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- ID:
- 24366
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0524
- 見出し:
- 御杣山移し 国産材維持
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000001205240002
- 写真:
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- 記事
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伊勢神宮の社殿に使うヒノキの調達先を「御杣(みそま)山」と言う。
「杣(そま)」は木材を切り出す山という意。
1300年続く式年遷宮は、御杣山変遷の歴史でもあった
最初は神宮に接する宮域林だったが、平安中期以降は志摩市、大紀町、大台町へと移った。
室町初期からは愛知県設楽町や岐阜県白川町に、江戸中期からは岐阜県中津川市や長野県境に求めている
神宮ばかりでない。
京都や奈良の寺院も古くから同じ問題を抱えてきた。
奈良県桜井市の宮大工棟梁(とうりょう)、瀧川昭雄さん(79)は言う
「この辺りのヒノキは平安後期までに切ってしまったんですわ。
室生寺(同県宇陀市)には杉が使われ、ケヤキや松、雑木も使われるようになりました」
古社寺の再建や修復には直径1・5メートル級の大木が欠かせない。
しかし、瀧川さんは嘆く。
「そんな木を探しても、もう国内には残っておりません」
事実、瀧川さんが手がけている興福寺中金堂(奈良市)の復元工事には、すべて外国産材が使われている。
東西37メートル、南北23メートル、高さ21メートル。
巨大な構造を支えるのはアフリカ・カメルーン産ケヤキとカナダ産ヒノキ。
薬師寺金堂も台湾産ヒノキで再建された
それでも、神宮の遷宮は、御杣山を移しながらも国産材でまかなっている。
瀧川さんは言う。
「お伊勢さんはやっぱり特別なんですな」
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