"
2011年- えいねえ 土佐人 木工所代表 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
v11.0
- ID:
- 50578
- 年:
- 2011
- 月日:
- 0530
- 見出し:
- えいねえ 土佐人 木工所代表
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kochi/news/20110529-OYT8T00744.htm
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
観光庁の「魅力ある日本のおみやげコンテスト2011」で、安芸市川北甲の木工所「ストローファーム」の木製おもちゃが特別賞を受賞した。
代表の萩野和徳さん(38)は、脱サラして一から木工を学び、同市に移住して工房を開き、栄冠をつかんだ。
県産材にこだわり抜き、「いい木工品を広めて、安芸から
世界標準の品質を発信する」。
意欲は壮大だ。
(聞き手・森本健裕)
――コンテストでは全国755点の応募作の中から、昨年11月発売の「ままごとセット」(2万1000円)が国際森林年特別賞に選ばれました。
ダイコン、ハンバーガー、包丁など19種類が箱に入って、かわいいですね
木のぬくもりを大切にしたい。
だから仕上げの植物油を塗るだけで、着色はしない。
葉っぱは、京都で草木染したフェルト。
子どもが口に入れても大丈夫なように、細部まで品質にこだわっている。
うれしかったのは、昨年11月に来県された秋篠宮ご夫妻に、おもちゃ2点をご購入いただいたこと。
安全への自信が
、確信に変わった。
――安芸市はご両親の古里なんですね
生まれ育ったのは大阪。
大阪市の会社に勤めていたとき、自然農法を提唱した福岡正信さん(故人)の著書「わら一本の革命」に感銘を受けて、田舎暮らしにあこがれた。
それに、自分の手で物を生み出す仕事がしたかった。
田舎で新しいことに挑戦しようと、思い切って退職。
さしあたりの手に職を付けるため
、和歌山市の職業訓練校で1年間、木材加工と大工の技術を学んだ後、安芸市にやって来た。
しばらくしたら両親も帰ってきて、一緒に住んでいる。
安芸では、おいしい魚、野菜、大好きなお酒が、ふんだんに味わえる。
都会暮らしでは、とてもできないぜいたくで、本当に来て良かった。
――どうして木工所を?
もちろん農業希望だったけど、機械などが高価で、初期投資の多さに断念。
幸い、親戚の古民家を譲り受けたので、糸ノコギリ機など最低限の設備で始められる木工所を開いた。
インターネットが当たり前になっていた頃で、地方でも販売には不利じゃないとも考えた。
工房名は、福岡さんの著書の「わら」を英
訳して名付けた。
――県産材にこだわる理由は
良質で安価だから。
ヒノキは油分が多くて香りがいい上、県東部は製材所があちこちにあって手に入れやすい。
雑木として伐採されるケヤキやカシなど、多種多様な材料もある。
それに、地場の素材を生かせば、地域ごと全国にPRして、地域経済にも貢献できると思った。
おもちゃに着目したのは、木材を有効利用するにはちょうどいい大きさだから。
建材としては小さすぎて紙の原料に回されるサクラは硬くて木工には最適だ
――商品も増えましたね
時計なども加わって現在は55種類。
すべて手作業なので、独力では限界があるが、デザインは主に妻の陽子(38)と4人の女性従業員に担当してもらい、部品一つ一つをみんなで作っている。
いいものを作り続けることが、地域の活性化につながると信じている。
今、東日本大震災の原発事故で、日本製品の多くが海外で風評被害にさらされている。
良質な木工品を世界に広めて、日本の安全をアピールしたい
はぎの・かずのり 大阪府泉佐野市出身。
地元の高校を卒業後、1992年に読売新聞大阪本社入社、写真処理や広告編集を担当。
2000年に退職し、職業訓練校を経て02年にストローファームを設立。
今年1月から安芸青年会議所理事長も務める。
受賞作のままごとセットは、成田、羽田の国際空港
で販売され、関西、中部国際空港にも置かれる予定。
ストローファーム(0887・34・4500、ホームページhttp://www.Strawfarm.Com/)
fff: