【56】つばき
喜寿の胸になお燃えるものあり紅椿
(薦田とめ子)幸福のてっぺんで見た落ち椿
(森本清子)
常緑小高木。
本州から九州の海岸近くの山に生える。樹高は6~ 10m、樹冠10m、直径40~50cm、樹令700~800年にもなる。樹令が長いのが特徴。
古くから日本に自生し古事記、日本書記にも出て来る。花木の代表である。栽培品種も多い。
花は2~4月 に咲き、果実は10月に成熟する。庭園樹、実は良質の油で灯油、薬用、化粧油として欠かせない。
材は黄白色で硬く僧の椿杖に使われ箸にも用いる。
露をふくんだ椿のつぼみ一輪は百輪の花よりもはなやかで、また白い椿はどんな色の花よりも多くの色を 持っている。
紀州のお百姓さんや漁師の人で、椿の葉に刻み煙草 を入れて巻き葉煙草にして、吸っていたのをよく見かけたが、紙巻き煙草が普及したためか最近は見かけない。
軍人は椿の花の首がポトリと落ちるのできらった。県の木としては長崎県、新潟県が指定。
花言葉は「慎しみ深い」。