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2011年-国内最古の木製 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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- ID:
- 52372
- 年:
- 2011
- 月日:
- 1213
- 見出し:
- 重文級の発見:1159年の墨書 国内最古の木製・五輪塔
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111213k0000e040165000c.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
京都市左京区久多の志古淵(しこぶち)神社から、「平治元年」(1159年)と墨書のある「五輪塔」が見つかった。
大谷大博物館(京都市北区)が12日、発表した。
木造としては国内最古で、保存状態も極めてよく、国の重要文化財級の発見という。
神社を管理する地元自治会から昨年5月、寄託された。
ヒノキ製で高さ29.3センチ、幅8.4センチ、奥行き7.8センチ。
基壇に「平治元年十二月九日」の日付と、「施入僧寂念」「入道西念」などと墨書があった。
五輪塔は仏教思想の宇宙観を表現しており、上から空、風、火、水、地を表す方形や球形の立体が重なっている。
平安時代後期以降、墓標の一つとして多く作られた。
現在、最古の五輪塔は1144年に築かれた経塚から出土した常福寺(兵庫県姫路市)の土製五輪塔(国重要文化財)とされる。
年紀のあるものでは静岡県・湖西窯跡から出土した陶製五輪塔(1146年、国重文)があり、木製ではこれまで東大寺所蔵の五輪塔(1281年)が最古だった。
「入道西念」は志古淵神社に近い峰定寺(ぶじょうじ)を開いた僧とみられ、「寂念」は平安末期の歌人、藤原為業(ためなり)の可能性があるという。
宮崎健司・大谷大教授(日本古代史)は「寂念が西念の追悼のために作ったのではないか。
日付が平治の乱が始まった日なのも興味深い」と話している
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