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2011年- 宮大工 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
v11.0
- ID:
- 50559
- 年:
- 2011
- 月日:
- 0526
- 見出し:
- 間仕切りで避難所快適に 宮大工 上池伸さん
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1302740697151_02/news/20110526-OYT8T00118.htm?from=yoltop
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- 記事
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京都府京田辺市の宮大工・上池伸さん(55)は、避難所を少しでも暮らしやすい空間にしようと、木製の間仕切り(高さ91センチ、長さ1メートル95)を作り、被災地に届けています。
所属するNPO法人「伝統木構造の会」(東京)が始めた活動で、上池さんは、阪神大震災の経験から賛同しました。
自作の木製間仕切りを避難所に届けている上池さん(京都府京田辺市で)
上池さんは当時、兵庫県西宮市に住んでいましたが、経営していたすし店が全壊し、自宅も一部壊れる被害を受けました。
自らは自宅で寝起きしましたが、両親は避難所へ。
そこで、周囲の目を気にして着替えもままならない様子を目の当たりにし、「間仕切りがあれば」と思ったそうです
職を失った上池さんはその後、宮大工の親類に弟子入りし、現在は同会の京都事務局準備会代表です。
同会が被災地に3000枚の間仕切りを送ると聞き、大工仲間7、8人と、日頃の仕事で余った端材などで計124枚を作りました。
各地の災害対策本部と相談し、先月2回に分けて、宮城県石巻市や岩手県大槌町など6か所の避難所を訪ねました。
2、3畳の空間を囲むように間仕切りを組み立てると、「これで着替えの時に困らない」「木の香りにほっとする」と喜んでもらえたそうです
一度だけ、被災者の男性2人から「誰が持ってこいと言ったんだ」と怒られたといいます。
黙って聞いていると、2人は気が晴れたのか、どこかへ行ってしまい、予定通り設置できました。
上池さんは「避難所暮らしが長引くと、イライラするもの。
生活環境が良くなることで、気持ちが和らげば」と話します
京都府宮津市の高校で建築を学ぶ生徒らも間仕切りの製作を始めるなど、活動は広がりつつあります。
上池さんは今後、家屋の修理や建築が進むよう、大工を派遣したり、資材を送ったりするネットワークをつくろうと考えています
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