"
2011年- 県産材が徐々に浸透 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
v11.0
- ID:
- 49383
- 年:
- 2011
- 月日:
- 0106
- 見出し:
- 県産材が徐々に浸透 課題は原料の安定供給
- 新聞名:
- 秋田魁新報
- 元UR(アドレス):
- http://www.sakigake.jp/p/special/11/morinokuni/article1_03.jsp
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
製材した複数の板を張り合わせ、住宅の柱材などに使用する「集成材」。
本県メーカーの出荷額は2008年度で約203億円に上り、全国一を誇る。
長年にわたり原材料として使用してきたのは北欧などからの外国産材。
それが今、外材依存から脱却し、国産材に転換しようとする動きが徐々に目立ってきた
宮盛が県産スギなど国産材を活用し、商品化した集成材「秋田の杉」=五城目町の同社工場
年間7万~8万立方メートルの集成材を生産する五城目町の宮盛(宮田正社長)。
09年秋、それまで外材100%だった原材料の調達を見直し、県産スギなど国産材を導入した。
スギでつくった集成材「秋田の杉」を独自ブランドとして販売している。
「日本人に昔からなじみがあるのがスギ。
外材より耐久性もあるとされる。
住宅会社からの引き合いは強い」。
出荷を待つ「秋田の杉」を前に、伊藤信悦専務が胸を張る。
同社の国産材使用率はまだ5%に満たないが、将来は50%へのアップを目標に掲げている。
集成材を使用する住宅会社に国産材ニーズが確実に高まっており、「国産材は可能性がある分野だ」と判断した。
低コストによる大量供給で、価格面でも外材が優位にあったが、「国産材価格も徐々に下がり、外材とそれほど遜色ない水準となってきた。
外材購入量を減らすことで、為替変動リスクも回避できる」と、伊藤専務は国産材にシフトすることのメリットを指摘する。
北秋田市の集成材メーカー二ツ井パネルも同様に、09年から県産スギなどの国産材利用を始めた。
鈴木稔社長も「(国産材使用率を)現在の約5%から、最終的に50%まで向上させたい」と力を込める。
国産材活用の変化の流れをより確実にするため、県内の集成材メーカーが一様に必要性を指摘するのが「県産材の安定供給態勢」の確立だ
宮盛によると、集成材製造には乾燥した製材が不可欠だが、県内では乾燥材を安定して提供できる製材所が限られており、必要量の確保がままならない。
このため、効率的な原材料の調達に課題があり、同社の「秋田の杉」事業はまだ採算ベースに届いていない状況だ
伊藤専務は「どんなに好機を生かそうとしても、低コストで安定した材料供給の仕組みをつくらないと市場で勝負はできない。
木の伐採事業者や製材所、集成材メーカーなどが一体的に低コスト化、安定供給を目指す必要がある」と強調する。
鈴木社長はさらに「県産材利用を拡大するには、原材料の大量
供給が可能な大型製材所の設置が不可欠」との考えだ
fff: