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- ID:
- 25328
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0920
- 見出し:
- カーボンファイバーより強く、価格は10分の1 木材原料のナノ素材
- 新聞名:
- 産経新聞
- 元UR(アドレス):
- http://sankei.jp.msn.com/wired/news/120914/wir12091414310004-n1.htm
- 写真:
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- 記事
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木材パルプから製造される「ナノ結晶セルロース(NCC)」が注目されている。
カーボンファイバーと同等以上に軽く強いが、コストが1/10以下に抑えられるという。
米国森林局は7月16日(米国時間)、170万ドルをかけて、木の切れ端やおがくずといった木材の副産物からナノ結晶セルロース(NCC)を製造する工場を開設した。
この工場が作り出すNCCは、ケブラーやカーボンファイバーと同じくらい軽量なのに強度が高いことが特徴だ。
透明なため、防弾ガラスの代わりにも利用できる。
だが、本当のセールスポイントはコストが低いことだ。
木材からNCCを作った場合、コストはカーボンファイバーやケブラーの10%足らずに抑えられる。
現在の目標は1kgあたり10ドルだが、大量生産すれば1kgあたり1~2ドルまで下がると見られている。
植物やバクテリアの細胞壁の中にあるセルロースは、グルコース分子の長い鎖でできている。
植物は、これらの繊維をクモの巣状に張り巡らせて、細胞を構造的に支えているのだ。
木材ではこれらの繊維が網目状に結合しており、一般的なセルロース繊維は幅が約10ミクロン、長さが約1mmだ
木材を細かく切り刻んでパルプにすると、すべてのセルロース繊維を結合しているリグニンが失われるため、水の中で浮かぶようになる。
これを乾燥させると毛玉と同じくらいの強度になるが、さらに細かく砕いてナノフィブリル(ナノ繊維状構造をもつ物質、ナノ小繊維)にすると水素結合が生じる。
これに強酸を
使用して余分なものを取り除けば、強固な材料であるNCCが分離されて残る。
集めた木材パルプの約30%がNCCになるという。
ただし、いくつかの問題もある。
例えば、水との相性だ。
大量の水に晒されると、セルロースがH2O分子で満たされて乾燥体積が約2倍になるため、セルロース構造にナノ空孔が生じてしまう。
研究者らは、塗装処理または疎水処理によって、水を防ぎながらNCCの強度を保つ方法を模索しているところだ
※NCCについてはアンチエイジングへの応用等も研究されており、NCC市場は今後の10年で2億5,000万ドル(約200億円)規模に成長するという予測もある。
カナダでも、NCCを製造する実証製造設備が今年はじめに完成している
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