よせ入牢いたし有之咎人を引出し持参の
大砲ヲ曳かせ直様打ち込み候折柄代官桜井
久之丞事ハ兵粮御用ニ付芸州へ行候留
主中不居合手代の者五七人罷出候得共
何の苦もなく討取翌九日昼頃?同所相
固居申候其夜見請候もの実ニ地獄の咄し
の如し玉嶋?ニ里計リ逃行人夥敷蟻
の這うが如し漸く夕方ニ相静リ申候
浪士の体黒ノ羽織ニ袴ニ白ク黒にて毛
利大膳附属何某ト姓名相印シ
在之由両三日ハニ三人ツツ同所近辺寛々と
歩行いたし居候此倉敷千軒計家数ニて
天領ニて代官支配也近年桜井初手代
とも私欲ニふけり人民ヲ大脳し奸曲の
政道多く人々大ニ恨ミ居候処天誅
不遁如此五条同様の事とか其餘いろいろ
港説多分候得共不取留事故不申上候