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2011年- 井波彫刻 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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- ID:
- 50019
- 年:
- 2011
- 月日:
- 0314
- 見出し:
- 時代に応じ需要“彫り出す” 井波彫刻 ギターも文化財も
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20110314/CK2011031402000137.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
名古屋城欄間 復元を受注へ
「挑戦に価値」
南砺市の井波彫刻協同組合が取り組む新分野の開拓に成果が表れてきている。
二〇〇九年に発表した新商品「木彫りのエレキギター」が昨年末、初の受注にこぎ着けたほか、復元事業が進められている名古屋城(名古屋市)の本丸御殿の欄間部分の復元も請け負う見通しとなった。
伝統工芸産業の
苦境が続く中、組合は「彫刻師らの励みになる」と意気込んでいる。
(河郷丈史)
木彫りのギターは、若者文化を象徴する楽器と、伝統的な木彫技術を組み合わせた新発想の商品。
特に、勇ましい竜をデザインした「龍剣」は、見た目のインパクトから多くのメディアに取り上げられ、井波彫刻の知名度アップに貢献した。
百九十五万円と高価なため、購入者はなかなか現れずにいたが、
昨年末に千葉県在住の六十代男性から注文が入った
制作者の高田斉さん(45)は「当初はギターを作ることに疑問を持たれていたが、挑戦することに価値がある」と手応え。
注文のあったギターの制作準備を進めており、早ければ七月にも納品するという。
高田さんは「若い世代が新しいものに挑む雰囲気が出てくれば」と期待する
さらに今年一月、組合の岩倉雅美理事長(58)は新年祝賀会で、名古屋城の本丸御殿の欄間部分の復元作業を組合が受注する見通しが立ったと報告。
岩倉理事長によると、組合として文化財の復元に取り組むのは初めてという
組合によると、復元する欄間は七枚で、大きなもので高さ約一・二メートル、幅約三・六メートル。
空襲で焼失する以前の写真を基に復元する予定で、一一年度にも作業に取り掛かりたい考えだ
二百年以上の歴史を持つ井波彫刻。
精巧な匠(たくみ)の技を脈々と引き継いできたが、近年は生活様式の西洋化で主力製品の住宅欄間の需要が激減し、新分野の開拓が懸案となっている
岩倉理事長は「景気のいい時代は限られた範囲で仕事をしてきたが、井波彫刻は本来、時代の要求に合わせてものをつくる。
新たな方向性を明確に表現できたのでは」と話している
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