"2011年- 木の窓 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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    ID:
    50560
    年:
    2011
    月日:
    0526
    見出し:
    温かみ・快適空間演出する「木の窓」
    新聞名:
    産経新聞
    元UR(アドレス):
    http://www.sankeibiz.jp/business/news/110526/bsl1105260500000-n1.htm
    写真:
    【写真】
    記事
    ■飯田ウッドワークシステム  北海道のさまざまな公共施設や商業施設などで、明るく、温かみのある快適な空間を演出する大きな“木の窓”。
    建築資材メーカーの飯田ウッドワークシステムが設計・製作した、木製カーテンウオールが使われている。
    建物の内側に木材、外観にアルミを使った複合型の窓だ  ◆素晴らしさ伝えたい  「冬場の北海道をはじめ外気と室内の温度差による結露など地域特有の気候条件から生じる課題を解決した」と飯田信男社長は語る。  同社は、木製カーテンウオールや木製スクリーンなどを駆使して、設計者や工務店をはじめ建築に携わる人たちから提案されたデザインをベースに企画から設計・製造までを行っている。  神奈川県出身の飯田氏は「北海道の自然にあこがれ、緑の山のなかで暮らせる学問、林学を学びたかった」と北海道大学の林産学科に進学。
    卒業後は北海道立林産試験場に就職した。
    「木はとても面白く、すてきな素材。
    その素晴らしさを伝えたい。
    木を材料にした製品を開発したかった。
    木の窓もその一 つ」と振り返る。  林産試験場に就職した1970年代は住宅ブームだったが、窓は木製サッシからアルミサッシに変わりつつあった。  当時の上司が「北海道みたいな寒冷地はアルミサッシの窓なんていいはずない。
    結露はするし、熱は逃げる。
    欧州の住宅の窓は木製だ」と教えてくれた。
    欧州を訪れ、現地の研究所や建築現場を見て回るとカルチャーショックの連続だった。  北欧諸国やスイス、ドイツなどでは、木の特徴である断熱性などを最大限に引き出す研究開発が活発に行われていた。  飯田氏は、日本の窓にも木の窓を導入しようと決意。
    北海道庁や住宅サッシメーカーに勤めた後、培ってきた技術を生かすために、2000年に飯田ウッドワークシステムを設立した。  ◆新連携事業に認定  アルミなどの金属は、耐候性は高いものの断熱性や遮音性、強度、温かみのあるデザイン性などは木材にかなわない。
    一方、木材は加工性、コストなどは金属に及ばない  木材とアルミの長所を生かして開発したのが、大型カーテンウオール「i・ウッド・スクリーン・システム」だ  01年に手がけた北海道大学「遠友学舎」の窓は、木の温かさを強調したデザインで、ポプラ並木を室内から望める北海道らしさが評価され、北海道建築賞や国土交通大臣賞を受賞した。
    07年には、国(北海道経済産業局)から新連携事業に認定された。
    集成材生産の下川町森林組合(北海道)、木材 加工技術のマイウッド・ツー(愛知県)、建築家や工務店のネットワークを運営するコアプランニング(福岡県)、マーケティングを行う、あきない総合研究所(東京都)といった企業と連携し、全国で市場を開拓してきた。  こうした努力が実を結び、いまでは、全国の建築家やデザイナーから同システムが指名されるようになった。  市場規模の大きな首都圏進出を目指し、モデルハウスを開設するなど手を打ってきたが、今年3月、ついに待望の拠点を築いた。
    北海道旭川市の旭川工場に続き2番目の自社工場となる、東京工場が東京都檜原村に完成した。  エネルギー問題への注目度がかつてないほど高まっているいま、完成度の高い省エネ技術を武器に、事業拡大に向け大きな一歩を踏み出した。
    (川端信廣)                    ◇ 【会社概要】飯田ウッドワークシステム  ▽本社=札幌市南区真駒内曙町4の10の10  ▽設立=2000年9月  ▽資本金=3050万円  ▽売上高=4億円(11年2月期)   ▽従業員=13人  ▽事業内容=木・アルミ複合カーテンウオールの企画・製造・販売、木製サッシ・木製スクリーン・木製ドアの製造販売など                    ◇  ≪インタビュー≫  □飯田信男社長  ■断熱集成技術で木材の地産地消  --軌道に乗ったきっかけは  「北海道経済産業局、中小企業基盤整備機構北海道支部のおかげです。
    5人でスタートしましたが、中小機構の経営実務者派遣事業でガラスメーカー出身者のアドバイスを受け、製造ラインのシステム化など生産、技術戦略の助言をもらいました。
    本当に財務、技術、販売まで全ての面できめ細かな支 援を受け、的確なかじ取りができたことに感謝したいです」  --新連携事業に認定されたメリットは  「素材の生産、加工技術、デザイン、販路などの専門企業が全国から集結し、開発から販売まで円滑にできるようになりました。
    博物館など大型の施設にも対応できる木製カーテンウオールなどの製品供給態勢が整いました」  --販売戦略の変化は  「当初は別荘などの富裕層の需要開拓を目指しましたが、ターゲットを効率的な生産が可能な公共施設など大型物件に変えました。
    地域も北海道だけでなく、需要が多い関東圏に力を入れ受注が拡大しました」  --関東に生産拠点を設けた。  「輸送時の二酸化炭素(CO2)排出量削減に配慮しました。
    北海道の旭川工場、東京都檜原村の東京工場ともに森林に隣接した“森の工場”です。
    これから住宅産業はできるだけ輸入材から離れ、国産材、とくに地域材を活用することが重要になると思います」  --地域材活用の課題克服は  「さまざまな種類の樹木があり一長一短あります。
    断熱集成技術を開発し地域材が活用しやすくなりました。
    北海道はトドマツ、カラマツなどの針葉樹やカンバ、ナラなどの広葉樹、東京はスギです。
    硬さに不安のあるスギも技術で地産地消を実現し、東京ならではの窓を製品化します」                    ◇ 【プロフィル】飯田信男  いいだ・のぶお 北海道大学農学部林産学科卒。
    1979年北海道庁入庁、北海道林産試験場勤務、90年退庁。
    住宅サッシ会社を経て、2000年に飯田ウッドワークシステムを創業、社長に就任。
    56歳。
    神奈川県出身                    ◇  ≪イチ押し!≫  ■アルミ複合で強度・デザイン両立 fff:

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