この小説には樹木は取り上げられていません。

坂口安吾の小説「二流の人」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1947年、文庫本におけるページ数は102ページ

ページ	元樹種	掲載樹種	掲載言葉
149	楔	楔	いわば豊臣家滅亡の楔が一本打たれたのだが、石垣山で淀君と遊んでいた秀吉はそんなこととは知らなかつた。
156	櫓	櫓をつくり	如水は城攻めの名人で、櫓をつくり、高所へ大砲をあげて城中へ落す、
162	塗炭	塗炭の苦に	長い戦乱のために人民は塗炭(とたん)の苦に喘いでいる。
165	槍	槍の柄で	槍の柄で力一杯馬の尻を殴りつけ、追いせまる敵を突き落して討死をとげた。
165	柄	槍の柄で	槍の柄で力一杯馬の尻を殴りつけ、追いせまる敵を突き落して討死をとげた。
169	杭	出る杭は打たれ	忠義に対する冷遇、出る杭は打たれ、一見豪放磊落(らいらく)でも天衣無縫(むほう)に縁がなく、
169	板	板につく男だ。	やりだしてみると、秀吉などとはケタ違ひに茶の湯が板につく男だ。
172	縁	縁の下の力持	信長と信玄の中間に介在して武田の西上を食いとめ信長の天下を招来した縁の下の力持が家康で、
175	木	木より墜落	イヤハヤ、大失敗、猿公木より墜落じや。
176	襖	襖があいて	ガラリと襖があいて、秀吉が真夏のこととは言いながら素肌に陣羽織、
181	弓	弓をひき	新六郎は先に武田勝頼に通じて主家に弓をひき、
181	柄	刀の柄	父を裏切り一門を亡す奸賊であるというので父と兄が刀の柄に手をかけ青ざめて殺気立つから、
181	櫃	具足櫃	左馬助は具足櫃(ぐそくびつ)に身をひそめ、具足を本丸へとどけるからと称して小姓に担ぎださせ、
206	縁側	縁側を行つたり来たり	之をあやしながら縁側を行つたり来たり、
211	林	林	万億の火筒の林も指先で摧(くじ)くが如き壮烈無比なる見幕に驚いた。
213	木の葉	木の葉の如く	朝鮮軍は風にまかれる木の葉の如く首府京城まで一気に追いまくられてしまう。
232	枯木	枯れ木	枯れ木のように痩せ、しなびいた。
232	枯木	枯木	秀吉は病床の枯木の骨を抱き起こさせ、
232	枯木	枯れ木	枯れ木のうちに、不思議に涙はあるものだった。