。
一緒に作業を行った妻の弘子さん(55)は「クヌギに比べて木の皮がきれいで植菌しやすい。
品質が良いシイタケができれば、マテバシイに切り替えたい」と期待を込めた。
県森林課によると、原発事故前まで、県内で利用されるシイタケの原木の4割が福島県産だった。
事故前は原木1本は220円前後だったが、現在は360円前後と約1・5倍に値上がりしている。
セシウムの半減期から、県は原木の高騰は長期に及ぶとみている。
高騰の理由の一つが、規制値の変更。
国は昨年4月、多くの食品の放射性セシウムの規制値を1キロ・グラムあたり500ベクレルから100ベクレルに下げ、シイタケ栽培に使う原木の指標値も50ベクレルにした。
この結果、指標値を下回る原木が手に入りにくくなった。
このため、県は県南部に生育するマテバシイに着目。
1978年頃からマテバシイを原木とするシイタケ栽培の研究を行ってきており、遠くの県から仕入れるより輸送費が抑えられるからだ
県は3月下旬、直径10センチ、長さ90センチのマテバシイの原木90本とシイタケ菌を生産者12戸に試験配布した。
これまでマテバシイを使ってこなかった鶴岡さんら中部や北部の生産者に配った。
一方、富津市では93年からマテバシイの原木を使った生産を本格的に行ってきた。
JAきみつ椎茸部会の川名博美会長(59)は「マテバシイでもクヌギ、コナラと味は遜色ない。
樹皮が薄い分、見た目が美しいシイタケが作れる。
収穫期がほかより早い特徴も」と話す
ただ、今年2月現在、県内のシイタケの生産者515戸のうち、マテバシイ利用者は10戸程度に過ぎない。
川名さんによると、マテバシイによる栽培は、湿度を保つための工夫が必要で、コツをつかむには一定の時間が必要というが、県は、川名さんら栽培経験者の講義を開くことで、普及を進めたい考えだ
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