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木偏百樹

【35】さかき

神垣の三室の山の榊葉は 神のみまえにしげりあいけり
(古今集)
(杜)、常緑高木。
高さ8m~10m、時に15m、直径50cmにもなる。関東以西、台湾、中国、ヒマラヤに生育する。
神前に供し、神社に植えられ、神事に使われるのでこの字がある。また紀貫之の歌に、「おく霜に色もかわらぬ榊葉の香をやは人のとめて来つらへ」とある様に“小香木”で香ばしい常緑の意味である、という学者もいる。また一年中葉を青々と繁らせているので“栄樹”とも書く。
縁起の良いので神事に使われたのであろう。
葉は厚く、葉柄があり互生し、枝の上に2列に付き、長さ8cm前後で、先の法は鋭く細くなっているが、末端は丸く、つるつるしていて、質は強いがもろい。
本州中部ではこの木が少ないので“ヒサカキ”を代用しているのが多い。
材は淡褐色で辺材と心材との区別はなく、緻密で強靱なので、床柱、櫛、天秤棒、道具の柄、槌、刷毛、木地等に使われる。庭園樹としてもよい。
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