ユーカリ類の植林は、世界の多くの国々で広く広がり続けている。この属が急速に広がり続けている理由は、環境適応性、経済的価値が大きく、成長速度が大きい点にあるといわれている22)。表11は、ユーカリの国別植林面積を示している。
国 名 | 面積(ha) |
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ブラジル | 2,921,000 |
インド | 2,670,000 |
南アフリカ | 557,000 |
ポルトガル | 550,000 |
スペイン | 550,000 |
チリ | 300,000 |
オーストラリア | 297,000 |
中 国 | 274,000 |
アルゼンチン | 242,000 |
ベトナム | 202,000 |
ウルグアイ | 176,000 |
南米は世界の中でもユーカリの植林面積が大きい大陸であり、総面積は約360万haになり、これらの国々はメルコスールを形成しているが、各国で植林奨励政策が大きな役割を果たしている。ウルグアイでは、植林面積が大幅に増加した1991年頃は植林面積の約80~90%がユーカリ類であったが、1997年にWeyerhaeuser社がウルグアイに進出して大々的に針葉樹(P. taeda とP. elliottii )を中心に植林をはじめてから、北部地域でのサザンパイン類の植林が増加している。一方、チリでは1988年までは年間の植林面積の85%がP.radiataであったが、1989年からユーカリ類の植林が増加し、2004年には5万2千㌶、40%を占めるに至っている。なお、メルコスールの国々でもP.radiataの植林が試みられたが、病虫害で植林は成功していない。南米各国の研究所を中心にユーカリについての遺伝的な改良が試みられており、高品質木材を生産する努力が行われている。
また、特にウルグアイは、ユーカリ植林木(E.globulus)を原料としたパルプ製品、さらにP. taeda 、P. elliottii及びE.grandisを原料とした合板やMDF等の木材製品の供給基地になるとみられる。