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2011年- 超軽量椅子 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
v11.0
- ID:
- 51281
- 年:
- 2011
- 月日:
- 0811
- 見出し:
- 50年代の名作“超軽量椅子”がカラフルに
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/interior/syun/20110809-OYT8T00809.htm?from=yolsp
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
スーパーレジェーラに新色登場!
いい椅子の条件って何?
美しいことはもちろんですが、それはソファにもベッドにも言えますよね。
「いい椅子」であるための条件は、堅牢で軽量なこと。
そう、「軽くて丈夫な椅子が、いい椅子」なんです
わずか1.7キロの超軽量椅子「スーパーレジェーラ」は、1957年の作。
少年が指一本で軽々持ち上げているこの広告も当時の話題になった。
フレームはトネリコ材で、座面は籐編み
今使っている椅子、特にダイニングチェアのように毎日何度も使う椅子を、ちょっと思い浮かべてみてください。
引く、座る、身体と一緒に前へ出す。
運ぶ、持ち上げる、テーブルの下におさめる。
とにかく家具の中でいちばんよく動かしよく使う。
軽ければ軽いほどいいのは一目瞭然でしょう。
当然、軽いだけじゃいけません。
丈夫で頑強で誰が座っても安心感があって、そして長持ちしなくっちゃ
子供がひと差し指一本でラクラク持ちあげられるほど軽く、体重80キロのおじさんが座ってもびくともしない。
そんな名作椅子が生まれたのは1957年のことでした。
イタリアの建築家ジオ・ポンティによってデザインされ、イタリアの名門カッシーナ社から発売された「スーパーレジェーラ(SUPERLEGGERA)」は、重さ
なんと1.7キロ。
極限まで細く削った木製フレームに籐編みの座面。
当時は世界一軽量といわれ、今でも軽い椅子の代名詞となっています
実際の重量のみならず、見た目もスマートで軽やか。
そのシンプルなデザインと機能性に惹かれ、「世界中の椅子の中で、コレがいちばん好き」と断言する人も多いモダンファニチャーの名作です。
ちなみに、レジェーラはイタリア語で軽いという意味。
まさに、超軽量椅子!
2011年の新バージョンは、シートの張り地が選べるカラフルタイプ。
フレームはアッシュ材でナチュラル、ブラック、ホワイトの3色。
座面はファブリックか革製のカバーリングからセレクト。
その組み合わせ450種類!「699
スーパーレジェーラ」幅40.5×奥行45×高さ83・座高46.5センチ。
ナチュラルフレーム12万3,900円~15万1,200円、ブラック、ホワイトフレーム14万2,800円~17万100円。
全て受注輸入
そんなスーパーレジェーラに今年7月、カラフルな色をまとった新バージョンが登場。
従来の籐編み座面に加え、座面がファブリックもしくは革のカバーリングタイプからも選べるようになりました。
フレームはナチュラル、ブラック、ホワイトと3種類あり、フレーム×座面の組み合わせは全450通り!
加えて、1950年代にプロトタイプとして製作されながらも商品化されなかったブラック&ホワイトフレームも復刻。
白と黒の塗装を施したコンビネーションフレームに、白革か黒革のシートを合わせたもので、どうして商品化されなかったの? と思っちゃうくらい美しい、モダンな表情が強調されたデザインです
そしてスゴイのは、どれほどカラフルでキャッチーな色使いになったところで、この名作がもともと持っている魅力がまったく薄れていないこと。
それはとりもなおさず、椅子の原型とでもいうべきシンプルで普遍的なかたちに、魅力がギュッとつまっているからでしょう。
実はこのかたち、フレーム、脚、背もたれ、どの部分をとっても、こうでなくちゃいけなかったという確固たる理由に支えられています。
それは「より軽く、より丈夫で、より洗練されたかたち」をとことん模索したジオ・ポンティと、さまざまな技術や家具づくりのノウハウでもって彼の熱意に応えようとしたカッシーナ社の共
同作業から生まれたもの
ホワイト&ブラック塗装のコンビネーションフレームがモダンな復刻版。
1950年代の展示会のためにデザインされたもの。
座面は白革か黒革のポリエステルパッディングシート。
24万9,900円。
受注輸入
たとえば、スーパーレジェーラの細ーい脚の断面は、よく見ると、底辺が18ミリの三角形になっています。
これは「角材よりも細くて軽くて、丈夫な形」を研究してたどり着いたかたち
(1)脚を三角形にしたら軽くできる。
でも弱くちゃダメ
→(2)木の椅子を丈夫なものにするには、木と木の接合部分(組み立て部分)が重要
→(3)組み立てる時に、木を深くまで差し込めれば頑丈になる
→(4)前脚2本の間をつなぐ横木を、この三角形の底辺(つまり一番長い)部分に差し込むことにしたら?
→(5)ここさえ深く接合していれば、脚は角材でなく三角形で十分!
→(6)軽くて丈夫なフレームが完成
……と、こんなふうに、デザイナーの美意識とカッシーナの知恵や職人技があわさって、控えめながらきちんと存在感のあるフォルムが誕生したという次第。
いい家具というのは、デザインと技術と知恵とが一体になったところに生まれるもので、デザインだけでは本当にレベルの高いものにはならないんですよね
そうやってつくられた「永遠のモダンデザイン」は、ちょっとやそっとじゃ揺るがない。
このカラフルでキャッチーな新色タイプに興味を持ったのがきっかけで、スーパーレジェーラという名作を知った人にも、オリジナルの美しさや機能性がきちんと伝わるはずなのです
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