v11.0
- ID:
- 24367
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0524
- 見出し:
- 秋田県立大研究所、大槌町の復興へ協定 地産木材で架橋や舗装
- 新聞名:
- 産経新聞
- 元UR(アドレス):
- http://sankei.jp.msn.com/region/news/120524/akt12052402040000-n1.htm
- 写真:
- -
- 記事
-
県立大学木材高度加工研究所(飯島泰男所長)は、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌町(碇川豊町長)と協定を締結し、継続的に復興のためのまちづくりを支援していくことになった。
当面は仮設住宅敷地内での木橋の架設や町役場仮設庁舎周辺でのウッドチップ舗装の施工を行う予定だ
が、同町内の山林の樹木を使った公営住宅の建設、津波で流出した学校や公民館の整備なども視野に入れている。
(土樋靖人)
◇
同研究所は平成7年、古くから秋田杉の集積地として栄え、木材関係の仕事が多い能代市に県の機関として設立された。
県立大が11年に発足すると同時に下部組織として、木材に関する研究を続けている。
大槌町との間では、昨年10月に設置された「大槌町復興まちづくり創造懇談会」のアドバイザーとして、地域計画が専門の渡辺千明准教授が参加。
町有林の活用による地域再生などを提案してきた。
同町は水産業が主産業だが、漁港など臨海部が大きな被害を受け、経済基盤が崩壊。
漁船も9割以上が流され、多くの人が仕事を失ったまま。
後背地には山地が迫っており、町有林をはじめとする山林を活用できれば、雇用の創出にもつながる。
同研究所が支援策を検討した結果、仮設住宅敷地内に応急の木橋を架設することが浮上した。
仮設住宅は山地に建てられ、沢などで利便性が悪い場所が多い
飯島所長によると、木橋はトラックで現場に機材を運び、現地調達した木材を加工して架ける。
鋼材を木材ではさむ構造で、人だけでなく、中型トラックも渡れるという。
町では「基盤整備には、予算も時間もかかる」(高橋浩進副町長)ため、この応急措置に期待を寄せている。
また、同町役場仮設庁舎は小学校の校庭に建てられているため、雨が降ると、周囲はぬかるみの状態になるので、ウッドチップ舗装が効果的とみられている。
災害廃棄物のうち、再利用が可能な柱材や角材の利用も考えられる。
木橋の架設とウッドチップ舗装とも早ければ、6月中に着手する見通し。
飯島所長は「うまくいけば、他の被災地でも」と語る。
碇川町長が「復興するまで、町有林の活用方法を考えてほしい」と要望したところ、飯島所長は「同じ東北の者として応援していく。
やれることを手伝っていく」と協力を約束した。
高橋副町長も「公営住宅は480戸を予定している。
地元の木材を使っていきたい。
伐採から運搬、活用まで全体的なアドバイスがいただければ」と話している
fff: