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新・木偏百樹

さかき

杜、別名ホンサカキ、マサカキ、シャシャキ、カミシバ
「榊」と書くが、この字は漢字ではなく、椿、椢などのように、日本で作られた国字である。神社に植えられ、神事に使われるのでこの字がある。
高さ8m~10m、時に15m、直径50cmにもなる。関東以西、四国、九州、沖縄、台湾、中国、ヒマラヤの暖帯から亜熱帯に分布。夏、花が下向きに咲き、良い 香りがする。実は球形の液果で、熟すると黒くなる。 サカキを知らない人でも、おそらく人生に一度や2度、手にするだろう。結婚式で、地鎮祭、起工式などで神主から渡された玉串を神前に捧げる事など。そ の玉串がサカキの枝葉である。宗教と結びついた植物は多いが、神道の場合はサカキだ。神前に立てられ、神の依代とされ、また神を移す神事では、御神 体に息がかからないようにサカキの葉をくわえる。このように神道行事ではサカキが使われるが普通である。これは、明治8年に制定された神社祭式で決 められてから、全国的に神道はサカキを使う習慣になっていたようである。
関東から東北の神事用は、サカキの代用として主としてヒサカキが使われる。特に東京では年間70トンのヒサカキが八文島から送られているという。
古代にはサカキは今の木を指したものではなく、神事に用いた常緑樹の総称名であったといわわれている。地域各地のサカキ・ヒサカキ・オガタマノキ・シ キミ・タブノキ・クスノキ・ソヨゴ・カナメモチ・マサキなどの常緑樹の中葉の形などがふさわしいものが神事に用いられた。これらをサカキと呼んでいたようで、 その中から、神に供えられる木の代表として色や形が美しい現在のサカキにこの名が固定したといわれている。
神木であったから、むやみに伐ることは禁じられ、もし犯せば災難が起こるといわれた。またサカキを一般家庭に植えると位負けするともいい、便所近くなど の不浄な所に植えたり、船材に使うことも忌まれた また紀貫之の歌に、「おく霜に色もかわらぬ榊葉の香をやは人のとめて来つらへ」とある様に“小香木”で香ばしい常緑の意味である、という学者もいる。ま た一年中葉を青々と繁らせているので栄樹(さかき)の意味、あるいは神域と人域の「境樹」を意味する言葉などがあるがはっきりしない。
葉は厚く革質で光沢があり、互生し、枝の上に2列に付き、長さ8cm前後で、先のは弓なりに曲がり、鳥の爪の形をしている、質は強いがもろい。新葉は紅 色を帯びて美しい。
材は淡褐色で辺材と心材との区別はなく、硬くて緻密だが加工が難しい。床柱、櫛、天秤棒、道具の柄、槌、刷毛、木地等に使われる。1078
学名
Cleyera japonica
ツバキ科
サカキ属
英名
.

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