より京地ノ方危うく相見へ候由
一 薩州侯事北海へ巡り若狭より上陸致シ
此節叡山ニ登リ諸坊々借り受屯ロ
いたし京地屋舗所々屯集人数如山
御心中難相分候長ト薩ト同意の風
説も粗有之候外諸侯方も表ハ関東
随順いたし有之候得共内心いか成事ニ候哉
是又難計相見へ実ニ危ふき世の中と
相成候事ニ付貴君様ハ安楽の土地ニ御安
居浦山敷拙者杯ハ何時異事有之も
難計貴地辺ハ逃下り候事も難計何卒程
能和平是のミ奉祈上候 当時諸色
米 六百文 酒 六百文 風呂 十六文
月代 六十四文 大工 日 壱部 油一貫 六百文
薪 一かけ 壱部ト二百文
其外品も是ニ準シ眼の玉の飛出るようなる
高直に御座候
一此の頃長崎より書信有之彼地も追々夷奴
入津いたし表ハ繁昌の姿ニ相見へ候得共夜
中には盗賊押入等有之質屋杯ハ夜ニ入