286 |
材木 |
材木 |
材木がうず高くつんであるのだ。 |
286 |
材木 |
材木 |
手ざわりによるともうその材木には切り込みさえしてある。 |
286 |
材木 |
材木 |
それにしても材木は家を建てるべき材料だから、 |
286 |
建築者 |
建築者 |
建築者はこの近所に住んでいるのか、 |
292 |
材木 |
材木 |
この材木みんな風呂の薪にしてもいいのよ。 |
292 |
薪 |
薪 |
この材木みんな風呂の薪にしてもいいのよ。 |
292 |
材木 |
材木 |
思い切りよく材木を薪にすることもあり得ないことではないし、 |
292 |
薪 |
薪 |
思い切りよく材木を薪にすることもあり得ないことではないし、 |
292 |
薪割り |
薪割り |
その薪割りの仕事は僕がやらせられるのではたまつたものではない。 |
292 |
鉛筆 |
鉛筆 |
時々子細らしく鉛筆をにぎっている背中を見かけたものだが、 |
293 |
建築費 |
建築費 |
思い余ってトキ子に建築費の伺いを立てると、 |
294 |
建築 |
建築 |
トキ子が建築の運びに至らせたのだが、 |
297 |
土台 |
土台 |
今日は土台工事が終わり、そのうちに建前が行われ、 |
297 |
建前 |
建前 |
今日は土台工事が終わり、そのうちに建前が行われ、 |
298 |
建前 |
建前 |
建前の日、その日も僕は |
299 |
骨組 |
骨組 |
つつましやかにその骨組をさらしている筈だったのだ。 |
299 |
大工 |
大工 |
大工がまちがえてトキ子がそれを知らぬ顔で |
301 |
大工 |
大工 |
たしかに大工が高い所で仕事をはじめたのにちがいない。 |
301 |
金槌 |
金槌 |
頭の上で金槌をふりまわされては |
302 |
棟梁 |
棟梁 |
トコ子が僕を棟梁に紹介してしまつた。 |
302 |
棟梁 |
棟梁 |
大工の棟梁にしょうかいされるとは、 |
302 |
棟梁 |
棟梁 |
キッと棟梁の顔を眺めると、 |
303 |
実 |
実 |
焼けあとからいつのまにか生えてきた一本だけある実のならぬ柿の木のかげにかくれて、 |
303 |
カキ |
柿の木 |
焼けあとからいつのまにか生えてきた一本だけある実のならぬ柿の木のかげにかくれて、 |
303 |
板 |
板 |
僕は一枚の板にも、一本の釘にも、 |
303 |
板 |
板 |
板をけずっている半人前職人が片目をつぶって |
304 |
カキ |
柿の木 |
柿の木をはなれて近よった十五、六のカンナけずりの青年は、 |
304 |
カンナけずり |
カンナけずり |
柿の木をはなれて近よった十五、六のカンナけずりの青年は、 |
304 |
棟梁 |
棟梁 |
トキ子がとつぜん棟梁に向かって、 |
304 |
棟梁 |
棟梁 |
棟梁はそれっきりトキ子の方はふりむきもせず、 |
309 |
スギ |
杉の木立 |
病院の貧弱な杉の木立をすかして、たしか僕の家の庭で |
309 |
木立 |
杉の木立 |
病院の貧弱な杉の木立をすかして、たしか僕の家の庭で |
309 |
骨組 |
骨組 |
骨組の聳え立った二階屋のてっべんに何のマジナイか紙切れが |
309 |
棟梁 |
棟梁 |
棟梁ににじりよって僕の心が重くなるような |
309 |
棟梁 |
棟梁 |
添うどころか棟梁たちのそばにつき添って楽しげであるのは |
318 |
蕾 |
蕾 |
花の蕾のような感触で、 |
318 |
スギ |
杉 |
杉の木を伝っておりられたりしては危ないのですがね、 |
318 |
スギ |
杉の木 |
杉の木を伝っておりられたりしては危ないのですがね、 |
318 |
木 |
杉の木 |
杉の木を伝っておりられたりしては危ないのですがね、 |
319 |
棟梁 |
棟梁 |
今日は棟梁もなかなかあらわれず、大工たちもノロノロと仕事ぶりも緩慢で、 |
319 |
大工 |
大工 |
今日は棟梁もなかなかあらわれず、大工たちもノロノロと仕事ぶりも緩慢で、 |
319 |
建築 |
建築 |
いくら僕の好まざる建築とは云いながら、 |
320 |
棟梁 |
棟梁 |
やがて棟梁は姿をあらわしたが、 |
320 |
棟梁 |
棟梁 |
昨夜の人影は棟梁ではないかと思った、 |
320 |
棟梁 |
棟梁 |
棟梁を叩きのめさねば気がすすまぬ。 |
321 |
スギ |
杉の木 |
二階の窓から杉の木にとびつき地上に辿りつくと |
321 |
木 |
杉の木 |
二階の窓から杉の木にとびつき地上に辿りつくと |
321 |
スギ |
杉の木 |
僕の杉の木からおりるのを持っていたにちがいない。 |
321 |
木 |
杉の木 |
僕の杉の木からおりるのを持っていたにちがいない。 |
322 |
棟梁 |
棟梁 |
「棟梁の知人が死んだので振舞酒をのんできたのよ」 |
330 |
羽目板 |
羽目板 |
羽目板を叩くのなら分かるがドアをえらんで叩くとは |
334 |
雑木 |
雑木 |
雑木の喬木(きょうぼく)のあいだを走り、 |
334 |
喬木 |
喬木 |
雑木の喬木(きょうぼく)のあいだを走り、 |
340 |
スギ |
杉木立 |
サッと杉木立をなびかせて |
340 |
木立 |
杉木立 |
サッと杉木立をなびかせて |
342 |
棟梁 |
棟梁 |
たしかに棟梁の後姿だ。 |
342 |
建築 |
建築 |
かけ離れた建築を彼女は試みる。 |
342 |
建築 |
建築 |
そうして新しい建築が終わるまで |
342 |
棟梁 |
棟梁 |
もう棟梁の姿は闇の中にかくれてしまったが、 |
342 |
棟梁 |
棟梁 |
五郎は棟梁のあとを追っかけて行くことは |
342 |
棟梁 |
棟梁 |
五郎が棟梁に向かって走るのなら、棟梁にたいする行為か悪意の |
342 |
棟梁 |
棟梁 |
五郎が棟梁に向かって走るのなら、棟梁にたいする行為か悪意の |