"2011年- 温暖化研究の重大な欠陥 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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    ID:
    49629
    年:
    2011
    月日:
    0203
    見出し:
    温暖化研究の重大な欠陥 行方不明の熱と炭素
    新聞名:
    日本経済新聞
    元UR(アドレス):
    http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C93819499E2E3E2E09E8DE2E0E2E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E0
    写真:
    -
    記事
    長期的な地球温暖化の原因は、大気中に温暖化ガスが蓄積された結果大気中に入ってくる熱(太陽エネルギー)の量と出ていく量に生じる不均衡だ  調査衛星や地球上の観測システムを通じて収集された膨大なデータからはこの“余剰熱”が急速に増加していることがうかがえる。
    地球がこの“余剰熱”を抱え込む能力には限界があるはずだ。
    水をたっぷり含んだ毛布をイメージすると分かりやすいが、余剰熱の量が気候システムの限界を超えれば、地球 の温度は上がり始める。
    このため、気候システムが地球温暖化の原因となる余剰熱をどのように吸収しているかを把握することは、将来の気候変動について確度の高い予測をはじき出すうえで不可欠だ。
    だが、ここで問題がある。
    過去の余剰熱のほぼ半分がどこに行ったのか、誰にも分かっていないのだ 【記事リンク】 ・Is Global Warming Making It Snow? (温暖化が大雪の原因なのか?) ・Why Global Warming Deals Go South (温暖化対策交渉がうまくいかない訳) ・Electric Cars May Accelerate Global Warming (電気自動車が温暖化を加速する恐れ) ・Forget the Grid. Can Solar Power Light Africa? (太陽エネルギーはアフリカの電力不足を解消するか?) ・Pfizer Pledges To Cut Research To Maintain Earnings (利益確保のため研究費を削るファイザー)  余剰の一部は海が吸収してきた。
    森林や湿地も吸収役を担っている。
    だが、これらの“ヒートシンク(熱の吸収源)”が吸収したのは、近年地球が蓄積したとされる余剰熱のうち半分程度であり、残る半分について気候学者は行き先を解明できていない  「(現在の技術と知識では)不均衡について完全に観測し、理解できないことが我々の悩みの種だ」。
    昨年、学術雑誌『サイエンス』に掲載された論文「“行方不明の熱”を巡る謎」の執筆者の1人で、コロラド州ボルダーの米国立大気研究センター(NCAR)の研究員ジョン・ファスロ氏はこう語る。
    「これは気候 システムにおける熱の蓄積を観測する現在の能力に、“明らかな欠陥”があることを示している」  観測データが誤っているか(その可能性は極めて低いが)、それとも現在の地球観測システムがとんでもなくお粗末であるかのどちらかだ。
    衛星や地球上のセンサーの観測性能の不足や、それらのセンサーが収集したデータの処理が不正確なことで、行方不明の余剰熱の1%程度は説明がつくかもしれな い。
    しかしより根本的な問題として、衛星センサーや観測ブイなどを使った現行の観測手段は、深海や大気など地球の気候システムのどこかに蓄積されているかもしれない“行方不明”の熱を追跡・把握するには力不足なのだ  「気候変動を理解するうえで、気候システム内の熱循環はカギを握る問題だ」。
    米国立科学財団の大気圏・宇宙空間部門プログラム・ディレクターを務めるエリック・デウィーバー氏は指摘する。
    「これは我々の観測システムに大きな難題を突きつけている」  2003年までは、熱量の増加に関する観測値は、コンピューター・モデルの予測値と一致していた。
    だが近年になって、新たに導入された海洋観測システムで水温上昇率の低下が記録された。
    この間、衛星を使った観測システムでは、熱の流出量に比べた流入量の超過の拡大が示されていたにもかかわらず、 である。
    行方不明の熱の一部は、融解しつつあるグリーンランドの氷床や、北極海の氷に流れ込んだようだ。
    さらに海洋センサーが観測できない、極めて深い海底に蓄積されている分も相当な量に達する可能性がある。  実は行方不明の熱の問題は、気候科学の分野における2つの“重大な欠陥”の1つにすぎない。
    2つとも地球温暖化を巡る問題を克服しようとする各国の試みを脅かしている。
    もう1つの重大な欠陥は“行方不明のカーボンシンク(二酸化炭素吸収源)の謎”と呼ばれる問題だ。
    これは行方不明の熱より政治 的な扱いが難しく、気候科学の“重大な欠陥”どころか、現在の気候科学が誤っている“動かぬ証拠”と見られる危険がある。  理由を説明しよう。
    人類は毎年、約80億トンの二酸化炭素を大気中に排出する。
    そのうち65億トンは化石燃料から、15億トンは森林伐採から生じる。
    ただ、全体のうち大気中に残り、温暖化の原因となるのは半分以下の32億トンにすぎない。
    残る膨大な二酸化炭素、すなわち“行方不明の二酸化炭素” が地球のどこに吸収されているかについては、まだ全く説明できていないのである fff:

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